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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第18章 陰謀の根源

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737.狂おしき仁義

「“嘆きの牢獄”!!」


 前に戦ったとき同様、念能力の思考容量を凍結対策に割かせる!


 それにしてもアイツ、別の個体と違って武器を持っていな――



『“古代兵装/兆星の門翼”』



 アイツの背後の空間が裂けて、翼の形状に夜空が覗き込んできた!?


挿絵(By みてみん)


 でもあの夜空、異様に星の光が多い。


『知っているぞ、その能力』


 フワリと浮き上がり、数メートル上空で停止した?


「――クソ!」


 私の“嘆きの牢獄”は、私の足元から地面を伝い、壁や物を経由して凍結させる能力。


 何も無い場所に浮かれると、凍結させる難易度が一気に跳ね上がる。


『次はこちらの番――』


 夜空の翼から、光が無数に飛び出して来た!


「――“神代の障壁”!」


 九文字刻まれた円盾が付いた大杖から青白い障壁を生み出し、私達を守ってくださるサトミ様。


「空を飛ばれるのは厄介ね――“颶風魔法”」


 サトミ様が魔法を使用しようした瞬間、アバターが滑空してきた!?


「装備セット2 ――“回転”!!」


 腕に浮かぶ輪剣、“殺人鬼の狂おしや”と“コキュートスハリケーン”を回転させ、ジャンプ――進路状に飛び出る!!


『蛮勇だな』


 夜空を盾にして受けられたうえ、翼を翻すと同時に不可視の衝撃波を浴びせられ――壁に叩き付けられた!?


「が……ぁ」


 こんな簡単に――前は善戦できてたのに。


「“魔法陣操作”――ストームダウンバ-スト」


 魔法陣を高速で動かして、自分が効果範囲内に居るにも関わらず魔法を!?


 上からの重圧で叩き付けられる蜥蜴!


「――“神代の真秀颶風”!!」


 至近距離から、あの暴力の化身をぶつけた!!


「ハアハア……ちょっとショックかしら」


 サトミ様のあの球体を、夜空の翼と不可視の力で受けきったっていうの、アイツ!


『何がショックだ……化け物め』


 身体がひしゃげ、亀裂は入っている。


『やはり、高次元存在は危険。クソみたいな肉体に宿って尚、この脅威!』


 急に感情的になったな、コイツ。


『死ね、魔女よ! ――ッ!!』

「惜しい」


 迫る“嘆きの牢獄”の凍気を察知し、再び空に逃げられた!


 コイツ、アルファ・ドラコニアンの割に小賢しいな。


「無事ですか、サトミ様!」


 魔法耐性を始めとした数々のダメージ減衰能力があるとはいえ、ご自分の魔法を浴びるなどという無茶をなさるなんて!


「アレで仕留める気だったんだけれど……見誤ったわ」


「後はお任せを」


 これ以上、サトミ様に負担を掛けてなるものか。


「“ホロケウカムイ”!!」


 青いオーラを纏う。


「――“氷獄の大台風”!!」


 X字の“コキュートスハリケーン”が回転し、凍結の渦を上空に向かって撃ち出す!


『大雑把な攻撃だ――そういう事か!!』


 壁から天井まで伝い、上下と左から“嘆きの牢獄”を迫らせ、唯一の逃げ道には凍てつく台風を配置!! ――ここだ!!


「“氷獄転剣術”――コキュートスブーメラン!!」


『やってくれる!!』


 念で台風を去なしつつ、私の“殺人鬼の狂おしや”は翼で受けたか!


「――“殺人回転”!!」


 “回転”の上位効果を発動し、威力を強化――夜空の翼を切り裂く!


「……やりぃ」


 アバターの右腕を、翼ごと切断してやった。


『――獣人如きが、調子に乗るなッ!!』


 重圧を叩き付けられる!


 “嘆きの牢獄”を広範囲に展開したことで、自分の逃げ道までも減らしてしまっていた!!


『兆星に消えろ!!』


 左翼から、無数の星光が迫ってくる!


「“颶風魔法”――ストームブラスト!」


 再び守ってくださるサトミ様!


「行って、リンピョンちゃん!」

「――“跳躍”、“変幻刃”!!」


 アルファ・ドラコニアン・アバターにひざ蹴りを食らわせ、膝から生やした刃を鳩尾にぶち込んで組み付く!


『は、離れろ、穢らわしい!!』


 コイツも、結局は他のドラコニアンと一緒か。


「サトミ様が行けと言ったのだ――離れるはずがないだろう!!」


 左腕の“殺人鬼の狂おしや”に神代の力が流れ込み――より凶悪なフォルムの円鋸、“殺人鬼の狂おしき仁義”となる!!


挿絵(By みてみん)


「“神代の円刃”――“殺人回転”!!」


 火花を散らしながら、アルファ・ドラコニアン・アバターのボディーが切り裂かれていく!


『おのれ――おのれぇぇッッッ!!!!』


 胸から頭に掛けて切り上げると機能を停止し、凍てつく氷の上へと落ちて……氷像と化した。


「じゃあね、醜いトカゲちゃん」


 足裏からスパイク状に生やした“変幻刃”で、氷像を蹴り砕く。


「――ハアハア、ハアハア!?」


 思っていたより……余裕が無い。


「ごめん、メグミにクリス」


 すぐには、加勢に行けそうにないや……。



○○○



「援護は任せたぞ、クリス」

「はぁい、お任せ!」


 右手の盾を消し、“雄偉なる高潔神竜の激昂”に九文字刻んで前に出る!


『たった二人か――舐めてんな、テメーら!』


 “ハイパー・ドラコニアン・アバター”が駆け出す!


『とっとと死ね!』

「な!?」


 奴が腕を振る前動作に入ったと思ったら、腕が飛んできた!!


「ぐッ!!」


 ワイヤーで伸縮してきた機械の鉤爪。


 剣で防ぎはした物の、念能力による底上げでバカにできない威力!


「くたばれでぇす!」


 クリスが銃剣による狙撃で、奴の気を引いてくれる。


挿絵(By みてみん)


 よくよく見ると、通常のアバターよりも肉食恐竜感があるな、コイツ。


「“随伴の竜気”」


 金色のオーラを、無数の竜の顎とする。


「“竜技”――ドラゴンブレス!!」


 八つの顎から、同時に息吹を轟かす!!


『“魔力障壁”』


 スキルを使用して防いだ?


 武器の類を装備しているようには見えない。あのボディーに内臓された能力か。


『まずはお前だ!』


 クリスに狙いを絞り、腕の振るいと共に不可視の斬撃を放った!?


「“可変”――クロススラッシュ!!」


 神代の力を纏う銃剣で、迎撃するクリス。


「私を無視してて良いのか、ドラコニアン!」


 竜気で生み出した顎共を、食らい付かせる!


『この程度じゃ、このボディーには傷一つ付かないらしいな』


「なら、これはどうだ? “竜光砲”!!」


 左腕の“竜の顎”より、神代文字の力を込めた一撃を放つ!


 竜気で押さえ付けた所に、回避不可能な一撃。


『ハ! 念能力が制限されている分、頑丈な身体だぜ!』


 左腕の一部がスパークしている物の、ボディーは多少歪みが生じた程度か。


 SSランクが使えないのが、一気に重たくのし掛かって来る。


「“薔薇魔法”――ローズレーザー!!」

『じゃかぁしい!!』


 神代文字が込められたレーザーでも、念能力で一瞬防いだ隙に避け――クリスに接近していく!



●●●



 ドラコニアンと正面から――以前のような足手纏いには、もうならない!!


「“猪突猛進”!!」


 自ら前に出て、機先を制す!


「“二刀流”、“薔薇剣術”――ローズスラッシュ!!」


 エネルギーの膜を破られるよりも早く、ハイパー・ドラコニアンのボディーを切――ほとんど刃が通らない!


 “甘い蕾の中の逢瀬”と“熱い蕾の中の逢瀬”、両方に九文字刻んでいるのに!


『雑魚は目障りだ!』

「――“瞬足”!!」


 手刀を横に避ける!


「――薔薇脚!!」


 “薔薇剣術”のスキルは、“免許皆伝”によって“薔薇の卓越者”になっているのよ!


「クソ!」


 簡単に防がれ――奴の口内が輝いている!?


「“跳躍”!!」


 直後、青白い光線が地面を焼き切った!!


「“可変”」


 この声――“雄偉なる高潔神竜の激昂”の刀身が割れて、砲撃形態を取っている!


挿絵(By みてみん)


「――“薔薇魔法”、ローズバインド!!」


 棘だらけの蔦で拘束!! 神代文字を注いで強化!


『こんなもの――』



「――“神代の激竜砲線”!!」



 コセさんの剣と同じ能力宿した一撃に、ハイパー・ドラコニアンが呑み込まれる!


「……悔しぃですね」


 ドラコニアンに通じる攻撃手段が無いのも、精錬剣を作り出す資格すら無いのも。


『腕を……持っていかれるとは』


 それでも、左腕以外はほとんど無事とは……。


「ハアハア、ハアハア」


 メグミの消耗も激しい。


『さすがは裏切り者共だ』


 私とメグミのことを言っている?


「心外でぇす!」


 ――不可視の重圧を浴びせられ、床を転がる羽目に!!


「“可変”」


 精錬剣を……大剣に戻すメグミ。


『くたばれ!!』

「――“拒絶領域”!!」


 回転しながらの跳び尻尾攻撃を、円柱状の衝撃波で弾き返し――メグミが即座に距離を詰める!



「“凰竜大地剣術”――メイストームグランドブレイク!!」



 十五文字刻まれた剣で念のバリアを易々と破り、ハイパー・ドラコニアン・アバターを破壊した。


『絶対……ゆるサネ……ェ…………』

「黙ってろ」


 頭部に剣を突き刺し、機能を停止させるメグミ。


 ……結局、最後までメグミにおんぶに抱っこでしたねぇ。


おまけ

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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