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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第18章 陰謀の根源

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734.二転三転の結末

「タイシュ、お前がメインで攻めろ!」

「おうよ!!」


 タイシュの黄金の獅子のオーラがアルファ・ドラコニアン・アバターを襲うも、球体状の見えないバリアに弾かれて届いていない。


「だったら、コイツでどうだ!」


 左腕の“レグルス・アウルム”とは逆の鉤爪、“一撃で決めてやるぜ”に六文字刻み、黄金の獅子オーラへと力を流し込んで炸裂させ、バリアを破った!


「“同系合成”――“紅蓮矢”、“暴風矢”、“氾濫矢”、“万雷矢”」


 ラフォルが強大な一矢を準備し始めたか。


「――消えた!?」


 ドラコニアン・アバターの姿が、一瞬で!


『まずはお前から』


 アイツ、ラフォルの背後に!!


「――“追尾命中”」


 ラフォルの奴、頭を守った二の腕を潰し飛ばされる直前、強化合成した矢を放ちやがった!


 とっさのバリアでは防げず、背後から左肩を破壊されるロボット野郎!


 肉を切らせて骨を断つ――ラフォル、お前こそが真のサムライか!


「“木乃伊猫”!」


 包帯だらけの猫が、魔方陣から次々とアバターに取り付いていく。


『は、離れろ!!』

「ソイツ、アイテムで“転移”する気だニャ!」


 バステトの言うとおりなら――あの腕輪の能力だな!


「“幻影肩腕”――“蜃気楼”、“有象虚像”!!」


『邪魔なんだよ!!』


 念で“木乃伊猫”が弾き飛ばされた瞬間、神代文字も注ぎ込んだ巨大な拳を――ロボット野郎に叩き込む!!


「――崩壊拳!!」


 私の渾身の一撃で、右腕を破壊!


 これで、腕輪の転移は使えないだろう!


「“覆竜技”――ヴリトラドラゴンブレス!!」


 ナナコのSランクの杖、“黄金竜王の秘杖”により、竜属性を含む魔法と竜技の威力は二倍になる!


『奴隷共がぁぁ!!』


 ボロボロのくせに、念のバリアで耐えきりやがった!


 我が愛刀――“崩れる虚飾は誰がため”に九文字を刻む!!



「“崩壊刀剣術”――――幻想断ち」



 微かなバリアの抵抗をはね除け、機械の身体を両断。


『く、黒い蛮族如きに……』

「確かに私は、お前らに良いように搾取されて、劣等感と差別意識と僻み根性を植え付けられた、しょうもないアフリカ人の一人さ」


 壊れかけの頭部を刀で突き刺し、機能を完全に停止させる。


「ナナコ、ラフォルの治療を!」

「もうやってる! まったく、どいつもこいつも無茶しやがって!」


 ようやくいつもの調子に戻ってきたな、ナナコのアホめ。


 お前が、私達に気後れする必要なんてないんだからさ。



○○○



「“桜火砲”!!」


 ツグミの大火力砲撃でも耐えたか。


「“六連瞬足”」


 紅色の刀、“腹の一物をぶちまけろ”に三文字刻む!


「“狂血武術”――吸血鬼断ち!!」


 ――まるで胸ぐらを掴まれたみたいに身体が無理矢理引っ張られて、攻撃を外される!?


「“ワッカカムイ”――“二重武術”、“万雷投槍術”――サンダラスジャベリン!!」


 “ヴァジュランス”と六文字刻まれた“万雷の宴に恐れ戦け”、二つの金色の投槍が掠め、左脇腹から左脚に掛けて破壊。


挿絵(By みてみん)


「“ピリカカムイ”!!」


挿絵(By みてみん)


 身体強化し、ザグナルの二刀流で殴り掛かるセリーヌ!


『羽虫如きに!!』

「バカがよ!!」


 セリーヌのやつ、鎧に九文字を刻んで、敵の念による干渉を弾いているのか。


「――ミスティックダウンバースト!!」

『ガぁッ!!』


 詠唱破棄の魔法で、隙を突いた!


「“瘴気砲”!!」


 ツグミの砲撃。


『チ!! ――“可動”!!』


 左腕の竜みたいなパーツが動きだして、瘴気の奔流を弾き飛ばしただと?


『扱い方がよく分からないってのによ!』

「ぁあッ!!」


 蠢く竜の首で、セリーヌを弾き飛ばした? アイツ、当たる直前にセリーヌを一瞬、硬直させたのか。


「――“絡繰り鬼兵”!!」


 貰ったユニークスキルを行使――青い炎を携えたメタル骸骨を呼び出して、左腕の竜首と戦わせる!


『邪魔だ!!』


 “絡繰り鬼兵”が、いきなり殴り飛ばされたみたいに!


 やっぱり、文字の力を流せないと太刀打ちできない!


『まずはお前だ!!』


 トカゲロボットが狙ったのは、ツグミ!



「“太刀神降ろし”――――“超竜閃”」



挿絵(By みてみん)


 突然生まれた巨太刀が、アルファ・ドラコニアン・アバターの身体を両断……した?


「トドメよろしく、ツグミ」


「――“桜火砲”!!」


 トカゲロボットが消失し、あの不気味な竜のパーツだけが残った。


「メイベル達も片付けたか……」


 今更ながら、私って弱いな。スキルや装備構成も、対生物に偏っている気がするし。


「神代文字……どうすれば、もっと使いこなせるようになんのよ」


「ねえ、ラフォルが重傷みたいよ」


 心配そうなハユタタ。


 なんだかんだで、アイツは優しい。


「セリーヌさんとネロさんは大丈――ッ!!」


 ツグミに遅れて、最深部とは逆から近付いてくる存在に気付く!


《――俺が我慢できずに探し回ってる間に、まあまあ強そうなのが揃ってるじゃねぇか》


 赤い筋骨隆々の身体……アレが、本物のアルファ・ドラコニアン!!


 さっきのアバターが可愛く思えるくらいには、圧倒的な存在感……コイツに勝てたとしても、たぶん、私達の何人かは死ぬ!!


「お、オールセット1」


 相手が生物なら、“即死”が通用するはず……私、震えてる? 今更、死ぬことを恐れてるって?


「……ざけんな」


 私は、私が気に入らない奴等は全員殺してやるんだ!! 私に恐怖を与える奴等、皆皆皆皆皆皆皆、ぶっ殺して――――最深部の方から巨大な爆発音と、部屋全体を揺らす程の強い振動が!?


「――まさか!!」 


 ユイが、奥へと向かって走り出した!?



●●●



 ツグミ達の居る部屋から続く長い通路を抜けた先、また広くて白い部屋に足を踏み入れた時だった。



 『10番エリアのSSランクが回収されたのを確認しました。よって、現在10番エリアに居る皆様は第三回大規模突発クエストをクリア。依頼達成です』



 壊れた壁の奥で、日本刀を摑みとっている者は……。


『……ほう。一足遅かったな、コセとかいう男のパーティーメンバー』


 私の顔を知ってるって事は、間違いない!


「昨日、不意打ちしてきたサイボーグ……」


 声と反応的に、中身は一緒っぽい。


『コイツを試してみたかったが、時間切れらしい。じゃあな』


 SSランクを視認できたなら、おそらく情報は持ち帰れる。


 視界が光に染まりきるまで、私はサイボーグ男を睨みつけた。


おまけ

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


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