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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第18章 陰謀の根源

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689.クエストルールと分配方

 夜、指定の時間の五分前に、《龍意のケンシ》のほぼ全メンバーで庭園へと転移。


「待たせたか」


 既に来ていたアテルとキクルに声を掛ける。


挿絵(By みてみん)


「いや。僕は主催だから、早めに来ていたけれど」

『俺達も、さっき来たところだ』


 その割に、女性メンバー達は随分打ち解けているように見えるんだけれど。


 ていうか、知らない面子が結構多いな。


「二人は仲が良いのか?」

「“多様学区”で暫く一緒に活動してたからね」

『巻き込まれた突発クエストも、自然と協力して乗り切ったしな』


 本当に仲が良いらしい。お互いに距離感は保っているようだけれど。


「座ろうか」


 白い円卓があり、等間隔で椅子が三つ並べられてある。


 座るのはレギオンリーダーだけか。


「まずは、二人にはこれを見て欲しい」


 俺の傍にタイタンの隠れNPC、キクルの傍に黒髪の使用人NPCが近付く。



□第三回大規模突発クエストルール


○七十二時間以内に、施設最深部にてSSランクアイテムを回収し、動力を停止させる事でクエストクリアとなります。


○全員のLvが100に固定され、クエスト終了後に経験値が適用される。ステータス以外のLvアップ恩恵は適用されません。これは参加者の格差を減らすための措置です。


○死体が消えない。よって、殺した相手の装備はクエスト終了まで手に入らない。死体から盗むことも不可能。


○SSランクが回収されたエリアに居る人間は、強制的にクエスト終了。その場合はクリア扱いとなり、罰則は発生しません。


○道中に安全エリアは無し。


○入り口はパーティーごとに用意されています。


○賞金稼ぎの方々は同士討ち不可能。何人かは同じ入り口を使って頂きます。


○同レギオンの参加パーティーが十二を超えない限りは、別エリアに転送されます。


○カウントシステムの適用。パーティーで合計10000KP(カウントポイント)を達成した場合、クエスト後に特殊なSSランクアイテム一つと引き換え可能。


*倒したモンスターのランクによってポイント加算。Fランクモンスターは1、Eは2、Dは3、Cは4、Bは5、Aは6、Sは7

*プレーヤーはLvで決まる


○エリア内の宝箱を開ける場合、カウントシステムのポイント、KPを使用する必要あり。


○途中棄権は不可能。


○クエストを失敗した場合、そのエリアに居るプレーヤーが持つ、素のAランク以下のアイテムを全て没収する罰則あり。


○クエスト開始と同時に、自分が居るエリアのマップをチョイスプレートから確認可能になります。


○殺した隠れNPCを奪える。隠れNPCと契約していない場合に限り、クエスト終了後に手に入れられる。異世界人以外でも契約可能。殺した人間のパーティーメンバーに権利を譲渡する事も可能です。


○別の突発クエスト報酬だった代物が、各エリアに複数用意されています。


○各パーティーにSSランクは一つまで。複数装備が確認された場合、強制失格となって元いた場所に戻される。クエスト中に手に入れたアイテムも全て没収。


○大規模突発クエスト中とその前後三日間、突発クエストは行われない。



「随分と細かいな」


 これ、NPCが居ないパーティーは全部把握しきれないだろ。


「僕ら《日高見のケンシ》はクエストに参加する。君たちも参加して、協力して貰いたい」

『手に入れたSSランクはどうする? 早い者勝ちでは協力もなにも無いだろう?』


 一番揉めそうなところを突っ込むキクル。


「……クエスト中に手に入れたSSランクは、回収した物、殺して奪った物問わず、後日、庭園で山分けにしたい」


「それ、誰が最初に選ぶとかでまず揉めるだろう。三組で割り切れる数が手に入るとも限らないし」


「そのことだけれど、それぞれのレギオンが順に一つずつ選ぶという形式を取りたいと思っている」


 一番妥当で平等だとは思うけれど。


「ただし――最初の選択権は、僕達《日高見のケンシ》が貰う」


 空気が一段重くなる。


『なんの権利があってだ?』

「ルール情報の提供。この情報があるかないかで、各々の作戦は大きく変わるはず。僕らは君達よりも危ない橋を渡っているんだよ?」


 アテル達は、既に参加メンバーもパーティーも変えられない。


「解った。俺は構わない」

『良いだろう。なら、二番目に選ぶのは、クエスト中によりSSランクを手に入れた方でどうだ? コセ』


 SSランクが三の倍数より少ない場合、二番目と三番目は手に入るSSランクが一つ減るかもしれない。


 特に、三番目はその可能性が高くなる。


 なら、SSランクを一つでも多く手に入れたレギオンが優先権を得るのは、当然の権利だろう。


「ああ、それで構わない」



「僕たちが所有するSSランクは六つだ」



 アテルからの、いきなりのカミングアウト!


『……俺達は四つ』


 キクル、お前も答えるのかよ。


『「……」』


 こっち見んな!


「……実質、八つ」

『実質ってなんだ?』

「まあ、色々」


 手放した“ブラッディーコレクション”はカウントしないとして、それ単体では意味を成さない“レギオン・カウンターフィット”に、SSランクでありユニークスキルでもあるクレーレの“雄大なりし悪魔神の夢”もあるし……なんでこんなにカウントしづらい要素が多いんだ、うちのSSランクは。


「まさか、一番進んでいない《龍意のケンシ》が、もっとも多いとはね」

『狡いぞ、お前ら』


 狡いってなんだよ! こっちは、“メタモルコピーウェポン”使えばもっと増やせるんだぞ! いや、やっぱ狡いわ、俺達。


「ていうか、二人のレギオンは今どこに居るんだ?」

「僕達は五十七」

『俺はもうすぐ五十四』


 キクル達はともかく、アテル達はあまり進んでないんだな。


「すみません、“エンバーミング・クライシス”の持ち主、イズミと接触した人は居ますか?」


 トゥスカの発言。


「僕達は遭遇していない」

『俺達も……』


「私は、前に交戦したな。連れの男は仕留めたが、女の方には逃げられた」


 そう言ったのは、キクルの背後に控えていた、ザラッとした見た目の白い鎧纏う……黒髪ポニーテールの女性。


「いつのことですか?」

「一ヶ月くらい前、“多様学区”での事だ」


 今も生きているかは判らないと。


「ありがとうございます。口を挟んですみませんでした」

「いや、せっかくだ。これまでに接触したSSランク使いについて、情報交換をしたい」


 その後の話で、アテルやキクル達も、戦闘をしつつ逃げられたSSランク使いが結構な数居ることが判明した。


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