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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第18章 陰謀の根源

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685.魔神・付与精霊

「花畑での指輪探し、沼地の蛙掃除ときて、最後は遺跡か」


 レンさんがぼやく。


「エルザ、今度はどうすれば良いの?」


 アイヌの末裔であるチトセさんが尋ねる。


「遺跡は一番シンプルだ。遺跡を守る強めのモンスターを倒せば良い」


 私達が近付くと、崩れた遺跡前に、黄金の小手を装備した白い光の巨人が降臨した?


「コイツ、前にも戦った大天使ってやつか?」

「“ウリエル”だな。まさか、一番手強いのを引き当てるとは」

「あの黄金の小手は、ナオちゃんが使っている物と同じかしら?」


 フミノさんに言われて、初めて気付いた。


「天使なら、“不浄液”で簡単に仕留められます!」


 ヘラーシャさんが、いつにも増してやる気満々。


「いや、ここは私に任せろ――ようやく、コイツの性能を確かめられる相手が出て来たからな」


挿絵(By みてみん)


 レンさんが掲げたのは、黒い生物的な黒い剣――“雄偉なる邪悪で雑悪を断て”。


 “レギオン・カウンターフィット”で生み出した、レンさんとコセさんだけの精錬剣。


「まさか、“レギオン・カウンターフィット”だけは、NPCでも使えるなんてね」

「他のSSランクが無いと、単体ではなんの意味も無い武器だからですかね?」


 フミノさんと語らう。


「――“随伴の邪悪”」


 様々な色味を帯びた黒い煙のような物が、四つの斧を形作っていく。


 コセさんが試していたときは、剣にしてたっけ。


「行くぜ、大天使様よ!」


 四つの巨斧に対し、飛び上がって避けるウリエル。


「逃がすかよ!」


 斧を分裂させ、八つで囲い――翼を集中的に切り裂いた!


「あの野郎、実体が無いからか落ちてこねーな」

「あれ? 色が……」


 身体の白い光が、黒く染まっていく。


「まさか――大天使が“堕天化”だと!?」


 あのエルザさんの慌てよう、本来はあり得ないのかな?


「レン、剣をイチカに! 今の奴は闇耐性が上がっている分、光耐性が低くなっている!」

「なら、コイツの相手にますますちょうど良いじゃねぇか!」


 黒い生物的な大剣に、神代文字が十二文字刻まれる。


「“邪獣化”」


 黒いダークヒーローになって、“随伴の邪悪”の斧を足場に、ウリエルへと接近していくレンさん!


『――“情熱の黄金拳”』

『“咎斧”――“邪悪武術”、ウィケッドトマホーク!! ハイパワーローリング!!』


 戦士特有の武術の重ねがけで、黄金の炎の奔流をぶち抜いた!?


 しかも、黄金の小手を嵌めている右腕の肩を、大きく切り裂いてしまう!


『実体が無いぶん脆いな、お前』


 レンさんが、大天使の眼前へと到達。



『“邪悪大地剣術”――ウィケッドグランドブレイク!!』



 振り下ろされた黒生の剣より放たれた強大なエネルギーは、一撃で大天使の巨体を吹き飛ばして魅せた。


「……格好いい」


 なぜ、レンさんの戦う姿はあんなにも人を魅せる事が出来るのか。


「私の見せ場……あ、宝箱が出ましたよ!」



○“二重魔法の指輪”を手に入れました。



 ヘラーシャさんがアイテムを回収すると空間が歪み……ボス扉の前へと転移していた。


『意外だな。まだ誰も来てねーとは」

「比較的、短時間で終わるルートばかりだったからな」


 レンさん、道中の敵も精錬剣で殲滅してましたしね。


「良いな。チトセさんも、精錬剣を作れるんですよね?」

「はい。私は剣を使うのが苦手なので、あんまり意味ないんですけれどね」

「なんだよ、フミノ。お前も、コセとヤッちまえば良いじゃねぇか」

「レンさん、さすがに下品過ぎますよ」


 コセさんと関係を持ってから、レンさんの言動が少し下世話になった気がする。


「まあ……もう少し、気持ちの整理がしたいっていうか」


 髪を弄りながら頬を染めるフミノさんの色気は――凄まじかった。


「そ、そっか……うん、大事だよな、気持ちの整理」

「そ、そうですね! 大事です!」

「……? どうしたの、二人とも?」


 ダメだ、フミノさんに女として勝てる気がしない。



●●●



「第四十八ステージのボスは、魔神・付与精霊。弱点属性は時々によって変わる。有効武器は無し。危険攻撃は、“魔力砲”に酷似した“精霊魔砲”だよ。一発しか撃ってこない分、本当に危険だから気を付けてね」


 いつにも増して念押しするメルシュ。


「ステージギミックは、妖精の姿をした準魔法の爆弾。ボスのダメージと時間経過で出現数が増えていくから、いつも通り速攻をお勧めするよ」


 うん、そこは本当にいつも通り。


「行くわよ、レリーフェ」

「ああ」


 ユリカに先導され、私達はボス部屋の中へ。


 すると、青緑の流麗線の光が走り、蝶々のような翅を持つ――巨大なピクシーのような魔神が飛び上がる。


「“ミケカムイ! “ニタイカムイ”!」


 速度とパワーを重点的に強化!


「“万雷魔法”、サンダラススプランター!!」


 スライムのバルンバルンの魔法が決まり、体表が黄色く変わり出す。


「雷耐性が高くなり、代わりに風属性が

弱点になりました!」


 ヨシノが合図をくれた。


「行くぞ!」


 私の愛弓、“森は木漏れ日に包まれて”に文字を刻んでいく!


「コセ殿と精錬剣造り! コセ殿と精錬剣造り!!」


 今日こそは、至ってみせる! コセ殿と精錬剣を創るために!!


 ――“森は木漏れ日に包まれて”が神代の光に包まれて――――“森は木漏れ日に染められて”へと至る!!


「まずいです!」


 天井から落ちてきた無数の光球が、様々な色の妖精へと転じた?


「あれが、妖精爆弾か」


 弓から矢へ、十二文字分の力を込める。


「――“木漏れ日の散矢”」


 一矢を数十を超える矢となし、数多の妖精爆弾ごと、魔神にダメージを与えていく!


 魔神の体表が白と緑に変わりだしたと同時に駆け出すと、魔神が魔法陣を――四つも展開した!?


 あの魔法陣の光、“暴風魔法”か?


『“光属性付与”』


 魔法陣の色が――魔法陣に直接、属性を付与した!?


 その魔法陣から、風光の散弾が放たれる!


「食らってたまるか!」


 ――カムイで強化された身体能力で、全て回避!!


 私を狙って翳された魔神の手の中に、淡い光が収束していく。


「来るか、奴の危険攻撃! ――受けて立つ!!」


 構えた弓から、つがえた矢の鏃に神代文字のエネルギーを集約!!


 これが――ハイエルフとなった私の、最大の一矢だ!!


挿絵(By みてみん)



「――“木漏れ日の一極星矢”!!」



 魔神・付与精霊が放った白と緑の淡い光の極線を――私の一矢が、正面から討ち貫く。


「そろそろ終わっていろ、魔神の精霊」


 左胸に開いた風穴から燐光が漏れ出し、魔神は沈黙。落下して消滅していった。



○おめでとうございます。魔神・付与精霊の討伐に成功しました。


○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。


★付与精霊のボディースーツ ★サブ職業:ピリカカムイ

★陣属性付与のスキルカード ★精霊魔砲のスキルカード


○これより、第四十九ステージの【鏡の迷宮殿】に転移します。



おまけ

挿絵(By みてみん)


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