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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第17章 飛躍の龍意

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おまけ 顔合わせ後の昼食

「モグモグ――あー、美味い飯だねー!」


 ダークエルフのシューラが、昼食にがっついていた。


「……シューラ。エルフなのに、肉をそんなガツガツと」

「アタシはダークエルフだからね。ていうか、動物性の食物は一切食べないなんて、エルフでもフォルカスカナの民くらいさ。ていうか、アンタくらいじゃないのかい、レリーフェ?」

「……確かに、魚や動物性の油まで避けるのは私くらいだが……」


 レリーフェとシューラは、元から知り合いらしい。


「食べたきゃ食べれば良いし、食べたくなきゃ食べなければ良い。主義主張は自由だが、押しつけるなと教えたはずだよ、レリーフェ」

「……解っている! いつまでも子供扱いするな、シューラ」


 ふてくされたように、サトミ特製の豆乳の野菜汁を口にするレリーフェ。


「シューラさんて、やっぱり結構……年上なんですか?」


 珍しく、トゥスカから向かいのシューラに尋ねた。


「女の年は内緒だよ♪」

「シューラは八十四歳のババアよ」


 人魚のハユタタからの暴露……美味しそうにホタテの味噌マヨ串焼きを食べている。


「おい、ハユタタ! 勝手にバラすんじゃないよ!」

「どうせすぐにバレるんだから、隠したってしょうがないでしょうが。それにしても、このホタテの串焼き美味しいじゃない! やるわね、サトミ♪」

「それ、作ったのはコセさんよ♪」

「ゲ!?」


 なんでそんな嫌そうな顔をされなきゃいけないんだ?


「……本当にアンタが作ったの?」

「それ、スゥーシャが好きなんだ」


 人魚は貝が好きな傾向があるようだ。


「最高ですよね、コセさんのホタテ料理♡」


 スゥーシャのテンションが、何故か急上昇。


「ク! さすが、ツグミが認めているだけの事はあるわね」

「どういう納得の仕方なんだ?」


 などと会話しながら、バニラの口にスープを運ぶ。


「……アンタ、子供の面倒みる才能ありそうね」

「そうかな?」


 ちぎったパンに肉の汁を染みこませながら、切り分けておいた豆腐ハンバーグをバニラに食べさせる。


「キャウ♪」

「サトミ、バニラのお気に召したみたいだぞ」

「フフフ、良かったわ♪ 野菜を避けるバニラちゃんが、喜んで食べてくれて」


 肉っぽい野菜料理を試行錯誤してたもんな。


「これ、本当に肉は入ってないのか? それにしては美味しいな」


 ヴィーガンのレリーフェも気に入ったらしい。


「バニラちゃんの分には動物性の油も入ってるけれど、レリーフェちゃんのはあっさりヘルシー仕立てよ♪」


 本当、食事面ではサトミに頭が上がらないな。


「コセ、セリーヌが甘いのばっか食べてるー!」


 モモカからの報告。


「ちゃ、ちゃんと食べたし! 食べ終わったから、一足先におやつを食べてるだけだし!」


 開き直ったセリーヌが、黙々とゼリーを食べていく。


「それ、美味しいのか? 私も一つ……」

「レリーフェ、ゼリーには動物性の材料が入っているから、お前は食べられないぞ?」

「そ、そんな……あんなプルプルしてて美味しそうなのに」


 メグミの言葉に撃沈するレリーフェ……只でさえ食べられる料理が限られてるから、可哀想だな。


「そのゼリーという物のどこに、動物性の材料が?」

「ゼリーを固めるのに使ってるのがね。でも安心して。そんなレリーフェちゃんのために、アレを用意しておいたから!」

「な、まさか!?」


 サトミがレリーフェに差し出したのは……羊羹(ようかん)


「こっちは寒天で固めてあるから、オール植物性よ♪」


 オール植物性って初めて聞いたな。


「ありがとう、サトミ! お前のおかげで、毎日のように甘い物が食べられる!」


 お菓子といえば、卵か乳製品がほぼ確実に入ってるからな。ハチミツが入っているだけでアウトな徹底ぶりだし、レリーフェが食べられるデザートは本当に少ない。


 サトミが和菓子作りが得意なおかげで、レリーフェも多種多様なお菓子を口にできていた。


「本当に美味しいですね、サトミさんの料理! ……あれ、ネロが居ない」


 ツグミさんと契約しているピエロの隠れNPCが、いつの間にか食堂から居なくなっていた。


「アイツ、いっつもフラーッて居なくなっちゃうのよね」

「でも、いっつも良いタイミングで戻ってくるんですよ、ネロさんて♪」


 ハユタタと違い、ツグミさんはネロを信用しているらしい。


 昼食から暫く、ユリカ達のパーティーメンバーがツグミ達を案内すると言い、“多様学区”へと繰り出していった。


「まさか、セリーヌまでツグミさん達に付いていくとは」


 セリーヌは、俺以外とはちょっと距離を置いていたのに。


「……今日の午後は、久しぶりに昼寝でもするかな」

「モモカも一緒に寝る!」

「アウ♪」

「それでは、私も」

「……私もよろしいでしょうか?」


 トゥスカとナターシャまで、お昼寝希望とは。


「うん、一緒に寝よう」


 今日は、珍しいことばかり起きる日だな。


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