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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第17章 飛躍の龍意

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666.参戦の龍意

 正午時点での1位は、相変わらずユウスケという男のパーティー。討伐数は25。


 2位も今朝と同じパーティーで、討伐数は14。


 3位は入れ替わり、《メモリアル》のパーティーが入ってきた。


「《メモリアル》のレギオンリーダー、ヒトシか。討伐数は13」


 ユイの情報では、初日は俺と同じ判断を下していたようだけれど、二日目は朝から動いたみたいだな。


「順位が入れ替わる直前、3位のパーティーが次々と殺されていました。おそらくは……」


 ずっと確認していたらしいナターシャが教えてくれる。


「ヒトシのパーティーは、三位のパーティーを殺して討伐数を稼いだか」


 ユイと違って、魔族も直接倒しているから表示されてるんだろうけれど。


 昨夜ユイが遭遇したサイボーグみたいに、魔族を討伐したプレーヤーだけを狙っている輩も居るかもしれない。


「ご主人様、全員揃いました」


 トゥスカ、メルシュ、ナターシャ、セリーヌに、イチカ、フミノ、レン、リューナ、サンヤ、サカナ、ヒビキ、クレーレ、ユイ、シレイア、討伐組の十四人が揃う。


「この十五人で魔族の討伐に行く。現在、討伐された魔族の数は68。俺率いるチームは多様学区の都市部を回り、リューナ率いるチームは森へ行って貰う」


 俺の装備がパーティーの総数を増やす“カリスマリーダーの指輪”などで占められているため、森よりは安全だろう都市部が、俺のチームの担当という事になった。


「出発だ!」

「「「おう!!」」」



◇◇◇



『《龍意のケンシ》。まさか、目を離した深夜に、一人で学区に出ていたとは! ……まあ良い。一人だけでは、例の仕掛けを発動しても意味が無いからな』


 今回の突発クエストの目玉である以上、初日に発動させるわけにもいかなかっただろう。


『それにしても奴等、いったいいつになったらクエストに参加するつもりだ?』


 SSランクなんて餌まで用意してやったのに、このまま餌に食い付かなければ、わざわざクエストを仕組んだかいがないぞ!


『魔族の残りは、およそ三割……さすがにそろそろ出て来ても良いはずだ!』


 こっちの目論見では、初日から率先して魔族狩りをし、疲労困憊の三日目に追い打ちを掛けてやる算段だったというのに!


『根性無しの黄禍人が!! ……ようやく出て来たか』


 コセとかいう小僧は武芸区画……思いのほか人数が少ない。


『他の《龍意のケンシ》を探せ』


 すぐにAIが、モニターを切り替える。


 生態区画……で依頼を請けているだと?


『なるほど、森に出るためか』


 依頼以外で森に出られるのは、武芸区画からだけだからな。


 だからこそ、武芸区画側の森には魔族をほとんど配置しなかった。ユウスケは武芸区画周辺の森で数を稼ごうとしていたようだが。


『せいぜい頑張るが良い、ユウスケ、ヒトシ。お前達用に、わざわざ二種類のSSランクを用意してやったんだ』


 万が一、コセ共の手に渡ったとき用の物も用意した。


『必要なくなった場合は、二つまでなら例の第三大規模突発クエストで再利用される手筈。アルバートの奴に貸しができると思えば、悪くない取引だ』


 その前に、アルバート(おまえ)のお気に入りの戦力を削いでやるとしよう。



●●●



「“影魔法”、シャドーバインド!!」

「“爆雷槍術”――ファイアボルトストライク!!」


 プレーヤーが二人、異世界人と獣人によるコンビネーションで魔族を仕留めた。


「おい」

「ああ」


 俺達の姿を見て去って行く。


「先程の者達、現在2位のパーティーメンバーです」


 ナターシャが教えてくれる。


「ランク外の俺達を、わざわざ敵に回す気はないって所か」

「他パーティーメンバーと別行動を取っているようですし、警戒して去っていった可能性が高いかと」


 パーティーメンバーは八人。二日めでわざわざ危険な別行動を取っている辺り、SSランク狙いだろう。


 だとしたら、奴等の目的は1位のユウスケパーティーだろうな。25と14じゃ、正攻法で巻き返せるとは思えない。にもかかわらず、まだ諦めてなさそうだったし。


「ご主人様。どうやら我々は、運が良いようです」


 トゥスカに遅れて、二つの気配に気付く。


『“瘴気魔法”、ミアズマエクスパンシブ!!』


 魔族の男が放ってきたのは、防御手段であるはずの黒雲。


「目眩ましのつもりか」

「サイクロン!!」


 メルシュが“暴風魔法”を使用し、竜巻で瘴気の雲を霧散させてくれる。


「ハァー!!」


 クレーレがもう一人の魔族と交戦。


「“抜刀術”――紫電一閃!!」


 ユイのすれ違い様の居合いから、致命傷だけは避けた!?


『“暗黒投斧術”――ダークネストマホークッ!!』

「ハイパワースラッシュ!!」


 頭を狙われたユイだけれど、シレイアが見事にカバー。


「“氷砕武術”――アイスクラッシュスラッシュ」


 あの態勢からクレーレの攻撃を、腕を犠牲にガードした!? 


「ハイパワーブーメラン!!」


 トゥスカのガンブーメンから放たれた転剣に、ようやく魔族の首が刎ねられる。


「“聖騎士武術”――パラディンチャージ!!」


 魔法使い風の魔族に盾で突撃し、地面を派手に転ばせるナターシャ。


「“蛮風脚”!!」


 セリーヌの蹴りが炸裂するも、腕で致命傷を避ける。


『“暗黒弾”!』

「“二重幻影”」


 魔神・幻影腕から得たスキルで二つの自分の幻影を生み出し、攻撃を避けるセリーヌ。


「“神秘武術”――ミスティックハンマー!!」


 “倍打突きのザグナル”で、容赦なく顔面を陥没させて始末した……怖い。


 あれが魔族の戦い方……普通に強いな。


「クレーレ、さっきの投げ斧、あげます」

「あ、この名前! 神代文字対応じゃん! あんがと、トゥスカ姉!」


 魔族からの戦利品を、さっそく分配しているらしい。


「これで、俺達の討伐数は5……6になってる」


 リューナ達も、既に魔族と交戦しているのか。


 それにしても俺、出番無かったな。



●●●



「まさか、魔族がモンスターの大群をけしかけてくるとは」


 赤紫色の煙を使って、モンスターを私達に誘導しているようだった。


「おかげで、森に入って早々にイチカ達とはぐれてしまった」

「どうする、リューナ?」


 サンヤに尋ねられる。


「向こうはフミノとレンが付いているだろうし……ちょうど良い、私達は魔族か()()()()()を狙うぞ」

「やっぱり、そう来ちゃうー♪」

「まあ、妥当ですの」


 積極的にプレーヤーを狙うという話は出ていなかったが、今からSSランクを狙うならこれは必定。


 散々、悪意を持って殺してきてるんだ。この役目は、私やサンヤに相応しい。


「ヒビキも構わないか?」

「そちらの覚悟は、とっくにできております」


 さすが、元の世界に戻って死体の山を積み上げる気満々の女だ。心構えが違う。


「魔法使いが私しか居ないのは気になりますが……モンスターの気配ですの」

「せっかくだ、依頼の虫モンスターの捕獲もこなすぞ」


 突発クエストと依頼の並行作業くらい、楽勝でこなせないとな!


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