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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第17章 飛躍の龍意

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656.赤煉瓦の建造物

「テスラルートの町は、近未来って感じだな」


 SFっぽいって言うか、銀の板がそこかしこに滑らかに使われていて、でもなぜか赤煉瓦の建物ばかりで、しかも六角形。


「こういう感じの建物、岩手で見たことあった気がする」


 マリナの発言。


「私はネットで見たことあるな。北海道とか茨城。日本の至る所にあるらしいな、赤煉瓦造りの建物って」


 今度はルイーサ。


「そうなの?」

「北海道のは有名だから知ってた。赤レンガ倉庫ってやつ」


 アヤナとアオイの会話。


「というか、東京駅がまんまそれだからな」


 観光名所とかにたまにあるイメージ。


「不思議だね。一カ所にたくさん建っているわけじゃなくて、どこかにポツンと建ってる。海外にもあったような……」


 ジュリーも見掛けた事があるらしい。


「獣人の村には、必ずと言って良いほど一軒はありましたよ?」


 トゥスカからの意外な情報。


「なんで一軒なんだ?」

「赤煉瓦造りの建物は発電所なのです」

「発電所?」


 発電と赤煉瓦が、俺の中で結びつかない。


「詳しい事は分からないけれど、建物が六角柱なのにも意味があるそうですよ、コセさん♡」


 フェアリーであるセリーヌにとっても、当たり前の存在らしい。


「俺が居た村のは壊れちまってたから、よくわかんねーな。壊れてから身体が弱る獣人が増えたとは聞いたが」

「病気になる獣人が増えたって事か?」

「病気? まあ、植物の毒とか怪我が原因で死ぬのは増えたんだっけか。病気云々はよく分からねー」


 壊れる前は、毒や怪我で死んだりしなかったって事か? 毒や怪我の種類にもよるんだろうけれど。


「メルシュ、何か知ってます?」

「ううん、なにも」


 なんか嘘っぽいな。自信満々に知らないってアピールしている感じが。


「ただ、このエリア周辺だと周波数系統の能力が強化されるみたいだね」

「周波数系統?」


 確か、雷と古代の二属性だっけ。


 うちのレギオンだと、プレベールメイドのレミーシャくらいしか使い手が居なかったような気が。


「そういえば、“地下鉄都市”の駅も赤煉瓦だったような……」

「ここ、寄っていこう」


 メルシュに言われた店に入る。



○以下から購入できます。


★テスラコイルリング 30000000(三千万)

★雷極の指輪     18000000(千八百万)

★雷帝の指輪     12000000(千二百万)

★電磁加速の指輪   8000000(八百万)



「……高くない?」


 一千万超えとか、魔法の家以外に無かった気がするんだけれど。


「全部強力だからね。雷極や雷帝の指輪は、属性変更機能でどの属性にもできるし」

「雷帝は、雷魔にランクアップジュエルを四つ使った上で“王族の妄執”まで必要になるからな」


 必要になるランクアップジュエルの数を考えると、高いと判断すべきか微妙な所。


「“電磁速射の指輪”と“テスラコイルリング”はどういうアイテムなんだ?」

「“電磁速射”によって円状の雷を発生。その円を潜らせた雷属性の物が、超加速されるっていう危険な代物だよ」


 メルシュが危険とまで言うとは。


「幾つ買うんだ?」

「使いたい人が居るか分からないけれど、サンプル用に取り敢えず一つ。ジュリーはどうする?」

「私は、全部一つずつ買うよ。そのためにお金を貯めてきたんだ!」


 いつもより気合いの入っているジュリー。


「……それで、“テスラコイルリング”ってなんなんだ?」

「銀色の腕輪だね。単一の雷属性攻撃によって消費されたTP・MPを一瞬で全回復させるの」

「それ、雷属性限定の“マッスルハート”じゃん」


 雷の単一属性使いにとってはSSランク並か、それ以上のアイテム。


「でも、ジュリーは二属性の天雷特化だよな?」

「雷を含む二属性の場合は、半分回復するんだよ。三属性の場合は回復しないけれどね」


 半分でもぶっ壊れ性能過ぎる。


「道理で高いわけだ」


 ジュリーのように、雷属性メインの人間は絶対に買っておいた方が良い奴だ。


「それじゃあ、無理してでも今、幾つか買っておくか?」

「その必要は無いよ。もっと上のステージにも買える場所はあるし、私くらい雷属性特化のビルドじゃないとあんまり意味ないし」


 ジュリーに反対される。


「それに、この先のプレーヤーからドロップするかもしれないですしね!」


 物騒な事を言い出したのは、コトリ。


「オリジナルプレーヤーなら、無理してでもここで購入している可能性は高いからね」


 コトリの考えに説得力を持たせてしまうジュリーさん。


 物騒だな、この面子。



●●●



「依頼をクリアしなきゃいけないの?」


 ナオの言葉が食堂に響く。


「どっちのルートでも、依頼をこなすことでボス扉のある島に行くための“許可証”が出るんだ」


 私の解説を、全員が食堂で聞いてくれる。


「依頼の内容はどちらも護衛。オイルルートの場合は、労働者をモンスターから守ること」

「テスラルートは違うの? ジュリーちゃん」


 サトミからの質問。


「テスラルートの場合は、破壊工作の妨害。いわゆる拠点防衛だね。依頼はパーティー事にこなすけれど、二パーティーまでなら一緒に受けられる」

「報酬の金額は山分けだから、一パーティーでこなした方が儲かるのだけれど……もし失敗したら報酬と同じ額の賠償金を支払わされるから、絶対に二パーティーで受けた方が良いと思う」


 オリジナル経験者のウララが補足。


「ヒビキさんやレンから、何かありますか?」


 コセが尋ねる。


「いえ、問題無いかと」

「ていうか、私らは前回どっちもオイルルートだったから、テスラルートについては何も知らねぇぞ」


 まあ、そこはメルシュからの情報がある。


「オリジナルとの差違はある、メルシュ?」

「ううん、大丈夫だと思うよ」


 オリジナルプレーヤーだからといって、油断はできない。


 むしろ、オリジナルの知識がある分、変更された部分に気付かずに命を落としかねない。


 私とウララからの説明は、そのことを察して貰うための物でもある。


「午後は、さっそく依頼に参加してみるべきだと思う。そうすれば、明日にはボス戦を万全な状態でできるからね」


「そんなに急がなくても良いんじゃない? 今日くらいゆっくりしても」


 エロカナからの指摘。


「このステージの滞在ペナルティーだけれど、依頼を受けない状態で日を跨ぐ度に、Lvが1下がるんだよ。島に転移した日はさすがに免除されるけれど」


「毎日Lvダウン……どおりでプレーヤーが居ないわけだ」


 コセの独り言。


「す、すぐに行こう! 依頼を受けに!」

「ええ、行きましょう!!」


 このレギオンで一番Lvが低いアオイとフミノが、過剰な反応を示した……。


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