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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第17章 飛躍の龍意

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649.魔神・逢魔霊

「貴様ら……――よくもッッ!!』


 頭や手脚が吹き飛んで青白いエフェクトを散らしていた老婆の魔女の身体が、黒い液体に変わり、姿を変えていく。


『アハハハハハーッ!!』


 黒い肌に眼球、オールバックの黒髪ロングヘアーに、長い針のような爪を持つ異形の美女へと姿を転じた。


「行くぞ、クマム!」


 ナノカが突っ込む。


「“天使の翼”」


 私は上空からの接近を試みる。


『死ね、小娘共!! アイシクルレイン!!』


 “氷塊魔法”による無数の氷柱!


「マグマイラプション!!」


 噴出する溶岩で防いでくれたのは、ウララさんの隠れNPCであるウォーダイナソーのバルバザードさん!


「行け、ナノカ!」

「あい余!」

『小賢しい!!』


 ランダが、自分から前へ!


 爪と“魔神の大石刀”の激しいぶつかり合い。


「“猪突猛進”!!」


 “突撃猪の石盾”を掲げながら激突――魔女を吹き飛ばした!


「ここ――“飛龍雲河”!!」


 “飛龍雲河の細霊剣”から雲の龍を顕現――体勢を崩した魔女に食らい付かせる!


『――“魔力砲”!!』


 雲龍が、桃色の閃光によって消されてしまった!


「鋼鉄百足!」

「“飛竜剣”!!」


 ナノカが呼び出した黒金属百足から逃れようとするも、バルバさんの“ダイナビッグブレイド”から放たれた斬撃を尻尾で迎撃――した際に、瞬時に百足に拘束されるランダ。


「“溶岩武術”――マグマブレイク!!」

「“魔人武術”――サタニズムブレイク!!」


 バルバザードさんとナノカの攻撃が決まり、百足ごとランダの両腕が吹き飛ぶ!


『おのれ――“六重魔法”、サンダラススプラ――!!』

「――サイコキネシス!!」


 間一髪、魔女の口の動きを止めることに成功した。



「“風光弓術”――シーニックブレイズ!!」



 レリーフェさんの援護により、魔女の口から上が吹き飛んだ。


 青いエフェクトが煌めき――ランダの身体が再び姿を変え始める!!


『よくも――よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもぉぉぉぉ!! お前達は、一人残らず八つ裂きにして――』』


 五メートル程の巨体へと膨れ上がり、もはや魔女としての原形を留めないほど化け物みたいになったランダへと、直上から青白い光芒が直撃――ほんの数秒後には、化け物化したランダは跡形もなく吹き飛んでいた。


「えと……今のが、ランダの第三形態で合ってます?」


 とどめを刺したリエリアさんが、空から泳ぎ降りて来る。


「うん、その通りだ余♪」

「ランダの第三形態はSSランクだからな。再生能力も高いから、当初の予定通りにいって良かったぜ!」


 ナノカとバルバさんが、リエリアさんをねぎらう。


「クマムさんもお疲れ様です! じゃあ、あっちも片付けちゃいますね! 武器交換――“マキシマム・ガンマレイレーザ”」


挿絵(By みてみん)


 “デイチャージクアンタムバスター”から持ち替え、発射した光線が数多の方向へと落ちていき、残っていた魔女を殲滅してしまう。


 強力な武器を何気に使いこなしているリエリアさんて、普通に凄い人ですよね?



●●●



「やはり無いか」


 遺跡内部へと新入し、炎を模ったような台座を見付けるも、そこには主無き空席があるのみ。


「全ての魔女を逃がさず殲滅すれば、ここでガルーダの隠れNPCと契約出来たんですよね?」


 エレジーに確認される。


「期待はしてなかったが、少し残念だな」


 異世界人ではない私は契約できないとはいえ、隠れNPCは優秀な戦力になり得たから。


「ボス扉があったわよ!」


 台座の奥へと先に進んでいたナオ達からの報告。


「よし、五分だけ休憩してボス戦を始めるぞ! 水分補給はしておけ。飲み過ぎるなよ」


 それ以上の休憩は、身体が休もうとしすぎて、むしろ動けなくなってしまう。


「向こうで何事も起きなければ良いが」



○○○



「マリナが急速に遠ざかっていく感覚があった。俺達も行こう」


 四十四ステージに、精錬剣を持った状態でジュリーが転移した時と似た感覚。


「さっきまでボス扉が輝いてたし、間違いないね」


 ボス扉が光っている時は、誰かがボス戦をしていて入れないからな。


「じゃあ、行くか。メルシュ、最後のおさらいを頼む」


 リューナのやる気は高い。


「うん! 四十四ステージのボスは、魔神・逢魔霊。弱点属性は風、有効攻撃は魔法、危険攻撃は“化け首・九重”。ステージギミックは、時間経過と共に生首系のモンスターが出現していくこと」


 いつも通り、速攻が望ましい状況。


 ――地鳴りののち、大きな岩が近場に落下してきた……煙を上げながら。


「噴火しちゃったみたいだね。大丈夫、ボス扉前に溶岩は流れて来ないから」


 メルシュからの情報。


「ただ、火に関連するモンスターが活性化するから、急いだ方が良いよ」

「パーティーを分けなくて良かったな」


「――コセ、私にやらせて欲しい」


 名乗り出たのはリューナ。


「精錬剣を使う気か?」


 でなければ、わざわざ俺だけに許可を求める理由がない。


「無理そうか?」

「いや、なんとかいけそうだ」


 練習の時、リューナの消耗は激しそうだったけれど、俺の方は問題なさそうだったし。


「行くぞ――“超同調”」


 剣を渡し、意識を繋げる。



「噛み締めろ――“雄偉なる苦悩を月光で照らせ”」



 憎悪を月光で封じた剣が、リューナの手に顕現。


「この剣で、さっさと終わらせる」


挿絵(By みてみん)


「リューナ、これ使って」


 メルシュが、リューナに指輪を投げ渡した?



●●●



 一の島に残っていた面子全員で、ボス部屋の中へ。


 奥で濃い紫色のラインが発光……石でできた頭蓋骨が浮き上がり、その首の下に黒いボロマントを出現させる。


「本体は、頭蓋の部分だけだったな」


 その証拠に、ボロマントは半透明。


「“随伴の月光”」


 青白い三日月の刃を無数に飛ばし、ボロマントごと頭蓋を攻撃。


 生首のモンスターが出現しだすも、纏めて排除する。


『“化け首・九重”!!』


 半透明な巨大化け生首が九つ……おっかない見た目だな。


「“空遊滑脱”」


 雄偉の剣に神代文字を三文字刻み、“瞬足”や“空衝”、“逆さ立ち”を駆使して首の猛攻を回避――魔神の頭蓋を狙――


「クッ!!」


 剣の維持が……どんどんキツく。


 理由は解ってる。私に、コセとの“超同調”を無意識に拒む想いがあるからだ。


 私の中に芽生え、コセに出会う前に育ててしまった――人という種への憎悪。


 その憎悪を、コセに視られたくない。


 程度の差はあれ、もうとっくに知られちゃっているはずの感情なのにな。


「頑張れ、リューナ!」


 そうだ、今も私はコセと繋がっているから、筒抜けなのか。


「こんな情けない私――コセどころか、ツェツァにだって見せられないじゃないか!!」


 満月状の月光で、化け首共を眼下に叩き落とす!


「“神代の剣影”!!」


 神代の鞭剣で、九つの首を切り刻む!


「これで終わらせてやる! “神代の剣”!」


 メルシュから借りた“魔武の指輪”の円環を左に回し、武術を魔法扱いに。



「“吹雪大地剣術”――ブリザードグランドブレイク!!」



 傷付けていたとはいえ、一撃で魔神の頭蓋を破壊できた。



○おめでとうございます。魔神・逢魔霊の討伐に成功しました。


○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。


★逢魔霊の頭蓋 ★逢魔魔法のスキルカード

★化け首のスキルカード ★邪光線のスキルカード



「コセなら、これくらい受け止めてくれるか」


 アイツは、それくらいの器はある。私が惚れた相手だからな。



○これより、第四十五ステージの“王冠平街”に転移します。



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