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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第16章 醜悪よりも邪悪な悪魔たち

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631.襲来する悪魔達

「“侵略雷”!」


 敵レギオンの波状攻撃を、“侵略の雷帝剣”でことごとく消し去る!


 敵は六人。先にポイントが尽きるのは、間違いなく私。


「おい、どうする? 攻撃が全然通じねぇぞ」

「あれだけの能力、SSランクでもない限り有限のはず。このまま畳み掛けなさい!」


 眼鏡の魔道士風の男が指示を出す。


 ルーカスとかいう白人レギオンリーダーを無視して戦端を開いたうつけ。


「“劇毒弾”!」

「“一矢十矢”!!」

「ハイパワースラッシャー!!」

「“煉獄魔法”、インフェルノバレット!!」


 数による広範囲攻撃――剣だけじゃ全ては防ぎきれない!


「――“明星の翼”!!」


 即座に三文字刻み、“高次元”の能力もあって十二枚の翼で耐えきった。


「クソ、この女もチート能力を!」


 神代文字の事か。


「卑怯者め。自分達だけ妙な力を……黒衣の男と白面の男が率いるレギオンといい、何故お前達だけが!」


 眼鏡魔道士を筆頭に、神代文字の力が相当に気に入らないらしい。


「どうすんだ? 前に、チート女集団に痛い目に合わされたが……」

「……まあ良いでしょう。このクエストで勝てば、彼女も我々の戦力になるわけですし――武器交換、“ザ・ストップ・ベーション”」


 私が知らない杖に持ち替えた?


「“重力魔法”、ヘビープレッシャー!」

「無駄!!」


 頭上からの重圧を、わざと傲岸不遜に振る舞いながら“侵略雷”で打ち消す!



「“停止視眼”」



 奴の杖上部の眼球が輝き、半透明な球体に閉じ込められた!?


「身体が……動かない」

「安心してください。この杖の眼に見詰められている間、貴女は身動きが取れない分、どんな攻撃からも安全ですので」


 私を厄介と考え、クエスト終了までここに釘付けにするつもりか!


「下から覗けばパンツ見えっかな?」

「ガキか、お前は」

「後で愉しませてもらえば良いだろうが」

「言うけどよ、ルーカスの奴はヨーロッパ系の白人には優しいじゃん。コイツ、ロシア人だったりしねーかな?」


 よく見ると、中東の人間らしい特徴がある者が何人か居る。


「早くコセとかいうレギオンリーダーを捜しますよ。奴さえ始末してしまえば――」



『クエスト開始より一時間が経過~。これより、数多の生け贄によってこの都市に施された呪法が発動。それに引き寄せられた悪魔達が、この都市の生きとし生ける物全てに襲い掛かっちゃう!!』



 地割れが起きたように赤い光が吹き出し、どこまでも駆け抜けていく!?


 そのまま光は残るも、直撃した男達が痛がっている様子は無い。


「おい、上だ!」


 星も見えない夜空から、数え切れない程の悪魔系モンスターが襲来してきた!?


「チ! 逃げますよ!」


 眼鏡魔道士が仲間を率いて逃げていって暫く、私の周囲に百を超える悪魔が現れ、取り囲まれる。


「なんてタイミングで!」


 杖が離れたからなのかドームが消え、完成した悪魔達の包囲網真っ只中に一人取り残される事に。


「SSランク持ちに当たるまで、神代文字は温存するつもりだったのに」


 悪魔は、グレーターデーモン数体以外は大したこと無い……ただ、無事に切り抜けるには包囲している数が多すぎる。


「伏せてろ!! ――――“万悪穿ち”!!」


 黒槍の雨が背後から降り注ぎ、悪魔達の大半が光へと変わっていく。


「“三重詠唱”、“雷雲魔法”――サンダークラウズレイン!!」


 槍が命中していなかった悪魔、命中しても生き残っていた悪魔の多くが致命傷を負う。


「……ザッカルにウララさん」


 珍しい組み合わせだな。


「無事か、ジュリー?」

「助かったよ、ザッカル。ウララさんも」

「ジュリーちゃんが無事で良かった~。囲まれてるのが見えた時はどうなるかと」


 ウララさん。やっぱり、この前から憑き物が落ちたように明るくなった気がする。


「なに、ジュリーちゃん?」

「いえ。それより、おそらくこの悪魔は無限湧き。クエストが終わるまでは襲われ続けるでしょう」

「このペースで増え続けるとか、さすがに勘弁だぜ」


 SSランク持ちはコセに任せたかったけれど、そうも言っていられなくなってきた。


「いったん、コセの居る巨岩の方へ――」


「――ガルルルルルルル!!」


 私達の横を、獰猛な気配と共に駆け抜けながら――悪魔を二振りの大刀でぶった切っていくバニラ!?


「アイツ、俺達を無視してどこへ行く気だ?」

「もしかして、向こうにモモカちゃんが居るんじゃ!」


 互いに頷き合った私達は、モモカの元に駆けつけるべく、三人で一斉に駆け出す!



●●●



「うわ、コイツらって!」


 虫の脚が生えたような黒い大蛇が大量に……確か……。


「“アバター”です、クレーレ様」


 クオリア姉のメイド、レミーシャが教えてくれる。


「それにアレって、バットアバターだよね?」


 見覚えのあるデカいコウモリが三……四は居るし。


「この数から考えるに、母体であるアンラは複数……最低でも三体は近場に居るかと」


「うわー。私、アイツら嫌いなのに」


 アイツらのせいで、役立とうとして役立てなかった時のトラウマがあるから。


「ていうか、私と相性悪いし!」


 斬っても潰しても再生するから、まるごと消滅させなきゃいけない!


「はい、私もです」

「レミっち、冷静過ぎだよ」


 とか言っているうちに、アバター達が私達に気付いて襲ってきた!


「“光線魔法”――アトミックレイ!!」


 光の光芒で、アバターを四体消し去る!


 未だに、これくらいしかアバターに通用する能力ないよ、私!


「他の方々と合流しましょう。幸い、この状況なら敵レギオンも襲って来る可能性は低いでしょう」


 獣の脚でアバターを蹴り飛ばすレミーシャ。


「私が先陣を切ります!」


 “電撃の鞭”でアバターの動きを止めながら、道をこじ開けてくれる。


「他の悪魔なら、もっと活躍でき――ッ!!」


 肩に激痛が走り、身体が空中に持ち上げられた!?


『キシシ』


 背後から、“バットアバター”が私に噛み付いているッ!


「“神代の剣”――“三連瞬足”!」


 空を瞬発的に跳び駆け――バットアバターの首を斬って、私を抱えて助けてくれるリューナ姉!!


「無事か、クレーレ!」


 路地に着地するなり、リューナ姉が心配してくれる。


「リューナ姉、男前すぎ♡」

「余裕そうだな、お前……」

「無事ですかクレーレさ――」


 レミーシャが路地に入ってきた瞬間、アバターが大量にいた通りを青白い極線が走り抜け……アバター達が綺麗に消滅……した?


「相変わらずの火力ばかだな、クオリアの奴」

「さ、さすがクオリア姉」


 さっきの、地底湖の時に白いワームを消し去ったアレかな?


「……アレ?」


 アバターが消失した際の光が、こっちに向かって来て――――



「――――ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああッッッッ!!!!」



 アバターの光で、心臓が締め付けられるように縮んでい――――ッッッッ!!!!


「クレーレ!!」

「クレーレ様!!」


 また……レミッち達に……迷惑……かけ――――


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