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64.ハーレム観察願望


「マジモンの生ハーレム、キタァァァァァーーーーーーッ!!」



 凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄ーーい!!!


 お、落ち着いて、私。


 現実的に、ハーレムなんて夢でしかないのだから!


 私の実家はともかく。


「ど、どうやって、それだけの女性と結婚を?」

「…………お金を払って?」


 金で築いた関係なのかーーーーーーッ!!


 ハーレム構築にあるまじき所業ではありませんか!


「落ち着いて、マスター。まずは”婚姻の指輪”について説明してあげるから」


 シレイアさんに連れられ、隅っこで”婚姻の指輪”のレクチャーを受ける。


「……愛によるランク分け……されていると」

「最高ランクの基準はかなり厳しいはずなんだけれど、見たところ三人は“最高級の婚姻の指輪”をしていたね。普通の純愛レベルでも、良いとこ“高級の婚姻の指輪”止まりなのに」


「つまり……リアルハーレム王の才能を有している!」

「……随分テンション上がったね、マスター。いつもはポーッとしてるくせに」


 これは、まさしく運命なのでは!


「シレイアさん、あの人達と一緒に行動しても良いですか?」

「まあ……“最高級の婚姻の指輪”を着けているってだけで、それなりに人格的な信用は置けるかね」


 シレイアさんの許可は降りた!


「すみませーん、私達を仲間に入れてください!!」


 コセって人に向かって、私はお願いした。



●●●



「どう思う?」


 神秘の館にサトミさん達以外の六人で移動し、話し合いをすることにした。


「隠れNPCを所持しているし、私としては味方に引き入れたい」


 ジュリーは合理主義による賛成か。


「私は、コセ様の選択に従います。ただ、ユイさんって人の佇まいが綺麗でした。武芸の心得があると思います」


 タマは俺に従う方針。


 確かに、彼女からは洗練された身のこなしという印象を受けたな。


「私もタマと同じような印象を受けました。ちなみに賛成です」

「私は……よく分かんないや」


 トゥスカは賛成で、ユリカは無回答。


「メルシュは?」

「シレイアが信頼して居るように見えたから一応賛成だけれど、問題は秘密を共有するかどうかだね。シレイアは大丈夫だろうから、ユイって人次第かな」


 俺達にはジュリーというチート情報源がある。


 メルシュにも情報を取得する能力はあるけれど、ジュリーからはメルシュが知らない先の先の先の情報までもたらされる上、このゲームを仕掛けた奴等についてもある程度知っている。


 これらの情報を所持していることがデルタ側に知られれば、俺達が生き残れる可能性は低くなってしまうだろう。


 下手をすると、抵抗することも出来ず一瞬で消されるなんて事もあるかもしれない。


「サトミ達同様、協力関係を築きつつ、秘密は共有しない方向で行くか」

「共有出来るくらい信頼できる相手を増やしたい所だけれど、今すぐに判断は出来ないしね」


 取り敢えずの結論は出た。


「ひとまず、お昼ご飯にしようか」



              ★



「本当……ですか? ……ありがとうございます!」


 安全エリアに戻って同行を許可すると、ユイが異常に喜んだ。


「そんなに嬉しいの?」


「はい! 私……生ハーレムを観察するのが夢だったんです!」


 世の中って、色んな人が居るよね。


「私……よくトロイって言われますけど、ハーレム観察のためなら頑張りますから!」


「ああ、うん」


 ハーレム……ハーレムかー。端から見たら、ハーレムを築いているようにしか見えないんだろうなー。


 ハーレムって単語がウザい。


「コセ、選択肢が出たよ」


 安全エリアの外に出て、戻ってくるジュリー。


 俺達六人はこの先で起きる選択内容を知っているから、このジュリーの行動はサトミさん達六人を誘導するための物だ。


「右が反骨戦士の橋、左が深淵魚の橋だってさ」


 安全エリアの先は橋が二つに別れており、どちらか一方を選んで進むことになる。


「私は左に行く」

「俺は右だな」


 昨日のうちに決めていた事。


「「私達も右で!」」


 ユイとサトミさんの二人が、俺と同行する気のようだ。


 サトミさん達がコッチに来るのは、ちょっと困る。


 右の橋には魔法が効かない相手が出て来るからだ。


「右は魔法使いに不利だから、左の方が無難だよ」


 メルシュがやんわりと諭す。


「むー、仕方ないわね」


 案外すんなり引き下がってくれるサトミさん。


「アタシとマスターは戦士だから、右で決まりだね」


「ユイ、俺と同行してくれるか?」


 隠れNPCを持つ者同士はパーティーを組めないため、同行という形をとる。


「よ、喜んで!」


 ……この子がよく分からない。


 俺、トゥスカ、メルシュ、ユイ、シレイアの五人で、右の橋へと進む。



            ★



 以前の三人と四人のパーティーに戻し、私達は再びジャイアントフィッシュを撃退し続けていた。


「アレはなにかしら?」


 左の深淵魚の橋は、暫く進むと黒い大渦の

中へと続いており、だんだんと傾斜が増していき、暗くなる。


「”閃光魔法”、フラッシュ」


 暗くなってきた道を照らすため、私は光源を手の上に生み出す。


「ジュリー、この辺ではどんなモンスターが出るんだっけ?」


 このユリカの質問、ワイズマンが居るコセのパーティーと仲良くしていなければ答えられない質問だ。


 ワイズマンであるメルシュを私が所持していれば、私が効率的に行動をしてもさほど怪しまれないだろう。


 当初はそういう、ワイズマンを私の情報源の隠れ蓑にする意味合いもあったのだ。


「ジャイアントフィッシュの上位個体が稀に出る。それも、どこから出て来てもおかしくないから、注意して」


 なにせ、ここは大渦の中。


 この黒い渦の中に、モンスター達は潜んでいるのだから。


 私達が二手に分かれたのには理由がある。


 左の橋に出て来るモンスターは物理防御が高く、魔法防御が著しく低いため魔法使いに有利であること。


 もう一つは、手に入るアイテムの違い。


 コッチでは、魔法関係のアイテムや水属性の武具が多く手に入る仕様になっており、逆に向こうでしか手に入らない貴重なスキルも複数。


 それに、必要以上に一緒に行動してしまうと手に入る経験値を無駄に取り合うことになってしまうため、デメリットを回避する意味合いもあった。


「ジュリー様!」

「サトミ様!」


 獣人だからか、索敵能力の高いタマとリンピョンが警告を発する!


「「”万雷魔法”、トワイライトスプランター!!」」


 私とサトミさんの魔法により、左右から飛びだしてきた二体のジャイアントフィッシュを迎撃。


「メグミ、あたしらの出番が無いよ」

「言うな、アヤ」


 橋を下って行くと、岩が橋にこびり付いて、左右に飛びだしている部分が見えてくる。


「安全エリアだ。少し休憩しよう」


 二手に分かれてから、早数時間。


 ゲームの中を実際に歩くと、随分不便なんだと実感する。


 普通のゲームだったら、ここまで十分も掛からない。


 直線の道を進むのに数時間も掛かってたら、低評価の嵐待ったなしだったろうな。


「サトミ様、また来ます!」

「それに、さっきより大きいような……上です!」


 真上から、青ではなく藍色のジャイアントフィッシュが落ちてくる!


 ジャイアントフィッシュの上位種、アビスジャイアントフィッシュだ!!


「トワイライトスプランター!!」

「インフェルノブラスター!!」


 私とユリカの魔法が決まるも、倒しきれない!


「“雷属性付与”、ハイパワーブーメラン!!」


 “転剣狼の竜巻ブーメラン”に雷を纏わせ、アビスジャイアントフィッシュを両断するリンピョン。


 私達を呑み込むよりも早く、藍色の怪魚は光に変わった。


「ありがとう、リンピョンちゃん!」

「そ、そんな、大した事は♡」


 サトミさんに褒められ、凄く喜んでいる兎獣人。


 ……穴だらけの青い、ピチピチの宇宙服みたいなエロい格好で。


 彼女は痴女なのかな?


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