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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第16章 醜悪よりも邪悪な悪魔たち

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625.魔神・暗黒魔

「おお、凄いな」


 セリーヌ達と合流後、外からは見えない洞穴へと足を踏み入れた俺達の前に広がっていたのは、見渡す限りの財宝。


「これ、全部回収出来るみたい」

「全部!?」

「さすがにそれは……」

「金貨の山が邪魔くさく見える日が来るとは」


 トゥスカもセリーヌも、さすがに嫌気がさしたらしい。


「手元にある指輪モンスターを総動員すれば、それなりに時間を短縮できるかと」


 そういうナターシャを始め、メルシュも指輪を付け替え始めた。


「七人ミサキ」


 セリーヌが、ユイ達が手に入れたという指輪で七人の亡霊? 呼び出して金貨を拾わせ始めた。


「指輪一つで複数を呼び出すタイプか。何気に珍しいな」


 お遍路さんに金貨を拾わせる……なんか背徳的だな。


 俺も夜鷹を呼び出すかと思うも、アルーシャか誰かに貸していたのを思い出す……誰が持ってたっけ。


「メルシュ、俺にも指輪モンスターをく……お」


 足下の金貨の中に、擬態するように隠れた黄金の指輪を発見。


「ええと……“偉大なる古代竜亀の指輪”……Sランクか」


 金貨拾いには向いてなさそうだな。


「はい、これを使って、マスター」


 メルシュから指輪を六つ受け取り、装備していく。


「この洞窟、私達が転移してきてから三時間で黄金の宝箱以外消えちゃうみたいだから、とにかく急いで回収して! あと一時間も残ってないよ!」

「「早く言えよ」」


 俺とセリーヌの声が重なった。



◇◇◇



『あーららー、全員クリアしちゃったか~』


 わざわざ一カ所クリアすれば良いように調整する事で、一カ所一カ所の難易度を上げといたのに。


 特に“イービルヘキサドラゴン”のステージは私のオリジナルで、竜の強さを桁違いにするためにめっちゃ財宝を用意したんだよね~。


『疑似SSランクによるおしどり夫婦アタックとか、ちょっと狡すぎー』


 まあ、“競馬村”同様、いーっぱい楽しめたけどー!


『それにしても、私の担当するステージには変なのがたむろしやすいなぁー』


 四十三ステージのあいつら、どうしてくれよう。


『……単純に突発クエストばっかりじゃあ、芸がないよね~』


 バレたら怒られちゃうかもだけれど、面白いイベントを演出できるなら、別にいっか~♪


 キーボードを叩いて、急いで設定を済ませる。


『ああ、んん! ――私の声が聞こえますか、カナデ。今、()()()()()()()()()()()()()()()()


 清楚で神秘的な雰囲気を心掛けながら、四十三ステージの信心深いチャネラーに語りかけていく。


 僕の可愛い可愛いお人形ちゃん、皆に()()()()()を届けちゃってよねー。

 


●●●


 

「魔神・暗黒魔は、まんま光輝天の逆バージョン。弱点属性は光。有効武器は剣。危険攻撃は、無数の闇の槍を放ってくる“逆三(ぎゃくさん)暗黒宮(あんこくきゅう)”だよ」


 完全に、魔神・光輝天の対になる魔神って感じだな。


「ステージギミックも似ていて、地面から黒いクリスタルが二つ生えてきてグレーターデーモンに変質するから、充分に注意してね」


 今回はグレーターデーモンで固定なのか。


「やっぱり、その“逆三暗黒宮”の槍も追尾してくるの?」


 フミノさんの質問。


「うん、属性と形状が違うだけで、光輝天の後輪と実質同じ物だよ」

「じゃあ、最初に私達が挑むわね♪」


 サトミのパーティーが一番槍で、次に強力な光属性攻撃手段を持つルイーサ、ジュリー、ユイと続く。


「今回は最後を選んだけれど、二人は大丈夫そう?」

「そんなに気にしなくても大丈夫だよ、メルシュ」

「疲労感はありますが、これくらいは今までだって何度も経験してますから」


 SSランクの力を振り絞った俺達を気遣うメルシュが、久しぶりに俺達をボス戦の最後にしてくれた。


「まあ、今回は休んでろよ」

「はい、私達にお任せを」


 セリーヌとナターシャがやる気だ。


「私が開幕早々ぶっ放すから、その後に二人は一気に畳み掛けて」

「おう」

「光特化の私とは相性が良い相手。必ずお役に立ちましょう」


 悪魔竜のところでまったく活躍できなかったからか、妙に張り切って見えるナターシャ。


 まあ、属性相性も有利だし、俺とトゥスカは後方で待機しておくか。


 ボス戦はあっという間に進み、俺達の番に。


 部屋に入ると、銀のライン光が走って行く。


「“六重詠唱”――“宝石魔法”、ペリドットレーザー!!」


 魔神が動き出すタイミングバッチリに六つの光線が直撃――両手両足、それに翼まで破壊して前屈みに倒れた!


「急がないと悪魔が出て来るよ、二人とも」


 容赦ないメルシュの攻撃に呆けていたセリーヌとナターシャが、ようやく駆け出す。


「“ピリカカムイ”――“神秘魔法”、ミスティックブラスト!!」

「“聖騎士武術”――パラディンセイバー!!」


 セリーヌが杖に六文字刻んでいたのもあって、トドメを刺しただけ状態になる二人。


「ぜ、全然活躍の場が……」

「まあ、元気出せよ」


 ナターシャをセリーヌが慰めている……なんかシュールな光景だな。



○おめでとうございます。魔神・暗黒魔の討伐に成功しました。


○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。


★暗黒魔の四翼 ★暗黒魔法のスキルカード

★暗黒弾の指輪 ★逆三暗黒宮のスキルカード



「本当に、光輝天の属性違いというか、色違いって感じだな」


 そのため、俺は今回も、これといって欲しいアイテムが無い。


 全員さっさと選び終え、俺達は次のステージへと進む。



○これより、第四十三ステージの“退廃と快楽の都”に転移します。




             ★



「…………これ……どういう状況だ?」


 転移したいつもの祭壇上――の空を覆うほどの数の浮遊武器が全て、俺達に切っ先を向けている!?


「コセ……」


 ジュリーが、困ったように俺へと視線を向けてきた。


 他の皆は……ピリピリとした空気感を漂わせており、すぐにでも戦争を始める気に見える。


「ようやく姿を現したね。《龍意のケンシ》の

リーダー、コセ・ユウダイ」


 祭壇の麓に十人を超える人間が居ると思いきや、その中心にいた鈍色の鎧に白髪のリーダーらしき白人男が――俺の名前を呼んだ!?



「恥を知るが良い、コセ・ユウダイ――――この小児性愛者(ペドフィリア)が!!」



「……はあ?」


 何を言っているんだ、あのバカ男は。


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