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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第16章 醜悪よりも邪悪な悪魔たち

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609.VS大天使

『――コォォォ!!』


 黄金の剣をこちらに振りかざし、白い炎を複数飛ばしてくる大天使。


 “ジェットウィングユニット”の“超噴射”を器用に操り、私よりも巨大な炎を連続回避!


「光属性は効かないんだったな――武器交換、“ストームブリンガー”」


 “ヴリルの祈りの聖剣”から、翠の両刃剣に持ち帰る。


「“嵐の穿風”!!」


 切っ先から穿ち抜く風を放つも、黄金の剣によって容易く薙ぎ払われてしまう。


 そのまま上段から振り下ろされた長剣を避け、更に追い打ちの炎から逃れるべく全速力で距離を取る!


 生半可な攻撃ではダメなうえ、私の手札で光属性以外の攻撃となると……。


「これしかないか――武器交換、“古代王の聖剣”」


 持ち替えた王の剣を盾に収め――“抜剣”し、“聖剣万象”を纏わせる。


 更に“ヴリルの聖骸盾”に九文字刻み、聖剣に力を流し込む。


「“光波衣”、“古王の威厳”」


 身体がブレて見えるオーロラを纏い、炎の弾幕が薄れるまで回避に徹する。


 強力な一撃で仕留めるため――狙うはカウンター!


「――“後光噴射”!!」


 弾幕が薄れたタイミングで真っ直ぐに急接近――“ミカエル”に剣による迎撃を強制させる!


「“守護武術”――ガーディアンカウンター!!」


 シビアなタイミングを見極め、横から迫る巨剣を――盾に張った障壁で弾き返す!



「――――“古代剣術”、オールドスラッシュ!!」



 下から斜めに、“古王の威厳”によって長大化した古代属性のエネルギー剣を振り抜いた!


「ハアハア!」


 切り裂きながら“ミカエル”の中心を抜け、すぐさま振り返――――白炎の腕払いを横から打ち付けられ、炎のカーテンにぶつかり――身体が燃えていく!!!?


「ぁぁああああああッッッ!!!」


 身体が熱い――――“古代王の聖剣”に直接神代文字を刻めないぶん威力不足。“ジェットウィングユニット”が重く、“降臨の後光輪”との併用が難しい――もっと軽く――もっと速く――もっと強く!!


 

    私に――もっとふさわしい存在を!!



 ――思考が現実へと引き戻されていく刹那、私の要求と現実がない交ぜになって――――最適化――再構築されていく。


 “古代王の聖剣”は、神代文字に対応した“ヴリルの聖なる古代王剣”へ。


 “ジェットウィングユニット”と“降臨の後光輪”は統合され、機械銀翼を持つ黄金の放射円環――“ヴリル・ジェット・ヘイロウ”へ。


挿絵(By みてみん)


「――“後光噴射”」


 炎のカーテンから抜け出ながら、“ヴリルの聖なる古代王剣”を盾に収める。


「“抜剣”――“双聖女の威光”」


 “聖剣万象”を纏わせた状態で、光属性を含む攻撃全てに対応した“古王の威厳”を使用。


『コォォォ――“情熱の黄金剣”!!』


 ぶった切ったはずのミカエルの身体が元通りになった途端、黄金の剣から黄金の炎を燃え上がらせて――超大な火炎として放ってきた!!


「受けて立とう――“極光剣術”、オーロラプリック!!」


 黄金の炎を貫き、そのままミカエルの胸を刺し貫く。



「――“神代の威光”!!」



 突き刺した直後、剣に刻んだ十二文字から神代のエネルギーを送り込み――内側から暴発させる!!


『……バカ……な……神への情熱が……消え………』


 奴の身体を構成していた光炎が消えていき、黄金の剣だけが落下――しきる前に、光となって消えていった。



○“大天使の黄金聖剣”を手に入れました。


○“ミカエルの情熱”を手に入れました。




●●●



『“情熱の黄金矢”!!』

「“咒血竜技”――カースブラッドドラゴンブレス!!」


 黄金の弓から放たれた金色の炎が、エルザの繰り出した血の息吹によって拡散されるも……余波だけで全員にダメージが!


「私が引き付けます! ――“炎鳥化”!!」


 脚に炎の鉤爪、背から炎の翼を生やしたイチカさんが飛び立ち、“ガブリエル”の注意を引いてくれる。


「クソ! あんな上空から一方的に攻撃とか、ふざけやがって!」

「私も、打てる手が全然無い」


 レンちゃんとフミノさんは、今回は当てにならない。


「どうする、チトセ?」

「竜になって私を上空に連れて行って、エルザ!」

「判った――“咒血竜化”」


 紅の西洋竜となったエルザの背に飛び乗り、イチカさんを追う!


「“聖炎水魔法”――バーンセイントスプラッシュ!!」


 イチカさんのユニークスキルによる魔法でも、白炎で構成された大天使には、大したダメージを与えられているように見えない。


『ここからどうするつもりだ、チトセ?』

「切り札を切ります――“宇霊羅の泉龍”」


挿絵(By みてみん)


 コセくんが“湖の主”を倒して手に入れてくれたっていうユニークスキルを使用し、青い水で構成された巨龍を召喚!!


「天使の動きを止めて!」


『グォォォォォォォ!!』


 天使の顔に頭突きをし、怯んだその隙に身体に纏わり付く泉龍さん。


「エルザは頭上を旋回――食らいなさい!!」


挿絵(By みてみん)


 “倍増薬液ランチャー”から連続で六発、“不浄液”を顔面にぶっかけた!


 サブ職業の“看護婦”による“薬効強化”と“Sの女王”の同一連続攻撃による威力補正により、通常以上の効果を発揮しているはずだけれど……。


『――――ギャァァぁぁぁあぁぁぁああああああアアアアアッッッッ!!!!』


 怖ろしい女性の悲痛な叫び声が響くこと数秒後……“ガブリエル”の姿は、跡形も無く消え去った。


「な、なんとか倒せた」


 他のパーティーは、“不浄液”無しで大天使と戦った場合……勝てるのかな。



○“大天使の黄金天弓”を手に入れました。


○“ガブリエルの情熱”を手に入れました。




●●●



「――ファイア!!」


 皆さんの神代の力を集め、更に“ワッカカムイ”発動状態で放った“デイチャージ・クァンタムバスター”の一撃により、大天使の巨体を完全に吹き飛ばしました。


「よくやった、リエリア!」

「ナイスよ、リエリアちゃん!」

「さすがでぇす、リエリア!」


 メグミさん、サトミさん、クリスさんが褒めてくれる。


「ありがとうございます、皆さんのおかげです!」


 私が落ち込みやすいせいで、気を遣わせてしまっているのが分かってしまう。


 別に、嘘をつかれてるとかじゃないのは、解ってはいるんだけれど……。


「炎の壁が消えました。急がないと天使モンスターが出て来るかと」

「そうね。さすがに、アレの相手は疲れたわ~」


 リンピョンさんの言葉に、サトミさんが方針を決める。


「このレギオンの人達は優しいから、大丈夫ですよ」

「そういうエレジーさんだって、とっても優しいです」


 なんとなく、エレジーさんは「このレギオン」の中に自分を入れずに言っている気がして……。


「……私の優しさなんて……あの人に比べたら、上辺だけだから」


 悲しそうに、どこか遠くを見詰めているエレジーさん。

 

「あの人?」

「急がないと、また天使と戦う事になりますよ」

「そ、そうですね!」


 あの人って、誰の事だろう?



○“大天使の黄金騎槍”を手に入れました。


○“ラファエルの情熱”を手に入れました。



おまけ

倍増薬液ランチャー

挿絵(By みてみん)

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