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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第15章 覚醒の両翼

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578.黒鬼退治

「“抜剣”――“極光剣術”、オーロラスラッシュ!!」


 “黒鬼”とやらの巨軀を、“聖剣万象”を纏わせた”ヴリルの祈りの聖剣”で両断。


「ハアハア」


 神代文字無しだと致命的なダメージが入らないモンスターの大半が、武具を装備して押し寄せてくる……しかも、それなりに連携までして。


「ルイーサ、力を使いすぎよ! 一旦下がりなさい!」


 まさか、アヤナにもっともな指摘を受ける日が来ようとは。


「判った! なら、一度、奴等の動きを止める!」


 聖剣を鞘盾に戻し、“ヴリルの聖骸盾”に九文字を刻む!!



「“守護武術”――ガーディアンランパート!!」



 三体の突進を、展開した半透明な城壁で止める!!


「今だ、アヤナ!!」

「オッケー――“六重詠唱”」


 その銀杖、“凶兆片翼の銀鳳凰”に九文字が刻まれた!?


 アヤナの奴、いつの間に!



「“光線魔法”――アトミックシャワー!!」



 上空からの無差別光線により、城壁で阻まれた黒鬼達が餌食となっていく。


「威力分散しちゃったから、二体しか倒せてないし」


 防具持ちには大したダメージは入っていないようだが、無傷というわけではない。何体かは手脚を失ったようだし。


「上出来だよ、姉ちゃん! “銀風魔法”、シルバーウィンド!!」


 アヤナの攻撃でボロボロだった“黒鬼”達に毒の銀粉を撒き散らしたうえ、“トリプル薬液スピアー”の柄頭を押して“溶解液”を広範囲にばら撒くアオイ!


 浴びた六体の身体が、どんどん溶けていく。


「まともにダメージが入らないなら、搦め手を使うだけ……」

「さすがアオイ」


 “銀風魔法”の毒と溶解液による二重の持続ダメージで、硬い黒鬼達が弱っていく。


 間もなく、先頭の六体は光へと換わっていった。


「残り……四十一」


「ルイーサちゃん達は下がって!」

「そろそろ交代するぞ!」


 後方で力を温存していたサトミとメグミに促される。


「そうだな。アヤナ、アオイ、一旦――」


 ――後方に控えていた半数の黒鬼が、路地へと入っていくだと!?


 しかも、青い鬼同様に私達を無視して――祭壇の方へと向かっていく!!


「サトミ達は、アイツらを追ってくれ!」


 目の前に残った黒鬼は十六体。


 つまり、祭壇に向かった黒鬼は二十五体ということ!


 なら、人数が多いサトミ達が対処した方が良い。


「行きましょう、サトミ様! 百体の黒鬼が、同時に牢に迫ってるとしたら!」

「トゥスカちゃん達だけじゃ止めきれない!」

「ここは頼んだぞ!」


 サトミ、リンピョン、メグミが黒鬼を追い掛けていく。


「エレジーとリエリアは……とっくに追い掛けていってるし」


 今のところ、エレジーが何を考えているのか分からないけれど……指輪が指輪だったから、信用しても良いか。


「というわけだ。なんとしてでも、十六体の黒鬼は私達で倒すぞ!」


 足止めに徹していた双子の友人に檄を飛ばす!


「まったく、仕方ないわね!」

「コイツら全部、私の経験値にしてやる!」


 苦楽を共にしてきたこの二人が居ると、自然と腹を括れる!


「ここからが、本当の鬼退治だ!!」



●●●



「“颶風魔法”――ストームダウンバースト!!」


 神代の力、六文字分を流し込んだ風圧を叩き付けて、一体の“黒鬼”の動きを止める!


「メグミちゃん!」

「任せろ――拒絶の腕!!」


 重風圧が消えた瞬間、両指の“拒絶の腕の指輪”から翠の巨腕を左右に生み出し、鬼を殴り倒すメグミちゃん。


「――“拒絶”!!」


 地面に叩き付けた状態で、腕の効果を両方同時にゼロ距離発動――神代の力が加わっていたのもあり、上半身が派手な血飛沫と共に消し飛んだ。


「リベンジ成功ね、メグミちゃん」

「始まりの村でコイツに捕まって、奴隷にされたんだったな……アヤのせいで」

「そうだったわね」


 五日の間Lvが上がらないと、圧倒的な強さの黒鬼が現れて無理矢理奴隷にさせられてしまう。


 私とメグミちゃんは負けて、アヤちゃんはろくに抵抗すらしなくて。


 今なら解る。私達とアヤちゃんじゃ、精神性が違いすぎるんだって。


 個性や育った環境とか、そういうレベルで左右されるような問題じゃないほどに、私達の内面……人間性が違いすぎた。


 競馬村で別れたのは、必然だったんだって……神代文字を刻めるようになった今なら受け入れられる。


「行くぞ、サトミ。確実に一体ずつ減らす!」

「ええ!」


「サトミ様、こっちです!」


 リンピョンちゃんが、黒鬼を三体も引き付けている!?


「――“嘆きの牢獄”」


 血だらけの黒鬼三体が密集した状態で、力が入りづらいように脚と関節を部分凍結した!?


「サトミ様、あの魔法を!」

「でかしたわ、リンピョンちゃん!」


 リョウくんの遺品の中にあった、アヤちゃんが大好きだった魔法を使わせて貰うから!



「“隕石魔法”――――コメット!!」



 屋外でしか発動出来ず、タイムラグのせいで扱いが難しい分――この魔法の威力は絶大!!


 巨大な岩石が途轍もないスピードで落下――三体の黒鬼を跡形もなく消し飛ばした。


「次行くわよ、二人とも!」


 私は、アヤちゃんの分まで生きるなんて安っぽい言葉を言う気にはなれないけれど――私はもう、アヤちゃんの死を悲しまない。


 貴女の死になんて、誰かの死になんて……私は、引き摺られてなんてあげないんだから。



●●●



「――“暴食肥大”」


 甲虫の身体を思わせる黒い投げ斧、“グロトネリアの宿斧(しゅくふ)”を縦回転で投げ付ける!


『――――ガァぁぁぁッッッ!!』


 直撃する瞬間、その内に宿る本性が顕わとなり――黒鬼の身体を食い千切って一気に肥大化――鋸のようなギザギザの凶悪な円輪となり、黒鬼の巨体に食い込んだままとなる。


「“暴乱惨禍”」


挿絵(By みてみん)


 膝を付いて息を荒げる黒鬼の頭を、黒緑のハルバード――黒い竜巻を纏った“暴風は惨禍を撒き散らす”を振り下ろし……刈り潰した。


 すると、“グロトネリアの宿斧”の形状が戻り、元の位置である私の腰に吊される。


「さすがSランク。生物系にしか効果を発揮しないとはいえ、仕留めるまで身体に残り続けるのは凶悪にして強力」


 あの黒鬼を楽に仕留められるなんて。


「性質的に、補助武器としての側面が強いか。リエリアの方は……」


 空高くに浮いているホーン・マーメイドのリエリアが、遠くの地上へと輝く青い筒を向けていた。



○○○



「“二重詠唱”、“凍土魔法”――フロストバーン!!」


 青い銃で大っきい鬼さんを足止め、誘導し、四体が密集した所で足元を凍らせた!


「武器交換――“デイチャージ・クァンタムバスター”」


 青い銃、“遍く世界に問い掛けよ”から――青白い大筒に持ち替えて、下手に構える!!


挿絵(By みてみん)



「――ぶっ飛べ!!」



 引き金を引き、青白い特大の奔流を放って――四体の鬼さんを消し飛ばした。


「コセさん、今の見ててくれたかな~♡ て、位置的に見えてるわけないか……」


 牢は祭壇の裏手にあるから、南側しか見えるはずないし。


「さすが、一日に一度しか放てないSランクですね」


 エレジーさんが傍へとやって来てくれる。


「消費せずに放てますしね」


 生前はパーティーリーダーに渡すだけで、自分で使った事なんてなかったけれど。


「息は整いましたね。次に行きましょう」


 エレジーさん、気遣いが出来てとっても優しいな~。


「はい! コセさん達は、絶対に守ります!」

「……ええ、そうですね」


 コセさん絡みになると、エレジーさんは複雑そうな顔をするけれど……本当はどう思ってるんだろう?


おまけ “デイチャージ・クァンタムバスター”

挿絵(By みてみん)

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