表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第15章 覚醒の両翼

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

592/956

553.死闘からの一夜

「…………昨日の今日で、また気を失ったのか」


 見知った天井は暗くて、今が深夜だと判る。


「起きた?」


 左側のぬくもりが動いて、声を掛けてきた。


「……アヤナ?」


挿絵(By みてみん)


 黒髪を短くしてからというもの、彼女はどこか艶めかしい。


「トゥスカの方が良かった?」


 自虐的な。


「そうだな」

「ひっど、なによそれ」


 本気で言ってるわけじゃないと理解していそうだけれど、胸の中の彼女の身体をより一層密着させる。


「……無茶、したみたいね」

「そうする必要があったってだけさ」

「私のためって……言ってくれても良いじゃん」


 重荷に感じてほしくないと思って選んだ言葉だったけれど、アヤナは自分のためにしてくれたと思うのが好きらしい。


「ごめんな、アオイとの再会が遅れて」

「その言い方、ムカつく……戻ってきたアンタ、結構酷い状態だったんだから……三十七ステージの攻略中、皆して気が気じゃなかったんだからね」


 思っていたよりも心配を掛けていたらしい。


 というか、やっぱり半日以上寝てたのか。


「身体は大丈夫?」

「少し怠いけれど……アヤナが癒してくれるなら、すぐに元気になれるかも」

「……スケベ」

 

 身じろぎしたアヤナが覆い被さってきて、唇を貪られる。


「ん、チュパ♡ ……元気になった?」

「まだ足りないかな」

「このドスケベ」


 上体を起こして寝間着を着崩し、胸や肩をはだけさせていくアヤナ。


「朝までに、私がアンタを元気にしてあげる♡」



            ★




○戦士.Lv74になりました。TP・MP・OP回復速度アップの選択が可能です。


○戦士.Lv75になりました。”守護神”機能が解禁されました。



「Lvは2しか上がってないのか」


 直前に大幅なLvアップをしてたからな。


「おはよう、マスター」


 “神秘の館”のリビングに現れたのは、ワイズマンの隠れNPC、メルシュ。


「おはよう。ところで、“守護神”機能ってなにか分かるか?」


「えーと……よく分かんないかなー」

「本当か?」


 俺とメルシュは今契約者を替えている状態のため、Lv75の新機能をメルシュが分からないのはさほどおかしいことじゃない。


 けれど、メルシュは本当は、“英知の引き出し”によって取得出来る以上の情報を知っている気がする。


 そう思わせる態度は、度々あった。


「守護神ていうのは、おまもり欄に装備するサポートアイテムだよ」



挿絵(By みてみん)


 説明してくれたのは、金髪美女のジュリー。


 ダンジョン・ザ・チョイスのオリジナルプレイヤーであり、オリジナル開発者の娘でもあるジュリーの情報は信用できる。


「てことは、その守護神ていうのを手に入れないと意味の無い機能って事か」

「そうなるね。というか、四十ステージでLv75は高すぎる。守護神……魔法使いだと古代兵装なんだけれど、それらが手に入るのは六十ステージより上だったはずだから」

「そんなに……」


 ちょっと楽しみだったのに。


「マスター、“命の砂時計”は幾つある?」


 メルシュに尋ねられる。


「四つだったかな? なんでだ?」

「一つにつき、レアアイテム一つと交換できるみたいだよ」


 言われてチョイスプレートのメール欄を確認。



○“命の砂時計”は以下の物と交換可能です。


★付与の結晶体 ★複製のメダル ●職業変更書

★火帝の指輪 ★紅蓮王の指輪 ★水蒸気王の指輪

★火極の指輪 ★耐性貫通の指輪 ★法修練の指輪

★黄金障壁の指輪 ★白銀障壁の指輪 

★超怪力の指輪 ★超高速の指輪 ★超再生の指輪

★超頑強の指輪 ★超跳躍の指輪 ★重技の指輪

★シュメルの指輪 ★カリスマリーダーの指輪

★サブ武器+1の指輪 ★その他+1の指輪

★一極強化の指輪 ★指輪召喚強化の指輪 

★超魔法耐性の指輪 ★サブ職業+1の指輪

★灼熱の指輪 ★瀑布の指輪 ★風化の指輪

★寒冷の指輪 ★雷鳴の指輪 ★肥沃の指輪

★遮光の指輪 ★侵蝕の指輪 ★錆びの指輪

★除霊の指輪 ★捏造の指輪 ★劇毒の指輪

★竜却の指輪 


★万力の腕輪 ★神速の腕輪 ★万全の腕輪

★頑健の腕輪 ★天跳の腕輪 ★倍重技の腕輪

★指輪+2の腕輪  ★魔法使い専用装備の腕輪

★サブ武器+2の腕輪 ★鎧装備の腕輪

★その他+2の腕輪 ★サブ職業+2の腕輪


★無限の矢筒 ★随行のグリップ ★万能の鞘

★アームリングリング ★ノーマルアンチのローブ



「パッと見でも判る充実度……地味に役立ちそうなのばかり」

「その交換はいつでも出来るみたいだから、砂時計は残しといてね」

「ああ、それは良いけれど……この“火帝の指輪”ってなんだ?」


 前に“光帝の指輪”というのを手に入れていた気がするけれど。


「火属性全ての威力を上昇させる指輪さ。二属性、三属性問わずね。ちなみに、“火魔の指輪”をDからSにした状態で“王族の妄執”を使用することで作り出す事も出来る」


 ジュリーが教えてくれる。


「そうだったのか……」

「ただ、“大地王の指輪”のように、特定の属性系統に特化した物に比べると上昇率は低い。効果は重複しないから、同一の属性を含む二属性を複数使う人用かな」

「属性を一種類しか使わない人間にも良いんじゃないか?」

「それなら、“一極強化の指輪”の方が上昇率が高いし、全ての単一属性に効果を発揮するよ」


 単一属性だと耐性によってダメージが減衰されやすいから、こういう単一属性贔屓のアイテムもあると。


「ちなみに、“怪力の指輪”に“超化の種”を使うと“超怪力の指輪”になるよ。“高速の指輪”なら超高速みたいにね」


 対抗するように知識を披露するメルシュ。


「名前に王が追加されて進化する物もあれば、超が付くことで進化するアイテムやスキルもあるんだよ」

「実は、この前コセが運ばれて眠っていた時、皆の装備に“超化の種”とかを使用して進化させてたんだ」

「“紫雲煙の靴”を使っていた面子には、その上位互換である“天翔のブーツ”、Aランクなんかも配ったりね」

「そう言えば、トゥスカの“凶狼の腕輪”がいつの間にか無くなってたな」


 大規模突発クエスト……いや、三十九ステージのボス戦前には変わってた気が。


「というか、“超化の種”なんていつ手に入れたんだ?」

「吸血皇の城のとあるルートで、この前大量に手に入れてたんだよね。予想以上に手に入れられたのは、ナオのおかげかな」


 俺とリューナが選ばなかったルートなんだろうな。


「結晶体って言うのは確か、特定の装備に属性を付与したり出来るんだっけ?」

「うん、まあ……」


 何故か微妙そうな顔になるジュリー……なんで?


「ところでマスター、今日の昼に《ザ・フェミニスターズ》を招いて、生き返らせた人間の実体化を一斉にやろうと思うんだけれど」

「俺以外の奴も、まだ生き返らせていなかったのか」

「一人一人に何回も説明するのは面倒だからね。キクルやコトリ達は、昨日のうちに済ませたらしいけれど」

「ヴァルカと話すまでは、解放軍メンバーは警戒していたらしいね」


 ――ギュルルルルルルル~ル。


 盛大な腹の音が響き渡る。


「コセ、そんなにお腹空いてたの?」

「そう言えば、昨日の朝から何も食べていなかった」


 その朝食も、クエスト前って事で軽めにしてたし。


「早くご飯が食べたい」

「じゃあ、すぐに用意するわね~」


 調理場にいたサトミに聞こえていたらしく、嬉しそうな返事が返ってきた。


「おう、待ってる」


 ほぼ毎日ご飯を作ってくれているサトミには、もう頭が上がらないな。



●●●



「……」


「どうかなさいましたか、ユウコ様?」


 エルフ執事の使用人NPC、ロメオが尋ねてきた。


 今回の大規模突発クエストにて、生き返らせる事が可能だった私の下僕は全員生き返らせられた。


 けれどこの先、私はまた多くの下僕を失うことになるかもしれない。


「決めたわ、ロメオ――私は、キクル達のレギオンに合流します」


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ