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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第14章 随意なる黄昏は英雄と共に

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516.紫幻の狂獣


「――“神猿化”」



 身体が、赤い毛で覆われていく。


 筋肉が膨れ上がり、体格は一回り大きく!


『少し猿顔になるのは気に食わないけれど!』


挿絵(By みてみん)


 私に不意打ちした奴を目視すると、その横にはほぼ再生を終えたもう一体の“悪性の大輪”が。


『やっぱ、あの程度じゃダメっすか』


『『ギギ!!』』


 襲い来る二体の攻撃を身体能力任せに潜り抜け――二本の八雲の棍棒を叩きつけてぶちのめす!!


『――“連結”』


 “八雲は青天に映えて”と“八雲は夜空にとけて”を合体させ、二メートルを超える青黒雲の空棒とする!!


『“太陽武術”――――サンブレイク!!』


 一瞬だけ刻んだ十二文字分の威力を武術スキルと共に炸裂させ、一体を蒸発させた!


『――グッ!!』


 植物野郎の腕が槍のようになり――私の腹部を貫いている。


 コイツら、姿が変わらなくても……数が減る程に強くなってないか!?


 右腕の“星の巨人の甲手”に――左腕に握っている棒、減ってしまった六文字から力を流し込む。



『“太陽武術”――――太陽拳!!』



 腕を引く瞬間に筋肉を締め――勝手に引き寄せられてくるその花顔に食らわせてやった。


『ハアハア、ハアハア』


 刺さってた枝の腕が光に変わると、“不死の神猿”の能力であっという間に傷が塞がる。


『ハァー、ハァー。文字の使いすぎで……頭イっテー』


 ゲージは……100%になってる。


『ハハ……さすがユニークスキル、“不死の神猿”』


 この姿で居る限り、私は不死。


『ただ、この姿で居られるのはOPが尽きるまで……尽きた瞬間に死ぬ……っすか』


 中層が安全になるのと、果たしてどっちが先っすかね……。



『中層の球根が、全て駆除されました。これより安全エリアとなり、上層との行き来は不可能となります』



『ハハ……命拾い……したっすね……」



●●●



「――“飛王剣”!!」


 飛び散る花粉の中、斬撃を飛ばして“悪性の大輪”を真っ二つにする。


「“毒玉発射”」


 毒漬けにして、枯らし殺す。


「まさか、毒が弱点だったとは」


 あんな毒々しい見た目なのに。


『中層が安全化した以上、ここの数も少ないと思いたいところだけれど』


 仮面を付けた状態のグダラが、希望的な観測を述べる。


「二人とも……私、限界みたい」

「ミレオ!」


 ミレオの身体が黄色く染まったのち、光となって消えていき――すぐに“復活”した。


「そういう風に“復活”するのか」


 初めて見た。


「花粉ゲージは……うん、リセットされてる」


 これでミレオはもう、今日は”復活”出来ない。


「ゲホ、ゲホ!」

『キクル!!』

「大丈夫だ。ゲージはまだ30にも届いていない」


 だが、この目の痒みや咳は予想以上に厄介だな。思うように集中出来ない。


『――“悪性の球根”、残り一つ』


「なに?」


 仮面を外してから、まだ二体しか倒していなかったが。


 それに、俺がさっきのを仕留めてからアナウンスが流れるまでに間があった……上層に、俺達以外にもまだ戦っている人間が居る?


『残り一つとなってしまった事で、大樹が養分を全て――最後の球根へと注ぎ込む!!』


「物語仕立てが好きな奴」


 リアルでやられると、こんなにも萎えるとは。


「マスター、アレ」


 ミレオの視線の先で、腐った植物が大樹のごとく肥大化していくのが見え……すぐに小さくなり始めた?



『“悪性の大輪”は――“悪性の逆襲者”となるのよ!!』



「……残り一つでわざわざアナウンスしてきたのは、そのためか」


『アイツ……どんどん攻撃的なフォルムに――“荷電粒子砲”!!!』


 翠の銛、“赦しを請いし蛇蝎ども”に瞬時に六文字を刻み、力を流し込んだ緑雷の砲撃を放つグダラ。


『今のでMPがほぼ無くなった……倒せてなかったら……』


「……ああ、任せろ」


 ダメージゼロというわけじゃないが――背から伸びる大量の触手で、“荷電粒子砲”の直撃は避けたらしい。


『ギギュギュギギッ!!』


 触手で建物の壁を利用し――グダラを狙って突っ込んできた!!


「――“呪縛の悪手”!!」


 右腕から放つ変幻自在の黒腕で、横合いから殴り付けてぶちのめす!!


「アイツ――俺のグダラに!!」

『俺の……』

「ああ、いや……」


 勢いで何を言っているんだ、俺は!!


「二人は援護だ! 絶対に前に出るなよ!」


 奴をぶっ飛ばした方へと駆け、今の発言を誤魔化す。


『ギギェギュギッ!!』


「グダラに吹っ飛ばされた触手は、とっくに再生しているか」


 生半可な攻撃じゃ、時間の無駄になるだけ。


「“魔蠍魔法”――スコーピアスフェイズアーマー!!」


 濃紫の光鎧を周囲に展開し、肩辺りから蠍の光鋏、臀部から蠍の光尾、太股から跳躍に優れた三本光脚を展開。


 ――六本脚で跳躍し、襲い来る触手を回避。


 回避しきれない分は光鋏で去なしながら、距離を詰める!


「“重力魔法”――ヘビープレッシャー!!」


 上からの重圧で動きを止めた。


「オールセット2」


 “変幻蟲の巨剣斧”から、右手に“猛毒破砕の大斧”、左手に“青雷の戦斧”の二斧に持ち替える。


「”青雷武術”――ブルーサンダートマホーク!!」


 序盤で手に入れた元相棒を投擲! 防御に使用した触手群をぶった切った。


 更に、光鋏で両腕部分を拘束!


「“重力武術”――グラビティースラッシュ!!」


 “猛毒破砕の大斧”で袈裟斬りにしようとするも、胸部分で止められてしまう!


「だが、この斧で切られれば毒が……浸透していない?」


 大輪は毒が弱点だったはずなのに!


『ギュギェーーッ!!』


「――“劇毒”!!」


 反撃して来た瞬間、レイナから譲られた“アサシン・エルの劇毒服”の効果を使用――攻撃を受けると同時に、服に浮かんだ黒紫の粘液を付着させるッ!


「ハアハア、グッ!」


 腹に良いのを貰っちまった!


 おまけに、スコーピアスフェイズアーマーの効果まで切れたらしい。


「“劇毒”で……ようやく効果があるか」


 “劇毒”は毒耐性を貫通するから、当然と言えば当然だが……見る限り、効き目は薄そうだ。


「毒に頼る戦いは通じないらしいな」


「“樹液弾”!!」

『“雷禍の千狐”!!』


 樹液で動きを鈍らせつつ、緑雷の七尾で逆襲者の身体を削ってくれるミレオとグダラ。


 ミレオは攻撃力皆無であり、グダラはMP切れで火力が足りない。


「……頼りたくはなかったんだがな、あの力には」


 このゲームを、ルールの上で楽しみたかったから。



「武器交換――――“紫幻の悪夢に酔い痴れ”」



 ”変幻蟲の巨剣斧”に形状が似た、一回り小さい濃紫の剣斧に――九文字刻む。


「――“飛王剣”!!」


挿絵(By みてみん)


 文字の力で増大した斬撃により、左腕ごと大量の触手をぶった切ってやった!!


「“呪縛の悪手”」


 左腕から黒の腕を伸ばし、文字の力で強化された手で胴体を掴んでから――無理矢理地面に叩き付ける!


 更に腕から青白い力を注ぎ込んで、掌で暴発――奴の身体が四散した。


「まだ再生するか」


 頭だけになっても、あっという間に首下から植物が生えて人型に戻っていく。


「――“狂獣化”」


 バーサーカーの“隠れNPCシャドウ”から手に入れたスキルを使用し、凶悪そうな熊の人獣となる。


『“ニタイカムイ”』


 本来は獣人にしか使えないカムイ系だが、“狂獣化”状態の今なら使用可能。


『“飛王剣”!!』


 再生していた身体を更にぶった切り、手頃な大きさに戻してやる。


 これで、準備は整った。


『――ギュギェェェェッッ!!!』

『“縹渺(ひょうびょう)虚空”』


 最後の抵抗なのか、頭から無数の槍を生やして来るも――腐樹の槍は俺の身体をすり抜け、虚空を刺すのみで終わる。


『キクル!!』


 グダラの文字の力が、“紫幻の悪夢に酔い痴れ”へと流れ込んで――十二文字に!!



『終わりだ――――“激情の一撃”!!』



 俺とグダラの最大最強の一撃を持って……“悪性の逆襲者”を完全に消滅させた。


『…………突発クエスト・大樹の逆襲……クリアよ』


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