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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第13章 偽善に隠した悪意

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おまけ補足 巡る遺品

「メルシュ、これを渡しておく」


 リューナが送ったのはおそらくぅ、昨夜話していた破損武器ですねぇ。


「お、じゃあ、さっそく配っちゃおうかな」


 突発クエストに巻き込まれた事で先行組が疲弊したため、消耗していないコセ達がワンパーティーだけで四十ステージを目指す事が決まった直後のこと。


「メルシュ、これも頼む」


 コセが、どこか申し訳なさそうにアイテムを送った?


「ああ……リョウが持ってた奴か。そっか、リョウの仲間を殺した女をリョウが自分で殺しているから、彼女達の装備もあるんだ」


 今思い出しても、嫌になる話でぇすね。


 銃の乱射や人種に起因する事件は、いつ聞いてもやりきれない気持ちにさせられる。


 日本に来てからは、ほとんど耳にする事なんてなくなりまぁしたが。


「コセ……大丈夫でぇすか?」


「へ? ああ、普通に元気だよ」


 やっぱり、いつものような自然体の覇気が感じられない。


 私はアヤ以外とほとんど関わり無かったからぁ、リョウ組の死にそこまでショックじゃありませぇんでしたが……自分で手に掛けたコセは、どういう気分だったのかぁ……。


「“極寒の暴虐狂い”はノーザン、”氷炎の競演を観よ”は……やっぱ、ナオだよね」


「同じのがもう一つか……まあ、良いかもね」


 なにか考えがありそうな笑みを浮かべるナオ。


「“霧散のクリアシールド”は……取り敢えずメグミかな。“精霊のファルシオン”は、前々から欲しがっていたフェルナンダに」


「何気に、Sランクの盾を使うのは初めてだな」

「まさか、こんな形で私の手に来るとは」


 死んだ仲間の装備が二人の手に渡るのを見ていると、まるで私達の方が追い剥ぎをしたみたいな気分でぇす。


「“獅子皇帝の盾”……これはどうするか」

「メルシュ、良ければ私に」


 強請ったのは、ジュリー。


「うん、良いよ」


 あっさりと渡され、喜んでいるジュリーを見てると……。


「クリスにはこれ」


 私がメルシュに手渡されたのはぁ、赤いラインが入った銀の大型リボルバー。


 あまりの大口径で、ハンドガンと言うよりもグレネードランチャーのよう。


「おう……二つもでぇすか?」


 更には、“甘い花弁の刹那”が赤ピンクに塗られたような銃細剣まで。


「“ドラグ・ガンブレイド”に“熱い花弁の疼き”だよ。後者はクリスの“甘い蕾の中の逢瀬”と同系統扱いだから、同時に装備するだけでもお得だよ」


「“熱い花弁の疼き”……日本語は、やっぱり難しいでぇす」


 “甘い花弁の刹那”も、私には意味がよくわかりませぇんでした。


 訊いても、誰も教えてくれませぇんし。


「それで、前者の方には特殊な機構があって、剣に分類される装備と合体出来るんだよね」


「合体? メグミのアーマーみたいにでぇすか?」

「まずは、“ドラグ・ガンブレイド”を装備してみて」


 そう言えば、ガンブレイドなのに刃物が付いて無いでぇすね。


「わかりまぁした」


 装備して、すぐに実体化しまぁす。


「そこから、チョイスプレートの“ドラグ・ガンブレイド”になにか剣を重ねてみて」


 “薔薇騎士の剣”、Sランクを重ねる……“ドラグ・ガンブレイド”のすぐ下に剣の名前が表示され――銃の砲身の下に、薔薇柄の短刀のような刃が下向きに生成されたぁ!?


「これは……シックルみたいな銃剣タイプですか」

「引き金を長押しで、切っ先を前に向けられるよ」


 やってみると、よくある刺突用の銃剣タイプへ。


「グリップ下側のスイッチを押すと、大剣になる」

「ホウ?」


 少し大きめの固いスイッチを頑張って押すと、持ち手から引き金が消え――スロットは残しつつ、砲身を巨大な刃が覆う。


「オオー……格好良いでぇーす」


 刀身だけで、軽く二メートルを超えてまぁーす。


 しかも、薔薇柄でぇすか。


「合体させた剣の属性や武具効果、特殊効果も大半は使用可能だから、他の剣と組み合わせてみるのも面白いかもね」

「なるほどぉー」

「他にも色々ギミックがあるから、あとはライブラリでチェックしておいて」


 ややこしやな部分は、説明を終えたみたいでぇすね。


「ところで……ユイ、“ブラッディーコレクション”を使ってみる気はある?」


 血の日本刀がメルシュの前で実体化し、ユイの前へ。


「…………要らないかな。この武器は、腕とか色々な物を腐らせる……そんな気がする」


 武道に通ずる者の直感……という奴ですか。格好いいでぇす!


「やっぱり、ユイには合わないか。他に使ってみたい人って居る?」


「「「…………」」」


 重い空気……みんな、なんだかんだで彼女達の死に思うところはあったみたいでぇす。


 大半は態度に出して居なかったけれど、それは……前を見て進むしかないと……理解していたからなのでしょう。


「……私は遠慮しとく」

「私も」

「私もです」

「僕も」


 いくら強力な武具でも、仲間の命を大量に奪った武器を使うのは躊躇われるみたいでぇす。


「……」


 彼女達に仲間と認めて貰えている事が……私は誇らしいでぇす。


「じゃあ、どうしよっかな」

「メルシュ、俺に考えがあるんだけれど……」

「ん?」


 コセの案とその理由を聞いた私達は、誰も反対せず、むしろその案を支持しまぁした。


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