501.墓所のお宝
「“鎮魂歌”――ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」
ナターシャの歌のおかげで、蛇顔の“キングファントム”達が簡単に倒されていく。
「アンデッドやゴーストへの特化能力だけあって、効果覿面だな」
○“王族の妄執”×2を手に入れました。
「ナターシャが居れば、本当に楽勝みたいね。一応、チトセからコレを借りてきてたけれど」
マリナが手にしていたのは、拳銃タイプの薬液銃。
「初めて見る気がするな、それ」
「私が調合師の墓場で手に入れていた“薬液マグナム”、Bランクよ。薬液の効力を一点五倍にするけれど、普段使ってるマルチギミックの方が使いやすいんだってさ」
「まあ、そうだろうな」
単発式のブリッツモード、長距離用のスナイプモード、広範囲用のシャワーモード、一気に薬液を放出するリバーモードと、状況に合わせて即座に使い分けられるんだから。
「マリナって、射撃の腕は良いの?」
トゥスカの質問。
「銃は使った事ないけれど、まあ、それなりには良いはずよ」
よく“熱光線”を撃っているし、命中率も高いとは思うけれど……。
「ちゃんと練習して来たんだろうな?」
「……“聖水”しか持ってきてないから大丈夫よ」
それ、俺達に当てない自信は無いって言っているような物じゃねぇか!
「出番があるかもしれませんよ、マリナ様」
ナターシャの警戒の声音により、この空間に置かれた石の棺達が一斉に震えだしている事に気付く!
「棺は全部で百。そのうち、いったい何体がアイテムをドロップしてくれるか」
“王族の妄執”は、一つでも多く手に入れたいところ。
●●●
「“六重詠唱”、“雷雲魔法”――サンダークラウズスプランター!!」
六つの黒雲を生み出し、そこから多方向に六つの雷を放射! “キングファントム”の群れを一掃していく!
「オリジナルの時はこっちのルートを選ばなかったけれど、こんなに一斉に襲ってくるなんて……」
しかも、私の特化系統魔法でも一撃で倒せていない!
「こいつら、物理攻撃がイマイチ効かないんだったな! 武器交換――”鬼哭咆哮の金筒棒”!!」
トキコが、筒状になっている巨大金棒に持ち替えた?
「――“鬼哭咆哮”!!」
先端から紅いビームを発射し、数体の亡霊を消し去ってくれるトキコさん!
「ゥオりゃ!!」
バルバザードのお尻から生えた鉄球付き尻尾、“ダイナテイルハンマ”による薙ぎ払いで、右翼から近付いてきていた“キングファントム”が後退!
「“極寒断ち”!!」
化け物の顔が張り付いたような青い斧で、私を狙ってきた爬虫人類ゴーストをノーザンちゃんが退けてくれた!
「今だ、カプア!」
「はい!」
チトセちゃんから借りたらしい武器、”薬液ショットガン”を撃ち、広範囲に“聖水”を拡散させ、効率的に“キングファントム”を倒してくれるカプア。
「さすがカプア」
「お褒めにあずかり光栄です、ウララ様」
“薬液ショットガン”と“聖水”が無かったら、怪我人が……最悪、誰かは死んでいたかもしれないほど厳しかった。
「ですが、今ので手持ちの“聖水”は一本だけに」
「ここに出た奴等は一掃できたんだ。次があろうと無かろうと、この場面を乗り切れただけマシだろうさ」
バルバがカプアを慰めてくれている。
「聞いた話だと、“キングファントム”が出るのはこの部屋だけのはずよ」
「ああいうタイプは私の好みじゃ無いな。もっと殴り甲斐がある奴が良かった」
戦闘狂のトキコのお気には召さなかったみたい。
「とっとと墓の中の財宝を回収するぞ。ここは居心地が悪い」
「コセ様達を待たせるわけにはいきませんもんね!」
バルバと一緒に、さっさとお宝を回収していくノーザンちゃん。
頭蓋骨から性別を見抜いた事といい、肝の据わり方といい、本当、いったいどんな家庭で育ったのか。
○“豪奢な冠”×8を手に入れました。
○“竜王の指輪”×11を手に入れました。
○“竜帝の指輪”を手に入れました。
○“エターナルテルルリング”を手に入れました。
○”金塊”×72を手に入れました。
○“ルビー”×24を手に入れました。
○“アクアマリン”×31を手に入れました。
:
:
●●●
「今度は武具の山か」
朽ちた防具の部屋を抜けた先に広がっていたのは、槍や剣などの殺傷力の高い武器群。
私達が足を踏み入れると山の中から一斉に武器が浮き上がり、矛先をこちらに向けて襲い掛かってくる!
「“神代の剣影”!」
“終わらぬ苦悩を噛み締めて”から青の鞭刃を繰り出し、片っ端から弾き飛ばしていく。
「“二重魔法”、“悪夢魔法”――」
クオリアの静謐な声と共に、神代の力が急速に顕現していく事に気付いた!
「私が一気に吹き飛ばします、リューナ様」
紫の布が棚引く左腕の銀の装身具、“鬱屈なる感情の発露”に九文字刻み、その力を二つの魔法陣に流し込んでいくクオリア。
「任せた!」
ある程度、浮遊武器達を一カ所に集めておく!
――私とクオリアの神代文字が、意識が共振していく!!
「――――“直情の激発”」
悪夢の黒雲の巨大な奔流が二つ、空を駆る武器達を呑み込み……全て消失させた。
「ユニーク魔法数発分に加え、神代文字によるブースト……凄まじいですの」
隠れNPCであるサカナが、引くレベルの威力だったらしい。
「こうも簡単に一掃出来るとはな。えげつない量が襲って来るという話だったが、おかげでスキル武器のカードが大量に手に入っただろう」
「武器の回収に入ります」
さっきの部屋と同じように、壊れた武器の山からアイテムを拾いに言ってくれるエルザとヘラーシャ。
「やはり、このレギオンは当たりだったみたいね」
遅れてサカナも回収に移る……今、なんか気になるような事を言っていたような。
その後、私達は奥の安全エリアへと到達。ポータルを使ってボス部屋前へと移動した。
○“竜太刀のスキルカード”を手に入れました。
○“大地鎌のスキルカード”を手に入れました。
○“暴風盾のスキルカード”を手に入れました。
○“竜王盾のスキルカード”を手に入れました。
○“波動剣のスキルカード”を手に入れました。
○“天雷槍のスキルカード”を手に入れました。
○“蒼穹槍のスキルカード”を手に入れました。
:
:
○”猛毒のレイピア”(破損)を手に入れました。
○“爆裂の戦槍”(破損)を手に入れました。
○“ドラグ・ガンブレイド”(破損)を手に入れました。
○“蹴り飛ばせぬもの魂のごとし”(破損)を手に入れました。
○“硝子の中の鑑み”(破損)を手に入れました。
○“極寒の暴虐狂い”(破損)を手に入れました。
○“氷炎の競演を見よ”(破損)を手に入れました。
○“熱い花弁の疼き”(破損)を手に入れました。
:
:




