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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第13章 偽善に隠した悪意

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488.砂漠の中心で裸体に見惚れる

「気っ持ちぃ~!」


 “発掘村”を出発して半日。ようやく中間地点のコテージ付き安全エリアに到達した私達は、各々二階にあるプールと温泉に別れて寛いでいた。


「フー……」


 私は泳ぐ元気が無かったため、温泉に浸かっている。


 屋根も無い場所で裸になるのは恥ずかしいけど、サキ達隠れNPCが見張ってくれているからある程度安心して入っていられそう。


 コテージ周りは念入りに確認したし、発掘村には私達以外のプレーヤーは一人も居なさそうだったし、突然男が来て裸を見られる心配も無い。


「開放感、凄いな~」


 見渡す限りの夕焼けを見ながら、温泉に浸かって居られるなんて……このコテージと同じ魔法の家が欲しい。


 まあ、私は“砦城”と契約しちゃってるんだけれど。


「……」

「どうしたの、モモカ?」


 正面から私を……私の脚の方に視線が行ってる?


「ジュリー……オッパイ大っきい」

「……へ?」


 自分の胸を触りながら、ジッと私の胸を見ている!


「確かにジュリーって、十五歳とは思えないくらい大っきいわよね」


 隣に入ってきたのはユリカ。


 確かに、同い年で私より大きい人は今までデ……膨よかな子しか居なかったけれど。


「……ユリカの方が大きいよね?」

「そんなに違わないと思うけれど……何カップ?」

「……HよりのG」

「私はHだよ」


 ほら、やっぱりユリカの方が大っきい!


「ていうか、レギオン内で一番大きいよね?」

「ま、まあね。て言っても、私より大きい人なんて、向こうにはいっぱい居るでしょ」


 日本だけでも、たまにKとかLとか見掛けるけれど。


「この年でこのサイズだと、将来どれくらいになるのか……これ以上大きくなって欲しくないんだけれど」

「戦闘には邪魔だしね」

「じゃあ、私に頂戴! オッパイ、大っきくなりたい!」


 ユリカと私の会話に、子供らしい爆弾を投下してくるモモカ。


「オッパイ大きくなっても良いこと無いわよ? ナンパとか、視線とか、変な男が寄ってきやすいし」


 ユリカもそうなんだ。


「確かに、変な男子にばかり告白されてたな」


 あんまり大きくない方が、良い男に巡り会いやすいかも。


「コセは? コセは大っきい方が好きじないの?」


「「…………」」


 無邪気な子供の疑問ほど、恐ろしい物なんて無いのかもしれない。


「ああ……あれよ……その」


 ユリカが困っている。


「た、たぶん、トゥスカくらいが良いんじゃない……かな?」


 トゥスカはFよりのGくらいだから……結局、大きい方が良いって事に!


「分かった!」


 なにが?


「で、でも、オッパイのサイズが女の価値じゃ無いんだからね!」

「そうだよ! 性格とか、身体のバランスとかだって!」


「お前達は、子供にいったいなにを言っているんだ?」


 湯船を歩いてきたのは、緑の髪を濡らしたレリーフェさん……。


「「…………」」


 その堂々とした佇まいに均整の取れた顔、プロポーションに……思わず見惚れてしまう。


挿絵(By みてみん)


「ん、どうした?」


「本当だ! ユリカ達よりオッパイ小さいのに、レリーフェの方が凄く綺麗!!」


「「グフッ!!」」


「……お前達、本当にモモカになにを話していたんだ?」

「レリーフェ、身体洗って!」

「仕方のない奴だ。今日だけだぞ」


 モモカを連れ、湯船から出て行くレリーフェさん。


「さすがエルフ。裸だと余計に美貌の差を解らせられる……」

「子供って……正直だよね」


 女としての敗北感が凄まじい。


「どうしたら、レリーフェさんくらい綺麗になれるんだろう?」

「……」

「へ、なに?」


 ユリカがジト目で見てくる。


「いや、異世界人メンバーの中で、ジュリーにだけは言われたくないなって。サトミもだけれど」

「うん?」


 どういうこと?



●●●



「エントランスの階段を上った先にありますのが”淑女達の花園”、右扉から繋がるのが”数多の墓所”、左扉は“千花の庭園”、正面が”コックの戦場”となります」


 スジャと名乗った執事風NPCの説明が終わる。


 場所は三十四ステージ、“吸血皇の城”のエントランス。


「チトセとエルザの城と、この辺はまんま同じなんだ」

「不気味な雰囲気は、ここほどではなかったですけれど」


 ナオとクマムが話している。


 私達の魔法の家の領域にある“吸血皇の城”でパーティーを開いたのもあって、ある程度みんな、城の構造は把握しているはず。


「ルートは、あらかじめ話しておいた通りに進んでね」


 “淑女達の花園”にはジュリー達、“数多の墓所”にはルイーサ達、“千花の花園”には私も居るクマム達、“コックの戦場”はサトミ達のパーティーに担当して貰う。


 モモカとバニラは、ヨシノと共にお留守番。


 その他のメンバーは、街を襲っているモンスターの群れの迎撃を、経験値と素材集めのために励んで貰うことになっていた。


「行くよ、クマム」

「はい!」


 ナノカ、ナオ、カナと共に五人で左の扉へ。


 そこから伸びる暗い廊下を通り、奥のドアを開けると……広大な庭である“千花の庭園”へと出た。


「花は綺麗なのに、不気味な場所ですね」


 クマムの率直な感想。


 そこかしこに花壇があり、長く蔦を絡ませて作った敷居、ガーデウォールなどで庭が仕切られている。


「ここでは浮遊系の能力は使えないから、注意してね。それと――」


 庭へと足を踏み入れると、見渡す限りの花々が一斉に蠢いて牙を向く。


「な、なによこれ!」

「コイツらは全て食人花。血に一気に寄っていく習性があるから、特にナオは近付き過ぎないようにね」


 魔法使いなのに、何故かどんどん拳で戦うようになっているナオに忠告しておく。


「りょ、了解」

「それで、この花全てを刈り取れば良いわけ?」


 気合を入れるカナが確認してきた。


「コイツらは、強くない代わりに際限なく生えて来るから、私達は迎撃しながら庭園を抜ける必要がある」

「で、余等はどちらへ向かえば良いのだ?」


 取り回しの良い武器の方が良いと考えたのか、”突撃猪の石盾”と“天元侵蝕の木樵斧”に装備を替えているナノカ。


「このまま真っ直ぐ。庭中央にある噴水、その更に向こうにあるあの塔まで走るよ!」


「はい!」

「「「おう!」」」


 ナノカを先頭に私達は、襲い来る様々な食人花のテリトリーを突っ切る!!


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