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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第12章 残滓が消えぬ間に

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449.デスバトルチェイス

「さてと」


 前を塞いでる奴等は、ジュリーとルイーサに任せるとして。


「サトミ、リンピョン、やるぞ!」


『任せなさい、メグミちゃん!』

『外道共に思い知らせてやる!』


 二人とも、やる気満々みたいだな。


『百戦錬磨の俺達と、やろうってのか~!』

『バイク乗りの戦い方って奴を、お前らに見せてやるよ! やれ、お前ら!!』


「「「おおーー!!」」」


 ルイーサとジュリーが乗るマシンと同じ物を操縦している二人が、後方組のリーダーってわけか。


『“怨霊剣”!!』

『“怨霊槍”!!』


 取り巻き共が、“竜剣”のような浮く武器を出現させた!?


『夜のストリートブリッジに出現するモンスターから手に入る、レアスキルだ!』

『怪我をする前に降参した方が良いぜ~ー!!』


 スイッチを押し、バイク後部から私の左右を守るように折り畳まれている盾、ガードアームを起動。


 思念で二本のガードアームを操り、後方から迫るおどろおどろしいオーラを放つ剣と槍を弾き飛ばす!


「その戦闘法、参考にさせて貰おう――“竜剣”!!」


 青緑の竜の大剣を生み出し、乗り手を強襲させる!


「この!」


 “怨霊剣”とやらで防いだか。


「“暴風魔法”――ダウンバースト!!」


「「おわ!!」」


 サトミの攻撃を避けきられた!?


「走行しながらの戦闘、なかなか厄介なようだな」


「ハハハハハ! どうしたどうしたー!!」


「“可変”――“泰然なる息吹”」


 横に並んできたストリームバイクの男に対し、“泰然なる高潔の息吹”から風の砲撃を放ち、仰け反らせた。


 運悪くバイク底部が地面と接触したらしく、火花散らしながら転がり、後方で爆発を起こしたようだ。


「“暗黒転剣術”――ダークネスブーメラン!!」


 神代の力を乗せたリンピョンの円鋸、“殺人鬼の狂おしや”により、バイクごと両断される者も。


「どうやら、言うほど戦い慣れしてはいないらしいな」



●●●



『コイツら、容赦なく殺しやがった……』

『い、今まで、こんなアッサリ殺しに来る女共なんて居なかったぞ!』


 この人達、やっぱり今回が初めてじゃないんだ。


 襲い掛かってくる“紅蓮刀”や“万雷斧”を、同乗しているスゥーシャ、レリーフェさんが弾いているのを見ながら――覚悟を決めます。


「二人とも、掴まっていてください!」


『逃がさねーぞ! “熱光線”!!』


 左にハンドルを切り、折り畳まれた翼でスゥーシャへの直撃を避ける!


『“万雷魔法”!』


 別の男が魔法陣を展開したのを見て、急ブレーキ――スカイジェットの折り畳まれた両翼にぶつけ、二台をクラッシュ!


 私だけが、敵の包囲を後方に抜ける形となった。


『逃がさねーって言ってんだろう!』


 敵のシルバーストームに同乗していた獣人が、後ろ向きで拳銃を撃ってくる!


「逃がさないのはこっちです」


 スイッチを押し、オプションで取り付けたクラッシュアタックを起動――蒼い車体の前面に、蒼のエネルギーフィールドを展開!


「お、おい、ヤバいぞ!!」

「あの白猫のガキ、本気かよ」


 別のスイッチで、ジェットエンジンを始動!


 本来は翼を伸ばして飛行するために使う物だけれど、今は――加速のためだけに用いる!!


「サヨナラです!!」


「「や、ヤメローーー!!」」


 後方から思いっ切り衝突し、敵をシルバーストームごと破壊しました!



●●●



「ヒョールの奴……死にやがった――クソ!!」


 ゴルドライトニングを駆る男が、金色のガードアームを使って私のフレイムマグナムに傷を付けようとしてくる。


「クソ、なんだコイツ! 全然当たらねー!!」


「サンヤとカナが同乗していることですし、早々に片付けますか」


 バイクの指輪を解体すると、固定の機能をオプションパーツとして手に入れられますし。


「――“熱砲線”」


 右腕で構えた“和熱砲”に文字の力を流し込んで、ゴルドライトニングに向かって撃ち放つ!


「が、ガードアームが熔けた!?」


 同乗している男が騒ぎ出す。


『マジかよ――こうなったら、クラッシュさせてやるッ!!』


 生かして捕らえたかったのでしょうが、ようやく、そんな甘い考えが通じる相手ではないと理解できたようですね。


 ――体当たりを減速することで回避――ジェットエンジンを軽く連続で吹かし、すぐ後ろに張り付く!


『どうします、イチロウさん!?』

『魔法で攻撃しろ! もう、殺しても構わねー!!』


「そんな暇は与えない――“大紅蓮槍”」


 この手に、紅蓮の炎で出来た十文字槍を生み出す。



「“紅蓮投槍術”――クリムゾンジャベリン!!」



 フレイムマグナムに刻まれた六つの神代文字から力を流し込んで――ゴルドライトニングを、操縦者達ごと燃やし貫いた。


 残りも、粗方メグミ達が片付けた様子。


 この勇姿、是非、ユイ先生に見せたかったですね。


 むしろ、ユイ先生の勇姿が見たかった!



○○○



「“二重魔法”、“天雷魔法”――ヘブンスプランター!!」


 一発は取り巻き共に当たってクラッシュさせるも、もう一発は“古代の力”と“黄金障壁”により、あの紫のバイクにはほとんど通じていない。


「“ウェポンエフェクター”に、古生代武器を仕込んでいるのか」


 更に、指輪か何かで、魔法を半減させる“黄金障壁”を発生させている。


「“古王の威厳”――“古代剣術”、オールドブレイク!!」


 長大な斬撃をルイーサが放つも、“白銀障壁”と“ガードアーム”の組み合わせで防がれてしまう!


『古代属性で攻撃してくるのは、分かってたからなぁ』


「通信で、ルイーサの攻撃手段を把握していたってわけだ」




 “古代の力”は古代属性以外の攻撃を五分の一にしてしまうため、ルイーサの攻撃が直撃していればクラッシュさせられたかもしれない。


『お前の取り巻きは全部片付けたぞ。運が良ければ、半数は生きているかもな』


 挑発するルイーサ。


『アイツらと、この俺を一緒にするなよ、小娘共』


 三輪のあのバイクは、地面を数十センチ浮いて走行する私達のバイクより、安定性は遥かに高いだろう。


 他のバイクのように海上や砂漠の走行、飛行はおそらく無理だろうけれど、このストリートブリッジでは非常に厄介と見た。


「出し惜しみできない――“天雷神の百獣王”!!」


 獅子のような顔を持つ、天雷でできた人型の上半身をゴルドライトニング

後方の地面から生み出す!


『ヒヒヒヒヒ! 良い度胸だ――“怨霊鎚”! “怨霊斧”! “怨霊輪剣”! “怨霊王剣”!!』


 怨霊系の武器スキルを……しかも、この時点で王に進化したタイプまで。


『その獅子を打ち倒せ!』


 四つの武器が迫って――天雷神に守って貰う!


「く!」


 武器スキルによる猛攻を防ぐので手一杯に。


『私を忘れるなよ――“白骨火葬”!!』


『貴様!! ――ぁぁぁああああッ!!』


 ”白骨火葬”の白い煙の正体は、高熱の遺灰。


 “古代の力”は完全に攻撃を防ぐ物では無いため、付着した灰に少なからず皮膚が焼かれているはず。


「チ!」


 すぐさまガードアームを振るい、ルイーサが後退させられる。


『や、やってくれたな!!』


 後方のパーツの一部が開き、手榴弾のような物がばら撒かれ――爆発していく!?


「――“天使の翼”!!」

「――“明星の翼”!!」


 “レーサー”のサブ職業によりウィリーを難なく成功――背から生やした翼で車体を数秒間上昇させ、爆炎を回避!!


 一瞬でも車体前方部分を上に向けたことで、爆風を受けて生まれた浮力により、爆発の衝撃にさらされずにすむ。


 これが地面から浮くタイプのバイクじゃなかったら、こうはいかなかっただろう。


『コイツら、素人じゃねぇのかよ!!』


「ジュリー!!」

「これで決める!!」


 互いの神代文字が共振し、私の翼に十二文字が刻まれる!



「「――ハァァァァーーーッ!!!」」



 文字の力を纏った私の“侵略の雷帝剣”と“古代王の聖剣”が、すれ違いざまに――男を、毒々しいバイクごと三枚斬りにした!!


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