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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第12章 残滓が消えぬ間に

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427.淑女達の花園と数多の墓所

「“鎮魂歌”――ァァァァァァァァアアア!!」


挿絵(By みてみん)


 ナターシャが浄化の力持つスキルを使用。声を響かせるほど足元の白色光の輪が広がっていき、暗き墓場より出でる無数のゾンビやグールなどの亡者達を、天へと還していく。


「ナターシャのおかげで、楽に突破できそうだな」


 右の扉へと進んだ俺達に待ち受けていたのは、長く続く地下への階段。


 その先に広がっていたのは、ろくに光も指さぬ真っ暗で広大な泥地帯の墓所。


 今はマリナの“閃光魔法”、フラッシュボールを空中に生み出しているため、なんとか十メートル先くらいまでは見渡せているという状況。


「お褒めにあずかり光栄です、ユウダイ様」


「ああ、うん」


 こんな状況なんだし、ナターシャもわざわざこっちを見てお辞儀しなくても良いのに。


「キャ!!」


 泥に足を取られたのか、転びかけたクオリアを支える。


「大丈夫か?」

「も、申し訳ありません」


 すぐに離れる烏鳥人のクオリア。


 目が見えない彼女は知覚に優れているけれど、さすがに泥の足場は厳しいか。


「クオリア、自分の翼で飛んだら?」


 マリナの提案。


「それをすると、羽音で私の気配察知能力が低下してしまうのです。それに……天井の方に、おそらく蝙蝠モンスターが陣取っているようで」


「もしかしたら、飛んでこの地形とゾンビをやり過ごそうとした者を、襲う役目があるのかもな」


 さっきのアンデッド達は飛べないし。


「向こうに微かに芝生が見えます。そこまでの辛抱かと」


「なら、ユウダイにでもおぶって貰ったら?」


 ナターシャの情報から、マリナが意外な提案。


「いいえ、お構いなく」

「いや、さっさとここを抜けてしまいたい」

「え、ちょ!?」


 左腕でクオリアの脇を抱え、肩に担ぐ。


「ナターシャは前を、マリナは後ろを頼む」


「へ、冗談だったのに……」


 冗談だったのかよ。


 泥の中を進むと再びゾンビが現れるも、芝生の上へと逃れたのち、ナターシャが“鎮魂歌”で一掃してくれる。


「墓所は……まだ続くみたいね」


 俺がクオリアを降ろしていると、マリナが芝生の奥を見据えてそう呟いた。


「新手です」


 芝生の下から、青銅色の騎士達が土埃と共に現れる!


「ブロンズリビングアーマーです。ここは私が」

「ナターシャは休んでて。あとあと“鎮魂歌”が必要な状況がありそうだし」


 そう言い、前に出るマリナ。


「“氷河魔法”――グレイシャーバーン!!」


 ここらの芝生ごと、ブロンズリビングアーマーをまとめて氷付けに。


「金属系モンスターは氷付け状態にしやすい……さすが、ユウダイ様の愛妾を務めるだけありますね」

「誰が愛妾だ! 私は正妻よ!」


 俺の中では、関係をもった相手は全員正妻なんだけれど。


「そうなのですか? 私はてっきり、トゥスカ様が正妻だとばかり」

「あの、ナターシャさん……」


 そういう微妙な所にズバズバ踏み込まないで。


「いつかは、私が正妻になるのよ!」


 それ、もう自分から側室かなにかだって認めちゃってるじゃん。


「ナターシャ、マリナは大事な妻の一人だから」


 我ながら最低の言い方だなと思いつつ、愛妾ではない事はハッキリさせておく。


「そんなことより、彼等が動き出しそうですよ?」


 クオリアの指摘に呼応するように、ブロンズリビングアーマーを閉じ込めた氷に罅が!


「そんなことよりってなによ――どいつもこいつも!!」


 ――マリナの左腕に装着された鏡の盾、“鏡の中の鑑み”が、より鋭い形状へと変化していく!?



「”光線魔法”――アトミックレイ!!」



 俺が知っているアトミックレイよりも収束された青白い光が、変化した“鏡の中の鑑み”から放たれ……氷から脱出しかけていたブロンズリビングアーマーをまとめて吹き飛ばした。


挿絵(By みてみん)


「フン!」


「……怖い」

「怖いですね」

「マリナ様は怖いです」


「ウッサいのよ、あんたら!!」


 なんやかんやで、俺達は墓所を抜けることに成功する。



○“青銅戦士”のサブ職業を手に入れました。

○”ブロンズアーマー”×4を手に入れました。

○“ブロンズメイル”×2を手に入れました。

○“ブロンズソード”×2を手に入れました。

           :

           :




●●●



「……色々手に入りましたね」

「そうだな!」



○”悪魔王の指輪”を手に入れました。

○“狂血王の指輪”を手に入れました。

○“瘴気王の指輪”を手に入れました。

○“禍々しき青き希望”を手に入れました。

○“エターナルマラカイトリング”を手に入れました。

○“ペリドットリング”を手に入れました。

○“トレジャーハンター”を手に入れました。

○“色塗りの筆”を手に入れました。

○“アックスマスタードレス”を手に入れました。

○“ランスマスタードレス”を手に入れました。

○“シックルマスタードレス”を手に入れました。

○“大地母神のドレス”を手に入れました。

○“ミアズマの魔女下着”を手に入れました。

○“インフェルノの魔女下着”を手に入れました。

○“グラビティの魔女下着”を手に入れました。

○“オブシディアンの魔女下着”を手に入れました。

○”羞恥の大戦士下着”を手に入れました。

○“闇の戦士下着”を手に入れました。

○“古の戦士下着”を手に入れました。

○“竜皮のメイル下着”を手に入れました。

○“デザインランジェリー”×13を手に入れました。



 パーティー会場を抜けた先で多数の寝室を物色し、これだけのアイテムを回収できた!


「“デザインランジェリー”ってなんですか? 寝間着ですよね?」

「見た目が一つ一つ違うから、一緒くたにされているのです。ランクはEで、装備としての性能はほぼ皆無。まあ、いわゆるネタ装備というやつですね」


 チトセの疑問に答えるサカナ。


「……このゲームは神ゲーだな」


 効果がないとは言え、服屋の下着の種類は豊富だし……最高すぎる。


「うちのニューマスターは、まったく……へ、なに? なんで私を凝視しているんですの?」


「いや……」


 ネレイスの隠れNPCであるサカナは、人魚同様、基本的に下着を履いていない。


 履くとしても、下半身を人間形態にした時に自分から履かなければならない。


 まあ、ブラは付けているようだけれど。


「夢が無いなと思ってな」

「は?」


「おい、下着漁りにここまで付き合ってやったんだ! さっさと行くぞ!」


 エルザに諭され、私達はこの素晴らしい区画の先へと進む。


 道中、壁に飾られていた絵画が襲い掛かってくるも、難なく撃破。


「ここは……」


 奥の扉を開けると、先程までの華やかな空間は消え、不気味な灰色の天空廻廊が伸びていた。



○”絵のない額縁”×4を手に入れました。



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