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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第11章 虹色の奇蹟

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423.魔神・泡跳び蛙 魔神・呪い竜

「ここのボスの名前は、魔神・泡跳び蛙。弱点属性は雷、有効武器は槍、危険攻撃は跳躍からの踏み付けであるハイパワーキック」


 メルシュが、第二十五ステージのボスについて説明してくれている。


「ステージギミックは、天井から降ってくる泡。この泡によって火属性を含むダメージが半減しちゃうし、床に付着するともの凄く滑りやすくなるから気を付けて。ちなみに、泡には雷属性攻撃を相殺してしまう効果もあるから。二属性以上の場合は威力半減で済むけれど」


 下手をすると、二十番台の中でもっとも厄介なボスと言えるかもしれない相手。


「じゃあ、私達から行かせて貰う」


 サキ達と共に、ボス部屋の中へ。


 奥に水色のラインが灯り、薄い青緑の石で出来た巨体が顕わに。


 本物の蛙よりはスタイリッシュだけれど、そのため余計に頭の方が肥大化して見える。


「私が前に出る。皆は自分の身を守るのに集中を」


 最初にボス戦を行う私達は、特に消耗が少ない状態でボス戦をクリアしなければならない。


「もう泡が」


 ボスが動き出してすぐに、天井から人間一人くらい軽々と呑み込めそうな泡が出始めた。


 ボスにダメージを与えれば、泡の量はこの比ではなくなっていく。


「“二重魔法”、“天雷魔法”――ヘブンスプランター!!」


 泡が少ないうちに長距離魔法攻撃を仕掛け、弱点ダメージを大量に与えながら距離を詰める!


「“侵略雷”」


挿絵(By みてみん)


 ユリカが大規模突発クエスト中に手にいてくれた片刃の剣、黒い柄と鈍色の刀身持つ“侵略の雷帝剣”Sランクから、黄色の雷を迸らせる。


 この雷に触れたスキルや武具効果は、それを発動するために消費されたTP・MP・OPと同等分を私が消費することで相殺が可能。


 回数制の能力の場合、消費無しで打ち消すことが出来る。


「邪魔よ」


 雷纏う侵略の剣で、邪魔な泡を切り消しながら魔神に接近。


 間合いを詰めるよりも早く魔神が跳びあが――危険攻撃であるハイパワーキックを放ってきた!!


 ――展開していた“明星の遣いの嘆き”に九文字刻み、強化された五感を持ってカウンター――ハイパワーキックのエネルギーを“侵略雷”で打ち消しながら、右脚を膝まで切り上げる!


 その損傷により、落下と同時に水掻き付きの右脚が砕け潰れたようだ。


「天雷の金星球!!」


 黄金の球体を生み出すと同時に“回転”を施し――“磁力”による反発で加速しながら撃ち出す!!


『ゲロゲ――ブグッッッ!!!』


 金星球が直撃する前に滑空し、黄金球が魔神の頭を砕くと同時に至近距離で――黄金球に拳を翳した。



「“獅子王撃”!!」



 左腕の“轟雷竜の剣甲手”から放った事で雷属性となった“獅子王撃”と神代文字の力を金星球が吸収し――威力を激増!!


「思っていたよりも楽だったか」


 魔神・泡跳び蛙は砕け散り、光へと還った。



○おめでとうございます。魔神・泡跳び蛙の討伐に成功しました。


○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。


★跳び蛙の水掻き脚 ★泡沫魔法のスキルカード

★シャボン玉の指輪 ★大脚術のスキルカード


○これより、第二十六ステージの砂漠の四層都市に転移します。




●●●



「第三十三ステージのボスは、魔神・呪い竜。弱点属性は光、有効武器は無し、危険攻撃はカースドラゴンブレスだ」


 ボス部屋前の岩場で、エルザが説明してくれる。


「前回同様ステージギミックは無く、その分ボスが強い。絶対に油断するな」


 前回俺は気絶していたから、同様と言われてもよく分からない。


「それじゃあ、さっそく行くか」


 マリナ、クオリア、ナターシャと共にボス部屋の中へ。


「ユウダイ様、ここは私が」


 ナターシャが申し出る。


「いや、俺がメインで戦うから、皆は援護を頼む」

 

 闇の中で紅のラインが走り、赤紫色の竜が翼手を羽ばたかせて空へ!


「人型じゃないのは珍しいな」


 一応、二足歩行ではあるけれど。


「“偉大なる黄金の翼”――“飛翔”!!」


 黄金のパーツを背に二つ生み出し、そこから生えたブラウン光の翼で飛び立つ!



「“可変”――“神代の激龍砲線”!!」



 “偉大なる英雄竜の猛撃剣”を変形させ、九文字刻んだ竜の顎からレーザーを放射!! 


『ガオオオオオッッ!!』


 翼に直撃させて落下させるも、浴びている光に構わず、黒い靄の玉を無数に生み出して撃ち出してきた!


 堪らずレーザーの放出を止め、回避行動へ。


「少し、神代文字に頼りすぎか」


 メルシュやトゥスカが居ないと、自分でどうにかしようとし過ぎている気がする。


「武器交換――“ケラウノスの神剣”」


 英雄竜の剣から、黄色い雷を固めたような大剣へと持ち替える。


「“雷霆魔法”――ケラウノススプランター!!」


 黒靄の弾丸を躱し、間隙を突いて黄金の雷を浴びせた!


『ガオオオオオオオッッッ!!!


 さっきの靄が口内に収束していき――紅の息吹を放ってきただと!?


「“空衝”!!」


 空を蹴り、翼の機動力を生かしてなんとか避けきる!


「今のが危険攻撃か。地上の三人に向けられたら……避けるのは難しいだろうな」


 もう少し、生まれ変わった鎧の飛翔能力に慣れたかった所だけれど。


「武器交換――“シュバルツ・フェー”」


 腰の“サムシンググレートソード”を左手で抜いて、黒き精霊宿る剣へと持ち替える。


 こんな事なら、さっさと“シュバルツ・フェー”のランクを上げておくんだった。


「“黒精霊”、“雷霆魔法”、ケラウノススプランター」


 “シュバルツ・フェー”に、神の雷を吸わせる。


『ガオオオオオッッ!!』


 巨体から繰り出される攻撃を避け続け、隙を見せるのを待つ。


「来た!」


 再び口内にエネルギーを収束し始めた魔神・呪い竜へと、即座に接近!



「ハイパワーブレイド!!」



 左手の“シュバルツ・フェー”で呪い竜の頭を真っ二つにし――呪いの息吹ごと爆ぜさせた!!


「“雷霆剣術”――ケラウノスブレイク!!」


 ダメ押しとばかりに、魔神・呪い竜の胸にトドメの一撃を決める。


「フー、なんとか一人で……マジか」


 “シュバルツ・フェー”の銀の刀身部分に、大きな亀裂が入っていた。


 呪い竜の溜め込んだエネルギーに叩き込んだせいか、負荷を掛けすぎたのかもしれない。


「自動で修復されるだろうけれど、今日中に鍛冶屋に――――な!!?」


 光へと変わっていく呪い竜の一部が、俺の左腕に吸い込まれていく!!


「――――ッッッッ!!! …………あれ?」


 予想していた激痛は一瞬で消え、むしろ左腕にあった違和感のような物が減ってい――今度は左腕から、光が“シュバルツ・フェー”に流れ込んで行っている!!?


「……な、なんだコレ?」


 俺の黒銀の剣が、バグったかのように黒いポリゴンまみれに!


 おかしくなった“シュバルツ・フェー”はすぐに消え去り、装備から外れた状態でチョイスプレート内に存在していた……損壊扱いで。


「どうなってるんだ……いったい」



○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。


★呪い竜の翼鎧 ★サブ職業:王竜 

★蝕まれし竜核 ★狂気の竜核 ★暗黒の竜核



○これより、第三十四ステージの吸血皇の暗都に転移します。



第11章 虹色の奇蹟 完結です。

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