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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第11章 虹色の奇蹟

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422.乙女達の下着事情

「キャー!! モモカちゃん、その格好! なにそれなにそれなにそれー!!」


 サキさんが、サトミさん達のパーティーが合流した途端にもの凄く騒ぎ始めた。


「良いでしょうー!」


挿絵(By みてみん)


 新しい服をよっぽど気に入ったのか、クルリとターンをするモモカちゃん。


 胸の辺りが、夜空を思わせるような紺色と金銀の星々が散りばめられたようになった、白いヒラヒラドレス。


 前のピンクの魔法少女のような服に比べると、だいぶ大人びて見えます……腕とかの露出も増えてるし。


「もしかして、サトミさん達は衣服ルートだったんですか?」

「てことは、クマムちゃん達も? どんなのを選んだか見せて~♪」

「へ?」


 それはちょっと……。


「余のはコレだ!」


 ナノカがわざわざ装備を外してまで見せたのは……”真っ赤な(フンドシ)”。なぜかAランク。


「どうだ、格好いいだろう!」


 戦士専用装備で、身体能力を大きく向上させてくれるとメルシュさんは言っていましたが……私には、ナノカのセンスを理解できません。


「わー、とっても似合ってるわね~♪」


 サトミさん、それ本気で言ってるんですか?


「ナイス、ふんどし!」

「ナイスだ余、ふんどし!」


 ……なに、この二人のノリ。


「ナオ、もしかして綺羅ドレスの下になにか着ているの?」


 リンピョンさん。ナオさんのドレスの露出部分に、今まで無かった青紫の布で覆われているカ所があったから気付いたんだろうな。


「”ファイターレオタードインナー”、Sランクよ」


 バレエで着用するのとは違い、ショーツが無く、肩部分が出ていて、首の半ばまで覆っているタイプ。なぜか二の腕には布があるけれど。


 レオタード……昔、母に無理矢理バレエを習わされて着てたな。


 その母がいきなりバレエを止めさせたのは、教えて貰っていた男のコーチが女子児童にわいせつな行為をしたというのが発覚したからだっけ。


 前から、あのコーチは怖いって私が訴えていたのに、有名な先生だからって聞く耳持たなかったくせに。


 一緒に習っていたうちのどの子が、どの程度のわいせつをされたのかを私は知らない。知りたくもない。


 どうして人間って、目に見えて事が起きてからじゃないとまともに現実を見ることが出来ないのだろう。



「ちなみに、クマムのは“風光明媚な下着”――Sランクだ!」



「――キャ!!」


 屈んだナノカに、後ろから前のスカートをはだけさせられたッ!?


「ほうほう、これはこれは。さすがは、風光明媚と言うだけありますな~」

「お、判っておるな、お主」


 サトミさんとナノカが、私の下着で勝手に盛り上がってる!


「あの二人は……まったく」


 コセさんが居なくて良かったような……居て欲しかったような。


「く、クマムちゃんの白パンツ……ナイスよ、ナノカ」


 ナオさんが鼻を押さえながらグッドポーズを……まさか、私の下着を見て本当に鼻血を出しているわけじゃありませんよね?


「ちなみに、私のは下着タイプの黒いビスチェよ。クリスちゃんのは色違いの白。あとで、ナノカちゃんに見せてあげるわね~♪」


「おお、それは楽しみだ余!」


 あの子に、ナノカって名前をあげるべきじゃなかったかもしれない……私が変態になってしまったみたいで、凄く恥ずかしいんだもん!


「カナは、そのマントを選んだのか?」


 メグミさんが、カナさんに尋ねた。


「そうよ。“夜の魔女のケープ”。コッチの方がランクが高かったから。メグミは?」

「へ? ああ……“ドラグーンロードの下着”っていうのをな」

「へー、どういうの?」

「……黒に、金色のキラキラしたような……お、大人っぽいやつ」


 珍しく、カナさんが人をオドオドさせている! しかもメグミさんを!


「コセくんに見せるために選んだんでしょう?」

「選ぶときにデザインなんて判らないんだから、そんなわけ無いだろう! さ、サトミとクリスの奴は、そういうつもりでわざわざ低ランクを選んだみたいだが……」


 ビスチェって、そんなエッチな物でしたっけ?


「“光線王の大ケープ”は、アヤナで良いかな。一番、“光線魔法”の使用頻度が高そうだし。“聖霊の大ケープ”は……取り敢えずジュリーかな。光属性を使う魔法使いで、一番ランクの低い外套使っているのはジュリーだし」


 メルシュさんが、リンピョンさんから受け取ったケープを二人に渡していく。


「そう言えば、メルシュってあの時なにを選んだんだっけ?」


 ナオさんが尋ねた。


「そんなことより、さっさとお昼にしよう。皆、動けなくならないように軽めにね」


 あ、誤魔化した。


 これは、パーティーリーダーとして確認しなければいけませんね!


 メルシュさんの装備の中で、あのとき選択肢にあった衣服系装備を探す。


「……ずるい」


 その他欄の所にあった見覚えのある名前は……”敬虔なシスターの下着”。


 しかも、SやAばかりの選択肢の中から、わざわざCランクの装備を……。


 ライブラリで調べても、わざわざこの下着を選ぶほどの理由が見付からない。


 でも、デザインが凄く可愛らしくて、男受けが良さそうなガーターベルト付きの……これこそ、絶対コセさんに見せるために選んだやつじゃないですか!



●●●



「コセ様、こちらはお返しします」


 クオリアが俺に渡してきたのは、“光線拳銃∞”というSランク。あのアルファ・ドラコニアン・アバターが使用していた武器だ。


「クオリアにピッタリだと思ったんだけれど」


 実際、蝙蝠のモンスターを百発百中で仕留めているように見えた。


「重いというのと、左腕は装身具を生かすために空けておきたいのです。ですが、そうするとステッキの代わりに銃をということになり、一気に動きづらくなってしまい」


 クオリアなら問題無さそうだけれど、ステッキが身体の一部みたいになっているのか。


 ”光線拳銃∞”は、その名の通りTPやMP消費無しで光線を撃てるうえ、チャージすることで威力を上昇、調整することが出来る。


 チョイスプレートに眠らせておくには、あまりにも惜しい武器だ。


「分かった」


 となると、誰かのサブ武器として使って貰うか。


 魔法の家があれば、皆にジックリ練習して貰うことも出来るんだけれど。


「なら、取り敢えず私が使っても構わないか?」


 そう声を掛けてきたのは、エルザ。


「ああ、構わないよ」


 隠れNPCのエルザなら、問題なく使いこなせるだろうし。


「そう言えば、エルザの装備に“銀の杭”ってあるよな? EXランクらしいけれど、あれってなんなんだ?」


「ああ、あれか。あれは、私の父親を殺すために必要な特別な武器だ」


 例の、三十四ステージで発生するというアレか。


 その辺、そろそろジュリーから詳しく聞かないとな。


「ユウダイ様、“クレインハンドのスキルカード”を使わせて頂いても宜しいでしょうか?」


 尋ねてきたのはナターシャ。


「ああ、良いけれど……どういうスキルが手に入るんだ?」

「大した物ではありません。地面から腕を生やし、狙った相手を掴むという物です」

「ただ、使用場所によって若干特性が変わるがな」


 使いこなすのが難しそうな類いのスキルかな?


「ご飯の準備、出来ましたよー!」

「行こうか」


 チトセさんの声に話を切り上げ、俺達はボス扉の端へと移動した。


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