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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第11章 虹色の奇蹟

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408.狩猟豹獣人のクフェリス

「“変幻刃”!」


 灰色の脚甲、“変幻なるキラーグレイブリーブ”の足裏から黒の刃を伸ばして切り上げたけれど、アルファ・ドラコニアンのボディーには掠り傷程度しかつかない!


「“氷蛇”――“氷獄剣術”、コキュートススラッシュ!!」


 距離を取ってから“氷蛇の刀剣”を氷の蛇のようにくねらせ、中距離から仕掛ける!


『くだらないね!』


 翳した腕からなにかを放っているのか、私の”氷蛇”が完全に止められる!


『チ! この程度も満足に止めていられんとは』


 硬直はほんの数秒。動くようになると同時に私の攻撃を避け、不意打ちを仕掛けようとしたチーター獣人のクフェリスの攻撃も対処されてしまう。


『超能力は半減。身体能力と硬度はまだしも、このアバターでは動きがぎこちない……チ!』


「コイツ……」


 コセ達は、こんな化け物と正面から渡り合っていたのか。


 これで弱体化しているって言うんだから、笑えてくる。


「……フフフフフ!」


『なにが可笑しい、ラビット』


「ちょうど良い相手だと思って」


 ルフィルに負けて以来、ずっと――私の死力を尽くせるような相手が欲しいと思ってたからさ!!


「クフェリスは休んでて良いわよ――“嘆きの牢獄”!!」


 ユニークスキルの力で、絶え間なく氷付けにしようと攻め続ける!


『くだらないと言っている!』


 最初は避けていた蜥蜴野郎も、超能力って奴で迫る凍結のロードを弾き飛ばし続けるように!


 アイツは、コセ達が戦っていたときほど強い不可視の力は使えない――だったら、“嘆きの牢獄”にリソースを割かせれば、付け入る隙はあるはず!


「武器交換――“処刑人のカタール”!!」


 “氷蛇の刀剣”よりも突きに優れた、黒い剣に持ち替える!


「“暗殺眼”――“魔光刃”」


 ”処刑人のカタール”の効果で紫光の刀身を生み出し、高速の突きを放つ!!


『――おのれ』


 胸を狙ったけれど、不可視の力によりすんででズラされ、右腕に掠っただけに!!


 まあ、本命はこっちだけれどさぁ!!



「“回転”――ハイパワーブーメラン!!」



 左腕の“殺人鬼の円鋸”を隠すように身体を捻りながら――死角より放つ!


「チ! しぶとい」


 脇を数センチ切っただけで、また躱されてしまう。


 今、銀か白の障壁が見えたような……。


「“氷獄剣術”――コキュートスストライク!!」


『図に乗るなよ!!』


 カタールでの攻撃にカウンターを仕掛けられ、腹部に爪が入り込む!


「――――ハイパワーローリング」


 貫かれた直後に戻ってきた“殺人鬼の円鋸”改め――“殺人鬼の狂おしや”で、奴の右腕を二の腕部分で切り裂いた!!


『――貴様ッ!!』


「ザマー」


 抉り込まれた爪が抜けると……一気に、血が体外に……。


「“氷獄魔法”――アイスプリズン」


 機械の爬虫類野郎を、氷の檻に閉じ込めてやった。


 今、金色の紋様も見えたような……。


「ハアハア……ハイヒール」


 “嘆きの牢獄”を使い続けたのもあって、MPが心許ない。


 今までのTP回復速度アップ分を、MPに変更し直したいくらいだ。


「なんて無茶を――リンピョン!」


 クフェリスが警戒の声を上げた途端、私が施した氷の檻が砕け散る。


「やっぱ、あれくらいじゃダメか」


 機械の身体は、生身の時と違って修復されていないみたいだけれど、その代わりに痛みで動きが鈍ることもないみたいだ。


『やってくれたな――獣風情がッッ!!』


「選手交代です、リンピョン」


「……しゃーないわね」


 金髪を靡かせた、チーター獣人にトドメを譲ってやる。


 薄い花弁に彩られたような、白いブーメランを使う女に。



●●●



「“儚き桜火”!!」


 神代文字の力を流し込み、強化した炎の花弁をV字のブーメランから吹き荒らす!!


『いい加減にしろ!!』


 見えない力で防がれるも、わざと放出し続ける。


 リンピョンの戦いから、奴を攻略するには一定以上の威力を持つ手数が必要と判断!



「“龍転剣”、“天狗手裏剣”」



 空中に二つの大型ブーメランを浮かべ、両方に神代文字の力を流し込むと同時に――思考のみで操る!


 奴には、“白銀障壁”と“黄金障壁”が備わっている様子。


 ならば、武術でも魔法でもない攻撃手段が有効!


「“回転”!!」


『き、貴様ぁッ!!』


 二つのブーメランによる挟撃により、身体を少しずつ削っていく!!


『――舐めるな!!』


 爆発的な不可視の衝撃波により炎とブーメランを纏めて弾かれ、奴が接近するのを許してしまう!!


「――ぁあああッッ!!!」


 残っていた左腕で”儚き桜火は燃ゆる”の上から殴られ、逃げ場の無い衝撃が脚に蓄積されるッ!


『躱そうと思えば躱せた。貴様の素早さを封じるには、意表を突くのが一番だったというだけだ――フン!!』


 更なる力を加えられ、膝を付かされてしまう!!


「負け……無い」


 ご主人様の――アテルの結末を見届けるまでは、私は死ねない!!


『な!?』


 “儚き桜花は燃ゆる”に業火の如き火花の奔流が吸い込まれ――桜花弁が散り吹雪く黒き転剣――――“儚き桜花は身命を賭して”へと生まれ変わる!!


挿絵(By みてみん)


『十二文字だと!!?』


 恐怖故か、不意に隙を晒す()()()!!



「“神代の転剣”――“身命の業火”ッ!!」



 赤黒い焰を青白い刃に纏わせ――――アルファ・ドラコニアン・アバターへと振り下ろす!!


『や、ヤメロォォッッ!!!』


 見えない力に阻まれた瞬間、無意識に神代の力を炸裂させて突破――機械の身体を……熔かし斬った。


『ほ、本来の身体であれば……貴様らなどにッッ!!』


「殺し、奪い、壊し、消費する事しか出来ない劣等種が、生意気抜かすな」


 何故か、自然と紡がれる冷たい言葉の数々。


「お前達に、生きている価値など無い」


『――貴様ら如きが、我等を愚弄するなぁぁぁッッッッ!!!!』


 負け惜しみを最後に、アルファ・ドラコニアン・アバターは消失した。



●●●



「ハアハア、ハアハア」


『チ! ゲームの仕様とやらのせいで、随分耐えるじゃないか』


 遭遇時にアルファ・ドラコニアン・アバターと名乗ったロボットが、再び光線銃を構えて撃ってきた!


「“不可侵条約”!!」


 “神の朗読”の効果により、浮かせた全ての魔道書に“締結の聖典”の効果を適用させる!


「ク、終了時間までもう少しなのに」


 そろそろ、MPもTPも限界が近い。


『貴様ら家畜が、ご主人様の手を煩わせるなよ~ー!』


「さっきから、意味の分からないことばかり!」


 私もラキも、誰かの奴隷なんかじゃない!!


『黙れ、アクァッホかなにかも分からぬ雑種風情が!!』


 光線を防ぎ続けるも、どんどんTPが削られていく!


「……そんな」


 “神の朗読”の効果が、TPが尽きたことで切れ……全ての魔道書が地べたに落ちてしまった。


『ようやくか、家畜が。つまらない抵抗をしやがって』


 銃口が私を捉えて、光が灯り――死ぬ。



「――“神代の盾”!!」



 いきなり墜落するように飛び込んできた誰かが、光線から私を守ってくれた……?


「間一髪か」


『お前は……――同胞殺しッ!!』


「見た目が似ていると思ったら、やっぱりアルファ・ドラコニアンなのか?」


 男の人が、黄金の翼を生やしたままアルファ・ドラコニアン・アバターに大剣を突き付ける。


「だったら、遠慮なくぶちのめしてやる」


挿絵(By みてみん)


 ……格好いい。


おまけ

挿絵(By みてみん)

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