表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第11章 虹色の奇蹟

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

419/956

399.黒茨の化身


「”猛毒鞭術”――ヴェノムブレイズ!!」

「”冥雷剣術”――ヘルサンダーブレイク!!」



 白髪の美女が振るう凶悪な鞭を、”匠の拘泥り庖丁”に纏わせた黒雷で切り払う!


「ハアハア」

「ハアハア」


 向こうの鞭のリーチと凶悪なデザインのせいで、なかなか間合いを詰められない。


「”爆雷岩”!!」


 指輪から、雷纏う岩球を発射!!


「”溶解魔法”――アシッドバイパー!!」


 緑の溶解液で出来た大蛇が岩を包み込み、爆発を内部で封じ込められた!


「まずい! ”魔法障壁”!」

「”魔法障壁”!!」


 飛び散る溶解液を、互いに防ぐ。


「私と互角……」

「互角? 良いわ。特別に、貴女に私のユニークスキルを見せてあげる」


 ユニークスキル……そんな物があるなら、今までどうして使わなかったの?


「ユウコ様!!」


 下側から、複数のエルフの男達が!


「チ! ”穢れの翼”」


 背中から墨汁のような液体を出して八翼を形成。“消せぬ穢れは憎悪の糧”を展開し、この場を離脱する!


挿絵(By みてみん)


「あの女、私の下僕を傷付けておいて!」


 ユウコ……あの女とは、絶対に相容れることは無いでしょうね。



●●●



「ユウコ様」


 あの女には逃げられたか。


「私も、そろそろ飛行手段を手に入れた方が良いわね」


 ――奇怪な音と共に、なにかが近付いてくる!


「う、後ろだ!!」


「「――ギャァァァぁぁぁぁぁぁ!!」」


 私の下僕達が……ロボットの腕の電動ノコギリによって両断された?


『キヒヒヒヒ!! 綺麗な人形を壊すのは、楽しいなぁぁぁ!!』



「――――――死ね――”黒茨の化身”」



 ユニークスキルにより、この身を黒き棘の巨塊人とする!!


挿絵(By みてみん)


 同時に”黒茨の惨殺鞭”に神代文字が十二文字が刻まれ――金の皺が宿る、”黒神茨の惨殺謳歌”へ!


『な、じゅ、十二文字だと!!? の、ノルディックのゴミがぁぁぁぁぁぁ!!!』


『”神代の千針”――”絡め取り”!!』


 私の鞭で捕獲すると同時に、青白い光を纏った黒針で、鋼鉄の装甲を容易く貫く。


『う……そだ……強すぎ……る』


 クソロボットを引き寄せ、()()()()()()()()()()()()で……刺し潰した。



『――――ギィァァァァアアアアアアアアッッッ!!!!』



『このゲームを仕掛けた奴等を、私は――絶対に赦さないッッッ!!!』



●●●



「”超高速”!! ――”天元侵蝕”!!」


 黒鎧野郎の動きを、”万の巨悪を穿て”に六文字刻むことでなんとか見切る!


「貰った!」


 ――左肩を、光に貫かれた!


「テメー、それは!!」


「ククク! 使い勝手が良いぜ、お前の”レーザーソード”はよ~」


 奪われた俺の愛剣で!


「絶対に許さねー」


「片腕がろくに使えなくなったってのに、強がるんじゃねぇよ!!」


 右腕のみで剣槍を振るい、牽制する!


「……クソ」


 血は出ていないが、動くほど激痛に苛まれちまう。


「”回復魔法”なんざ使ったら、一瞬で殺してやるからな~」


 嫌味な野郎だ。


「”超高速”!!」


 まだ完全に使いこなせているわけじゃねーが――仕方ねー!!


「”天元侵蝕”!!」


 九文字刻んでなんとか斧の一撃を受け切るも、神代文字の光を黒い靄が侵蝕してくる!


「今度こそ、お前の装備を全部俺の物に!!」


「――がぁッ!!?」


 鎧の隙間から、腹に“グレートオーガの短剣”を突き刺したッ!!


「て、テメーッッ!!」


「左腕が使えないと思って、油断したなぁぁ!」


 おかげで左肩がもげそうだぜッ!!


「か、”陽炎”!!」


 蹴りをぶち込んでやろうとしたら、またあの変なスキルによって外されちまう!


「く、クソ。”超高速”ッ!!」


挿絵(By みてみん)



「――“悪穿ち”!!」



 背中を晒して逃げる鎧野郎に、“万の巨悪を穿て”をぶち込んだ!!


「地続きじゃないこの場所で、逃げられるとでも思ったのかよ」


「ち、チクショ……ぅ…………」


 下と上に行くためのプレート階段は二カ所。


 逃げる方向さえ絞れれば、前みたいに外すかってんだ。



●●●



「“斬爪拳術”――ハイパワーブレイズ!!」


挿絵(By みてみん)


 ”猛禽鳥の嘴孔脚”の鋭いつま先で、ジュンイチとかいう軽薄そうな金髪男の頬の肉を抉り取る!


「ぼ、僕の顔にッッ!!」


「そんな大した面でもないのですから、気にする必要も無いのでは?」


「な、なんだと!? ナンパ成功率七十四パーセントの僕の顔を!!」

「私、貴男みたいなヘラヘラしたクソガキっぽい人、好きじゃ無いんですよ」


 ギルマスのように、漢らしくも大人の余裕と少年のような笑顔を併せ持った方が……好き♡


「そもそも、ナンパの目的は身体でしょう? 今までに、一人でも責任を取ろうとしたことはあるのですか?」


 毎回フラれているなら、それはそれで人間として問題があるのでしょうが。


「彼等のレギオン名は《不倫はブランド》ですから、数とか、誰と寝たとか、そういったガキっぽい所に価値を見出しているのでしょう」


 ネクロマンサーのメフィーさんが教えてくれる。


「なるほど。つまらない方なんですね」


 まあ、私の獣人人生も平凡でしたけれど。ギルマスと出会うまでは!


「ふ、ふざけるな! ”三重魔法”!!」


 この男、魔法使いだったのか!!


 鎧を装備しているからてっきり。


「“光線魔法”、アトミッ――」


 魔法を放つよりも早く懐に入り込み、刃の生えたバックル――“貫けぬもの魂のごとし”で喉を切り裂いた。


「やりますね。《日高見のケンシ》に来ませんか?」


 メフィーさんに誘われる。


「すみません。もう、心に決めた方がおりますので」

「そうですか、残念です」


 ああ、いつになったら私は、ギルマスに会えるのでしょうか。



●●●



『ようやく面白そうな輩を見付けたぞ!』


 二足歩行のロボットが、私とパドマさんの前に……重い震動と共に降り立つ。


「もしかして、コイツが強力なモンスターって奴?」


 いや、モンスターじゃなくてロボットじゃん。


「それよりも、喋ったということは……プレーヤーが憑依されているタイプか」


『違うぞ、黒いの。アフリカ人か中東の人間か知らんが、頭の出来は悪いらしいな』


「……私はインド人だ」


『ああ、もういつ内戦が起きてもおかしくないあの国か』


「へ?」


 コイツ、向こうの世界情勢に詳しい……もしかして、観測者?



「フフフフフ――フハハハハハハハハハッッ!!」



 パドマさんが笑ってる。


『……なぜ笑っている?』

「あの国が消えてくれるなら、むしろ清々するわ」


 そう言いながらパドマさんは、片刃の剣に神代文字を三文字刻んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ