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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第11章 虹色の奇蹟

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393.再会と出会いの応酬

「”天雷神の百獣王”!!」

「”煉獄卒の大悪魔”!!」


 襲ってきた女騎士が背後に生み出した雷獣に対抗すべく、こちらも紫炎の悪魔を背後から召喚! 雷光の爪と紫炎の腕が激しくぶつかり合う!


「やるじゃん、お前!」

「偉そうに!」


 “雷属性付与”を施した剣で斬り掛かってきたため、“煉獄は罪過を払いけり”の爪部分で受け止める!


「私の好みじゃないけれど、お前のレア装備とスキルをよこしな!」

「ああ、鬱陶しい!」


 どこの国の人か知らないけれど、こういう奴を、人の命なんてなんとも思ってないって言うんでしょうね!


「――“煉獄鳥”!!」


 振り払って、紫炎の鳥をぶつける!


「“拒絶領域”!」


 私やコセと同じスキルで、“煉獄鳥”を弾き飛ばした!?


「“四連突き”!!」

「“拒絶領域”!!」


 高速で繰り出される突きを女ごと弾き飛ばし――鎧の隙間から腹部に、“煉獄は罪過を払いけり”先端の爪を突き刺す!


「ガ、ガハ!! そ、そんな……」


「地獄に落ちろ――“煉獄魔法”、インフェルノ!!」


「――ぁぁああいやぁぁぁぁああッッッッ!!!」


「ハアハア……アンタの罪は、地獄の底で払ってもらいな」


挿絵(By みてみん)


 私はこの大杖の名前ほど、優しくないのよ。


「勝負は着いたみたいだな」


 二人の男達が、私の前に現れる。


「漁夫の利を狙ってたってわけ……て、アンタは!」


 二十ステージの突発クエストで遭遇した、赤い鎧の高速男!


 それに、もう一人の青い鎧の男は、フェルナンダ達を圧倒したって奴か!


「やっぱり仲間だったのか」

「俺達を知っているらしいな。まあ良い。さっきの女の分も含めて、タップリとレアアイテムゲットだぜ!」


 青い鎧の男も、同じ穴の狢か。



「相変わらずだね、お前らってさ」


 

 誰かが、上から降ってきた?


「お前、キヨミ!?」


挿絵(By みてみん)


 男達の鎧に雰囲気が似た、黄金の鎧を纏うギャルみたいな女。


「お前、奴隷に堕としてやったのに!」


「日を跨ぐ直前に、パーティーリーダーに有り金取られるとは思わなかったわー。じゃなくて、思わなかったっすねー」


「貴女ってもしかして……ザッカル達と行動してるっていう」

「その眼鏡とおっぱいですぐに判ったっすよ、ユリカちゃん」

「おい!」


 私の本体が眼鏡とおっぱいみたいに言うな!


「ハ! 二対一で勝てると思うなよ!」



「私だって居るぞ、虫ケラ共」



 私達と男を挟むように現れたのは、マクスウェルの隠れNPC、フェルナンダ。


「あの偉そうな金髪は、アンタラの仲間っすか?」

「う、うん」


 そっか。この女は新参だから、フェルナンダを知らないんだ。


 コセとアテル達って、元々はフェルナンダを取り合って戦いになったような物なのに。


「お前一人くらい、俺の敵じゃねぇんだよ」

「だったら、私も相手してあげるっすよ」


 青い鎧の男を制したのは、山猫獣人のサンヤ。


 肩に薙刀のような斧、“汚泥斬首の三日月”を乗せている。


「これで、数は逆転だよね~」


「気を付けろ、サンヤ。コイツらは、鎧の効果によりとんでもないスピードで動ける」


「へー、面白そうな能力じゃん」


 フェルナンダの言葉を聞いても余裕そうなサンヤだけれど……どうなる事やら。



●●●



「“桑の園”」


 腕輪の効果を使用し、大量のTPと引き換えに板の上を桑で覆い尽くす。


挿絵(By みてみん)


「“植物操作”」


「は、離せ!」

「ゆ、許してくれ!」

「グォォォ!!」


 同じレギオンに所属していると思われる男達三人を拘束し、絞め殺――



「“溶岩魔法”――マグマイラプション!!」



 大量のマグマが降り注ぎ、三人の男達ごと”桑の園”を燃やし尽くされてしまう!


「まずい!」


 別のプレートに即座に移り、術者を追って上へ!


「私を追ってきてくれたんだ。情熱的ね♡」


挿絵(By みてみん)


 緑のプレートの上に居たのは、帽子を被ったカウガールのような格好の……燃えるような赤髪ロングの女。


「貴女は、いったいなにを言っているのですか?」

「私、貴女に一目惚れしちゃった。きっと、タマコちゃんも貴女を気に入ると思うわけよ」


「せっかくのお誘いですが、辞退させて頂きます」


 タマコという名は、確か例のレギオンリーダーの名前。


「まあまあ、そう言わずに――私の情熱を受け取ってよ! “火炎放射”!!」


 銃のように構えた右手の指先から、炎を撃ち出してきた!


「“泥土の鎧”!」


 水と土を混ぜた泥で身体を覆い、攻撃を防ぐ!


 “泥土の鎧”は特に、炎への耐性効果が高い。


「あちゃー、楽勝かと思ったらちゃんと対策してんだー。さすが隠れNPC」


 時間を掛ければ、不利なのは私。


「“星屑魔法”!」


「“念動術”――パイロキネシス」


 周りで燻っていた炎が燃え上がり、“泥土の鎧”が解けた直後の私に襲い掛かる!


「隠れNPC、エスパーの固有スキル!!」


「良いっしょ、この能力。“念動術”――サイコキネシス!」


「しま――」


 炎を避けるのに気を取られ、サイコキネシスの効果範囲内まで近付かれるのを許してしまった!


「……動けない」


 サイコキネシスにより、不可視の拘束を施されてしまっている。


「ゴメンね。せめて、できる限り痛くないようにしてあげるからね。うん!」


 万事休すですか。


「――チ!」


 女が後退した直後、女が居た場所に”魔力弾丸”が命中する!?


 同時に、私の不可視の拘束も解けた。


「貴女は……」


「《日高見のケンシ》所属のラウラだ、ドライアドのヨシノ」


挿絵(By みてみん)


 水色の長い髪を靡かせた女性……確か、日系ブラジル人の拳銃使い。


「私と遊ぼうよ、ファイヤーカウガール」

「私って、もうちょっと清純そうな子が好みなんだけれどねー。まあ、ちょっとくらいなら付き合ってあげるけれどさ」


 二人の戦いが始まる。



●●●



「“鞭剣術”――ハイパワーウィップブレイド!!」


 女魔法使いが生み出した悪魔を両断する!


「くぅッそ! クソクソクソクソ!!」


 爪を噛み、明らかに様子がおかしい女。


「ありがとうございます、シレイアさん」

「構わないよ」


 リョウのパーティーメンバー、猫獣人のマーリに礼を言われた。


「にしても、“悪魔召喚”のユニークスキル持ちとはね」


「もっと、もっと強い悪魔を! “悪魔召喚”!」


 魔方陣を生み出し、そこにSランクの“深淵の槍の指輪”を放り込んで――Sランク悪魔、ブエルを召喚しやがった。


 獅子の頭から脚が三本生えたふざけた見た目だが、その力は本物。


「も、もっと! “悪魔召喚”!」


 さっき倒したAランク悪魔、グレーターデーモンを二体も呼び出しやがった!


「捧げた供物は二度と戻ってこないって言うのに、よくやる」


 アタシには、勿体なくて無理だね。


「マーリ!」


 やって来たのは、マーリと同じ猫獣人のキューリ。


 マーリの得物はスピアで、キューリの得物はシックルの二刀流か。


 どっちの武器もランクが低いし、Lvも高くない。強制参加のリョウを守るためとはいえ、幾らなんでも無謀だったね。


「さて……」


 この二人じゃ、Aランクの悪魔ですら荷が重いだろう。


 アタシ一人では、この場を切り抜けるのはさすがにキツいか。



「“聖水魔法”――セイントバイパー」



 白水の大蛇が女と悪魔を囲い――守るようにとぐろを巻く!


「どちらも、矛を収めてください!」


挿絵(By みてみん)


 厳かに降り立った白の法衣纏う銀髪女は……レイナ。


 以前の、アタシのマスター。


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