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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第11章 虹色の奇蹟

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388.魔神・恐竜骨

「第三十二ステージのボスは、魔神・恐竜骨。弱点属性は光で、有効武器は鎚。危険攻撃とステージギミックは特になし。ただ、“恐骨鎧”という能力で防御能力を急上昇させるようだ。長期戦になるかもしれない」


 コセさん抜きでの初のボス戦……攻める人数は以前と同じなのに、なんだか妙に不安感が込み上げてくる。


「そう言えば、“鎮魂歌のスキルカード”を手に入れていたはずだな。あれは、アンデッドに有効なスキルだ。誰か使えるだけでも有利になる」

「ここの魔神って、アンデッドなの?」

「あくまで、ここの魔神だけだがな。“鎮魂歌”がどういうスキルか教えてくれ、エルザ」


 エリューナさんが尋ねた。


「自分の周囲に光の円を作り出し、発声をすることで威力、効果範囲内である円を広げることが出来る」


「つまり、上手く発声が出来ないといけないのか。やって見せてくれ」


「へ? ……仕方ない――ぁぁぁぁぁあああ!!」


「綺麗な声ですね」

「もう、エルザが使えば良いんじゃない?」

「無理だ。私はバンパイアと人間のハーフという設定だから、半分アンデッドなのだ」


 設定って言っちゃったよ。


「よって、浄化の効果がある武具やスキルは使用できない」


「なら、発声が一番良い者が使おう」

「私は苦手なんですけれど……」

「私も、歌には苦手意識がある」


「……へ?」


 なんで二人とも、私を見ているの?


「「よろしく」」

「ちょっと、そんなの狡いですよ! クオリアさんだって居るでしょう!」

「円の範囲は発声次第だし、前に出るのが危険なクオリアとは相性が悪い」

「わ、私だって発声は苦手ですよ!」

「仕方ない、一斉にやるか。エルザ、判断を頼む」

「解った。せーの!」


 ――その後、エルザの判断により、“鎮魂歌のスキルカード”を使用するという話は取りやめになった。



             ★



「「「死ね!!」」」


 私達の腹いせのために!!


 発光する赤い石が骨で覆われた人型の肉食恐竜の化石に、各々の攻撃を仕掛けていく!


「“太陽法術”――ソーラーフレア!!」

「“硝子魔法”――グラスレイ!!」

「“蒸発魔法”――イヴァポレイションボム!!」


 エリューナさんは上から、マリナさんは右、私は左から魔法を直撃させる。


「もう使って来たぞ!」


 エルザの言葉の直後、魔神・恐竜骨の身体を――赤く発光する骨の鎧、“恐骨鎧”が覆っていく。


「“血液噴射”」


 エルザが、指輪から血を飲んで自身を強化……あの指輪の血、私のなんですよね。


 回復魔法があるとは言え、注射みたいなので抜かれるのは痛いし、指輪に溜められるのは一回分だけのため、一度使用するとまた補充させられる……。



「“狂血投槍術”――ブラッドジャベリン!!」



 前へと進み出る魔神の胸に直撃するも、ほんの少し後退させただけ。


「“神代の剣影”!!」

「“神代の霊剣”!!」


 エリューナさんとマリナちゃんが、あの力を使って攻撃を始めた!


『カルルルル!!』


 俊敏な動きで腕や尻尾、骨の棍棒を振るい、こちらの攻撃を封じてくる魔神!


 しかも、徐々に私達が後退させられているため、魔神が入り口近くのコセさん達のところに近付く事に!


『カルルルルルル!!』


「まずい、“遺骨魔法”だ!」


 エルザさんの警告の直後、魔法陣が展開され――無数の骨が回転しながら撃ち出された!!


「「ハァァァッ!!」」


 二人の神代の剣鞭と斬撃が、無数の骨を迎撃し続ける!


「お下がりを――“二重魔法”、“瘴気魔法”――ミアズマエクスパンシブ!!」


 クオリアさんにより放たれた黒の瘴気が一瞬で膨れ上がって、無数の骨全てを防いでくれた!



『キュララララ!!』



 二つの靄の裂け目を引き裂くように現れた魔神が狙うは、クオリアさ――後ろにはコセさんが!!


「――――オールセット1」


 ――考えるよりも先に、身体と口は動いていた。


「ニタイカムイ!!」


 “半ベルセルク”のサブ職業を装備して狼耳を生やした私は、カムイ系の能力を行使可能。


 この手の中の武器――“妖魔悪鬼への憤慨”という名のバックパック付きガトリングを全力で放ち続けるには、膂力が必要()()()()!!


挿絵(By みてみん)



「――――くたばれぇぇぇッッ!!!」



 神代文字を限界の六文字まで刻み、“魔力弾丸”の雨を魔神に浴びせる!!


「――オララララララララララララぁぁぁッッ!!!」


 右脚の膝に火力を集中させ――破壊した!!


「今だ、テメーら!!」


「ふ、“吹雪剣術”――ブリザードブレイク!!」

「こ、“光線魔法”――アトミックレイ!!」

「きょ、“狂血魔法”――ブラッドイルミネーション!!」

「オララララララララララララララララララ!!」


 足を止めた骨ドブネズミ野郎をボコボコにぶっ潰し、綺麗な光に変えてやったぜぇぇ!!


「「「…………」」」

「ん、なんだよ?」


 この私に、変な目を向けやがって。


「クスクス。チトセ様は、二重人格者でいらっしゃったのですね♪」


「……あ……お、オールセット2」


 急いでガトリングを消し、人格を元に戻す。


「……あ、アハハハハハ! け、結構厄介なボスでしたね~」


「「「いや、説明して」」」


「……ハイ」



○おめでとうございます。魔神・恐竜骨の討伐に成功しました。


○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。


★恐竜骨の骨棍棒 ★恐骨鎧のスキルカード

★サブ職業:遺骨魔法使い ★恐竜骨の兜



「コセが選ばない限り転移は始まらない。アイツは寝てるし、今のうちに白状した方が良いんじゃないか?」


 エリューナさんが逃がしてくれない。


「へと……私、さっきのガトリングを持っちゃうと豹変しちゃって……内なる自分を抑えられないっていうか……」


「もしかして、あの言動を知られるのが嫌でずっと隠してたんですか?」


「……そ、そうなんですよ~」


 マリナさんに尋ねられるけれど……本当の理由は違う。


 まあ、口調の事を知られたくはなかったのは……その通りなんですけれど。


「な、なので、基本的にあの武器は使用しませんので。MP消費が激しい上に、重くて移動速度も落ちますし!」


 出来れば、薬液銃以外の銃すら使いたくない。


「まあ、そういう事にしておいてやろう」

「どうやら、難儀なマスターと契約してしまったようだな」


 エリューナさんはなんか勘付いてるっぽいし、エルザはなんか呆れてる……ハァー……まあ、遅かれ早かれだったか。



○これより、第三十三ステージの発掘村に転移します。



 もう三十三ステージ……このレギオン、やっぱり凄すぎですよ。


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