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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第10章 混迷の争奪

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372.迷路と鳥の亡骸

「ハアッ!!」


 大地の盾で攻撃を受け止めたのち――神代文字を九文字刻んだ“サムシンググレートソード”で、”古生代バッファロー”の頭を大きく斬り付ける!


 更に顔面から剣を深々と突き刺し、刀身を胸半ばまで侵入させた!



「ハイパワーブレイク!!」



 内側からの炸裂により、“古代の力”による減衰無しでダメージを与える!


「遺跡村の頃よりは楽になったけれど、やっぱり頑丈だな」


 頭から首の奥まで吹き飛ばしたのに、まだ動くらしい。


「吹雪の刀剣!」


 リューナが左腕側に氷の曲刀を生み出し、直接叩き付ける!


「今だ、決めろ!」


「ああ!」


 剣に十二文字を刻み――ボロボロの古生代モンスターを両断した。


「神代文字のゴリ押しで、短期決戦に持ち込めたか」


 狭い通路だから当然だけれど、出て来たのが一体だけで良かった。


 俺達が文字を使えなければ、かなりの難所だったんじゃないか、ここ?


「古生代モンスターに有効な攻撃手段が無いのは、なかなか手痛い――」


 リューナが話している後ろで――いきなり爆発音と爆風が!!?


「おー、ダイナマイト一本で、古生代モンスターを倒せちゃいましたよ!」


 なぜかはしゃいでいるように見えるチトセさん……実はかなり過激な側面を持ってる?


「岩石系に対してダメージ倍で、”古代の力”が発動しないから一発でいけたんだ。凄い!」


 マリナが賞賛しているけれど……俺とリューナはいきなりすぎてビックリしてるよ。


「お、おっかないな。チトセ、”ダイナマイト”はあと何本あるんだ?」

「残り八本です」


 一本で一体倒せるなら、かなり頼れるな。


「今みたいに挟まれても、退路は確保できそうだ」


 魔神にも有効そうなダイナマイトだけれど、さすがに頼らない方が良いか。量産できない今は貴重だし。


「お、宝箱だな。罠解除」


 リューナが迷路隅っこの宝箱を開けると、そこから黄金の翼? が出て来た。


「”ゴルドアーマーウィング”……“黄金障壁”付きのSランクらしい」


 おお……格好いい。


「飛べない今は意味がないけれど、この面子で使うとしたらマリナか?」


「へ、私?」


「いや、どうやらこの翼、鎧を装着していないと装備出来ないタイプのようだ」


 ライブラリで詳しく確認してくれるリューナ。


「そうなると、使用できるのは必然的にコセさんだけですね」

「俺か……なら、“夜鷹の指輪”はマリナに預けたままにしておくか」

「良いの?」


 薬液銃の性質上、チトセさんだと片腕で戦うのは難しいだろうし。


「じゃあ、これはコセに渡しておくぞ」


 リューナから、重い金属の翼を受け取る。


「ありがとう」

「ちなみにその翼、鎧欄に鎧と一緒に装備させておくものらしい。Sランクにしては地味だが、かなり特殊な性質があるな」

「ジュリーやユリカの翼とは、根本的に違うんだな」


 貴重なその他欄を使わずに済むなら、地味にありがたいけれど。


「さっそく……結構重いな」


 空を飛ばない場合は、むしろ邪魔か。


「鎧欄に装備だと、いざという時に自由に出し入れが出来ないのか」


 そういうデメリットがあるなら、装備セット機能で着脱出来るようにしておいた方が良さそうだ。


 これだけに貴重なセット機能を割くのは勿体ない気もするけれど。


「ま、あとで考えるか」


 今はただ外しておく。


「へ……なにこれ?」


 マリナが角の先で見付けたのは、巨大な鳥の亡骸。


「武器交換――“鳥葬のボーンスレイヤー”」


 骨で出来た、軽い大剣に持ち替える。


「なにをする気なの、ユウダイ?」


「三十ステージ以降には、特殊な宝箱みたいなのが出るって言ったろ?」


 鳥の亡骸を特定の武器で攻撃すると、ランダムにアイテムが手に入る。



○謎の鳥の亡骸より、以下のアイテムを回収しました。


★武器ランクアップジュエル×1

★腐った肉×3

★鳥骨×6

★立派な鳥骨×1

★大きな嘴×1

★綺麗な羽毛×4



「骨や腐った肉はともかく、なんでランクアップジュエルが出て来るんだか」

「食べた物が胃に残ってたとか?」


 独り言に付き合ってくれるマリナ。


「なるほど。あとは羽根に引っ掛かってたとかかな?」


 烏とかなら光り物を集めるだろうし……考えられるのはそれくらいか。


 その後も古生代モンスターと戦いながら迷路を進み、宝箱や鳥の亡骸からアイテムを回収していく。



35000(三万五千)Gを手に入れました。

★飛び跳ねの指輪×1

○青銅の大剣を手に入れました。

★白銀障壁の指輪×1

○レーザー杖を手に入れました。

★ルビー×1

○“乾燥した根っこ”×3を手に入れました。

★綺麗な両翼×1

★神官×1

○“古生代の尖盾”(破損状態)を手に入れました。



「破損状態……これは、鍛冶屋で修繕しないと使えなさそうだな」


 この盾には“自己修復”効果が付いていないため、以前の“鉄の短剣”のように修復しないと実体化出来ないようだ。


 まああの時は、壊れたまま“グレートオーガの短剣”に打ち直して貰ったんだけれど。


「うーん、ようやく迷路も終わりか」


 リューナが背伸びをしながら見詰める先に広がっていたのは、朽ちた宮殿と呼ぶのに相応しい煉瓦の巨大構造物。


 中心部分は鈍色の円柱状で、そこに金属の箱が複数くっ付いたかのような見た目をしている。


 その建物と迷路の間のスペースは、安全エリアになっているようだ。


「少し休憩しようか」


 特に俺とリューナは神代文字を使用したため、精神力を大分消耗してしまっている。


「じゃあ、お茶の用意をしますね」

「あ、手伝います、チトセさん」


 二人が風呂敷を広げ、手早く飲み物やお菓子を用意していく。


 俺は少ししょっぱいのが食べたいと思い、チーズを一切れ実体化させて食べ始めた。


「そう言えばチトセ、お前は驚かないんだな。私達が神代文字を使えることに」


 リューナが尋ねた。


「へ?」

「私が出会ったプレーヤーは、文字を刻めるのをチートだと抜かす奴等ばかりだったが、お前は触れようともしないだろう?」


 言われてみれば確かに。


「お前も、実は文字を使えるんじゃないのか?」


「へ……へと……」


挿絵(By みてみん)


 明らかに触れられたくなさそうなチトセさん。


 本来の戦闘スタイルを見せないようにしていることと、なにか関係があるのかな?


「……まあ、無理に聞く気はないさ」

「アハハハ……一応は使えますけれど、私はその武器を使いたくないんです。だから……私は神代文字を使わないと思ってください。そもそも、皆さんみたいに上手く使えませんしね! ハハハ……」


 余程のなにかがあるらしい。


「でも、神代文字なんて言い方するのは知りませんでしたよ?」

「私も、庭園でユウダイ達に会うまでは知らなかったな」


「そう言えばリューナは、よく神代文字の名前を知ってたな」


 俺の場合は、ノーザンが口にしてから、メルシュ達隠れNPCも当たり前のようにそう言うようになったんだったかな?


「私だって、二十ステージでルフィルに出会うまで知らなかったさ」


 この世界の住人の中には稀に知っている人間が居て、そっち経由で知ることが出来るかどうかか。


 やっぱり、メルシュ達はまだまだ隠している事が多そうだ。


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