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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第10章 混迷の争奪

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359.裂罅王の真黄鎧キヨミ

「――“超高速”」


 “裂罅王(れっかおう)の真黄鎧”Sランクの能力を使い、守護戦士達を高速の拳で倒していく。


 “超高速”のインターバル中に武器を振るわれたため、仕方なく腰の警棒――“欺瞞に色褪せた誇り”をジャッと抜いて去なし、膝蹴りで顔面を潰す!



「“紅蓮魔法”――クリムゾンブラスター!!」



 戦士に囲まれている状態で、紅の熱線に襲われた!


「あーッついっすねー……」


 鎧に“黄金障壁”があるとは言え、完全に防ぐタイプの能力じゃ無いってのに。


「化け物め、余程良い装備に恵まれたようだな~!」


 エルフの男らしいけれど、その背後には人魚と獣人の女。


「……エルフって他種族を見下しているイメージがあったっすけど、意外と仲良しこよしなんすね~」


「そうとも、我々は固い絆で結ばれた同士だ。奴等から……レプティリアン共の支配を脱したなー!!」


「へー、そうなんすかー」


 レプティリアン。カオリ達から名前は聞いたけれど……ここでも聞くとはね。


「つまりこの前の突発クエスト、逆転奴隷堕ちの時に自由になった奴等っすか」


 なら、大したこと無さそうだなー。


「時間を掛けるのもなんだし――一瞬で終わらせてやるっすよ」


 “欺瞞に色褪せた誇り”に三文字刻み――“超高速”を使用し、三人の頭をかち割って殺す。


「悪く思わないでくれっすねー」


 とっとと警棒を腰に戻し、最大の獲物を見据える。


「一体は確実に貰うっすよ、大守護戦士の首」


 この警棒に変わるSランク武器が、欲しくて仕方ないっすからね――殺意が芽生える程に。



●●●



「――”指突”」


「ガ……グ」


 隈の酷い女の喉を、“スチールフィンガーガントレット”の指先で突き刺し――引き裂く!!


挿絵(By みてみん)


「ぁぁ……ぁぁ……」


「私を怒らせるから、こういう事になるんだよ」


 光に還って行く女。


 その女の持ってる物全部と一緒に、ようやく”鋼鳥の狂群“を取り戻せた。


「良かった~!」


 ギルマス達から貰った物を、無くさずに済んでさ!



●●●



「――“終末の一撃”!!」


 なんとか丘に辿り着いた俺は、周囲の守護戦士見習い諸共、大守護戦士の一体を“滅剣ハルマゲドン”でぶっ倒した。


「これで、百六十七か」


 ハルマゲドンを“巨悪を穿て”に持ち替えながら、チョイスプレートで数を確認。


「メルシュから昨日貰った黒いピチピチ服、動きやすくて良いな」


 “フレキシブルサポートインナー”、気に入ったぜ。


「もう一体は……向こうで戦っているみたいだな」


 一応、アレも仕留めて――


「暗黒の爪腕!!」


 左腕側に巨大な黒爪腕を出現させると同時に薙ぎ払い、かろうじて何者かを捉えた!


「ハハハ、やるじゃん」


 漆黒の斧を持った男が、黒い鎧姿で現れやがる。


「なんだ、お前?」

「お前みたいな図体のデカい女に、名乗る名なんてねぇよ! ――“超高速”」


 “瞬足”と同等かそれ以上の速度で、自由に動き回ってやがる!


「――“四連瞬足”」


 “巨悪を穿て”に三文字刻み、動体視力や思考速度を上昇――奴の高速の動きになんとか追い付き、黒の剣槍で弾き飛ばす!


「オイオイ、マジかよ……て、ソイツは例のチート能力じゃねぇか! 狡いぞ!」


「知るかボケ!」


 俺だって、まともに使えるようになったのは最近だっての!


 斧と剣槍を何度かぶつけ合うも、押し切れない!


「“裂光爪”!!」


 暗黒の爪腕に光の爪を纏わせ、攻撃範囲を瞬間的に拡大!


「“超高速”」

「この――」


 背後に回り込まれてからの一撃を、爪腕でなんとか止める!



「“天元侵蝕”」



 奴の斧が黒い煙を纏い、その煙に触れているカ所から――俺の爪腕が喰われていく!?


「俺の斧は、“天元侵蝕の木樵斧”、Sランク。触れればどんな物でも食らい崩す!」


「“斬爪拳”――ブレイズスラッシュ!!」


 崩れかけた爪腕で無理矢理薙ぎ払い、ガラ空きになった胸を突きに行く!


「“陽炎(かげろう)”!」


 身体が揺らいで、俺の槍が頭をすり抜けるだと!?


「“衝脚”!!」


 身体の揺らぎが消えると同時に、腹を蹴り飛ばされるッ!!


「ゴブッッ!!!」


「お前の黒い装備は、俺の好みだ~。全部頂くぜー」


 この感じ……突発クエスト直前に感じたのは、コイツの視線か!


「そんな理由で……襲って……」

「それくらいしか、この世界にはおもしれーもんがねーだろうが!!」


 こんなクソ野郎に、やられてたまるかよッ!


「“四連瞬足”!!」


「“超高速”!!」


 俺の高速移動が終わった瞬間の、僅かな隙を突くつもりだな!


「“天元侵蝕”!!」

「――“宵闇瞬足”」


 自身を影のように黒くし、高速で靄纏う斧の一撃を避ける!


「ハイパワースラッシュ!!」

「“陽炎”」


 背後からの一撃を、すんでで外されちまう!


「オらぁぁぁ!!」


 半壊した爪腕で、揺らぎが収まる瞬間を狙う!!


「バカが!!」


 斧に迎え撃たれ――半壊していた爪腕が粉々に。


「終わりだ――ハイパワースラッ――」

「テメーがなッ!!」


 爪腕で左手に隠していた黒い柄から、“レーザーソード”の刀身を伸ばし――鎧の上から右肩に突き刺したッ!!


「――クソがぁぁぁぁッッッ!!!」


 俺を再び蹴り飛ばし、“レーザーソード”が刺さったまま”超高速”で逃げていく男!!


「ざけんな――返しやがれッ!!」


 ――絶対に逃がさねー!!


挿絵(By みてみん)



「――“()()穿()()”ッ!!」



 衝動に任せて投げ放った“巨悪を穿て”改め、“万の巨悪を穿て”は――九十九の黒きエネルギーの槍となって、奴が逃げていく方向へと殺到し……地面に無数の深い穴を作り出した……。


「ハァー、ハァー、ハァー、ハァー……クソ」


 急いでチョイスプレートを操作するも、俺の装備欄から“レーザーソード”が消えている。


「”盗術”で……所有権を奪われたかsj3p」


 文字に意識が引っ張られそうになっているのに気付き、急いで九文字全てを消す。


「ハァー、ハァー……コイツがパワーアップしたのは、唯一の救いか」


 他の奴等みたいに、俺の神代文字対応武器が変化してくれたぜ。


 けれどよ……あの武器は、俺にとって特別な物だったのに……。


「必ず……取り戻してやる」


『す、全ての守護戦士が倒されたため……現時点で、突発クエスト・戦士の洗礼を……終了するわ』


「な、なんとか乗り切れたか……よし」



○もっとも得点が高かった同率一位のお二人に、以下の中から選択した報酬を差し上げます。


★剣 ★槍 ★盾 ★矢筒 ★騎槍 ★斧 ★槍斧

★甲手 ★脚甲 ★鉄球 ★鎚 ★棍棒 ★金棒

            :

            :


「……なんだこりゃ」


 本当に、Sランクが貰えるんだろうな?


 わけが分からないまま、取り敢えず剣槍を選択。



○“絶滅の剣槍”を手に入れました。



「絶滅……なんだこりゃ?」


 そうこうしているうちに、俺の身体は光へと変わりだす。


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