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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第8章 邂逅のケンシ達

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276.ガーディアンキングVSヴリルの真髄

「”白骨火葬”!」

「リバーバイパー!」


 闇の片翼のような物を右の背から発していた古生代ガーディアンダークに、アオイのミズチと私の燃焼の白煙をぶつける!


「「”抜剣”!」」


 同時に剣を抜き、左右から回り込むように駆ける私とアムシェル。


「行け、ノーム!」


 石を飛ばし、動きを封じ込めに掛かるフェルナンダ。


「”光線魔法”――アトミックレイ!」


 弱点属性であるアヤナの魔法が決まり、完全に動きを止めるガーディアンダーク!


 二人共に、手の中の剣に神代文字を九文字刻み――全力の一撃を放つ!



「”暗黒剣術”――ダークネスブレイク!!」

「”光輝剣術”――シャイニングブレイク!!」



 両腕でガードされ、アムシェルの方は腕を半壊、私の方は綺麗に肘から下を吹き飛ばした。


 弱点属性かどうかの差か。


『グォォッ!!』


 無い腕や脚を乱暴に振り回してきたため、後退させられる私達。


「行け!」


 アオイが鞭を操り、”大蛇の石柱の指輪”で生み出した柱を投げつけ、見事に腹にぶち込んで部屋の壁に埋め込んだ!


 ――目の辺りから光線を放ってきた!?


「”追放”――”暗黒剣術”、ダークネスブレイク!!」


 アムシェルが飛ばした斬撃が炸裂し、ビームを防いでくれる!


「決めろ、ルイーサ!」



「”闘気剣”! ――”古代剣術”、オールドスラッシュ!!」



 ”古代の力”が発動しない古代属性の力を聖剣に乗せ、ガーディアンダークを切り裂いた。


『ギ……グ……ォ…………』


「やったな」


 アムシェルが魔剣を鞘に戻し、労いの言葉を掛けてくれる。


「ああ、お疲れ」


 ガーディアンダークが光に変わりだしてすぐに、私達の身体もボス戦直後のように変わり出す!


「すぐに連戦だ。気を抜くな!」


 フェルナンダの言葉に導かれるように、五人全員が一カ所に集まった。



             ★



「”一角水魚”!」


 転移直後に見えたのは、スゥーシャが水の魚を、ガーディアンキングと思われるガーディアンダークよりも一回り大きい古生代モンスターに向かって突撃させる瞬間!


 だけれど、水の魚はガーディアンキングの剣の一振りにより、容易く倒されてしまう!


「”大鬼の手”、”回転”!」


 アオイのスキル、灰色の凶悪の手が拳を作り、回転しながらガーディアンキングに接近し――左腕の盾に阻まれた!


「”太陽魔法”――サンピラー!!」

「”光線魔法”――アトミックシャワー!!」


 マリサとデボラによる上空からの無差別魔法が、ガーディアンキングを襲う!


「”死霊術”――マサン!」


 メフィーが、熱気を放つ黒い鬼のような男を魔方陣から出現させた?


「足止めを!」

「”精霊魔法”――シルフ! ウンディーネ!」


挿絵(By みてみん)


 フェルナンダと共に、ガーディアンキングの牽制を担ってくれる二体の精霊。


「無事か!」

「私達も、さっき転移してきたばかりだ。それより……」


 三体から攻撃を受けているガーディアンキングの周りに、先程のメフィーと似た魔方陣を八つも出現させ、そこから古生代モンスターと思われる一メートル程度の小さな兵士を呼び出した!?


「”古生代ポーン”。もっと上のステージでしか出してこないはずなのに! やってくれたな、観測者!」


「言っておきますけど、私が設定したわけではありませんからね!」


 デボラ……もしかして、このステージの元担当だったのか?


「アレを全て倒すと、更に強力な古生代モンスターを出してくる。ガーディアンキングに集中して攻撃するぞ!」

「分かった!」


 ゲーム経験者らしきマリサの言葉に従い、ガーディアンキングに狙いを定める私達。


「デカいので少しでも削る! ”二重魔法”、”光線魔法”――アトミックレイ!」


 アヤナの魔法の大半が盾で防がれるかと思われたその時、”古生代ポーン”四体が進み出て壁となった!?


 しかも左右から二体ずつ、残りのポーンが突撃してくる!


「優秀な思考ルーチンをお持ちのようで!」

「面倒な真似を!」


 マリサとデボラが焦っている。


「”絡め取り”!」


 鞭で”古生代ポーン”の一体を拘束するアオイ。


「コイツは私が拘束しておくから、今のうちに!」

「私が他のポーンを仕留める!」

 

 リリルが、率先してポーンを仕留めに行ってくれる。


「”幻影の銛群”!」


 スゥーシャの神代の力が宿った六つの白銀の銛が、ガーディアンキングを翻弄!


 盾になってボロボロの”古生代ポーン”は、フェルナンダの二体の精霊とメフィーの黒い鬼に襲い掛かっていく。


「「”古代剣術”――オールドスラッシュ!!」」


 私とアムシェルが、ガーディアンキングのそれぞれ左右の脚の半ばまで斬り込ませる!


「「”古代剣術”――オールドブレイク!!」」


 内側から炸裂させ、両脚を判壊!


「”二刀流剣術”――クロススラッシュ!!」


 マリサの金と銀の刃は、盾で防がれてしまう!


「クソッ!!」


 大剣をガードするも、そのまま吹き飛ばされてしまうマリサ!



「どきなさい! ”二重魔法”、”靈王魔法”――エナジーブラスト!!」



挿絵(By みてみん)


 緑の雷のような物が収束し、ガーディアンキングに二つとも直撃した!


 放ったのは……デボラか。


 魔法の雰囲気や名前からして、”星屑魔法”のようなユニークスキルの類か?


「MPが……チ、”激情の法則”!!」


 デボラから強力な光と衝撃波が迸り、ガーディアンキングに炸裂……する前に”古生代ポーン”が盾となって防いだ!


「”連結”!」


 マリサが例のチート文字戦法を使用して接近するも、迎撃しようとするガーディアンキング――だったが、スゥーシャの銛が四肢に刺さって動きを一瞬止めた!


「ハアハア、ハアハア!」


 ガーディアンキングの身体を、マリサが袈裟斬りにする。


「まず!」


 アオイが拘束していた”古生代ポーン”が抜け出し、自らリリルの投げた剣に突き刺さった!?


「まずい、新手だ!」


 ポーンが全て倒された事で、僧侶のようなタイプと馬面の騎兵が二体ずつ出現!


「もしかして、チェスがモチーフなのか?」


 だとすると、他にルークが二体にクイーンが一体控えている事に!


「”抜剣”、”追放”、”暗黒剣術”――ダークネスブレイク!!」

「”二重魔法”、”聖水魔法”――セイントスプラッシュ!!」


 アムシェルとスゥーシャにより、ビショップとナイトが一体ずつのみに!


『グォォォッ!!』


 右側の上半身のみとなったガーディアンキングが剣を振りかぶり――強大な斬撃を放ってきた!?


「――シールドブロック!!」


 ”盾術”の防御特化、シールドブロックを使用し――”聖遺物の鞘盾”で耐える!


「――――クソ」


 あまりの威力に盾が弾かれ、身体が暴威に呑まれてズタズタに……転がっていく。


「…………ッ」


 身体が……自分の物ではなくなったような感覚。


 痛みも暑さも冷たさも感じるのに、それが酷く他人事。


 まるで、肉体はそもそも私では無いのだと諭されているかのような――――



「死ぬな、ルイーサ!! ”高周波再生”!!」



 誰かの必死な叫びと、温かな光……強い耳鳴りも。


 沢山の応援する、言葉にならない声援を掛けられているような――――まだ、私にはやらなきゃいけない事がある。


 そう思った瞬間、身体と魂が今まで以上に一体化したような感覚を覚え、力が漲ってきた!!


「行くぞ――ヴリル!」


 ”ヴリルの聖剣”を”聖遺物の鞘盾”に収めた瞬間、二つの武具の形状が生まれ変わる!


「――”抜剣”」


 二人の乙女が祈りを捧ぐ意匠が刻まれた”ヴリルの聖骸”へと生まれ変わった盾から、”ヴリルの祈りの聖剣”を抜き――”聖剣万象”による宇宙光を纏わせる!


挿絵(By みてみん)


『グォォォォォォッッ!!』


 再び繰り出されるは、長大な斬撃。


 それに対し、私は己が聖剣に()()()()を刻んで――正面から斬撃を切り裂いた。



「消えなさい――――”光輝剣術”――シャイニングブレイド」



 宇宙と地上の光が融け合った聖なる刃を幾重にも振り下ろし――ガーディアンキングを、静かに光へと変え終える。


「……ルイーサ?」


 リリルの声が耳に届いた瞬間、私の静かな世界は崩れ始め――意識が遠退いてい……く…………。


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