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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第8章 邂逅のケンシ達

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275.蒼紅の炎刃

「ここが最後の別れ道だ」


 およそ十二時間掛けて、ようやくボス部屋前の最後の難所に辿り着いた私達。


 その私達の目の前にあるのは、三つの別れ道。



○真ん中:王の守護者が待つ部屋。

○右:闇の守護者が待つ部屋。

○左:光の守護者が待つ部屋。



「これって、罠なんですよね?」


 スゥーシャが尋ねてくる。


「右と左、どちらに進んでも王の守護者と戦わなければならない。だから、楽をするなら真ん中に進んで王の守護者、”古生代ガーディアンキング”だけを倒せば良い」

「ただし、左右の部屋に居る古生代ガーディアンを倒してからガーディアンキングを倒せば、報酬が上がる。ちなみに、左右に進む場合パーティーごとに挑まなければならない」


 フェルナンダを補足するマリサ。


「でも、二つのレギオンの人間がそれぞれパーティーを組んだ状態で進めば、ガーディアンキング戦を共に戦うことも可能になります」


 ネクロマンサーのメフィーが説明してくれた。


「正直、私達だけだとここまで来るのも大変でね。そこらの古生代モンスターよりも強いガーディアンとの連戦はキツくて、ガーディアンキングだけにしようかと悩んでたんだけれどさ」

「そこに私達が現れたから、共闘することでより良い報酬を得ようって魂胆か」


 私がマリサに確認する。


「ガーディアンキングだけを倒した場合はAランク。連戦で二体を倒した場合はSランクを、パーティーリーダー一人につき一つ手に入れられるわ」


 デボラが解説した?


「本当は同じレギオン同士でも良んだけれど、第十六ステージに人数を割く事にしちゃったからさ。向こうの方が色々手に入るって事で」

「我々は、突発クエストのお陰で一人一つ以上の割合でSランク装備を持っているから、優先度は低かったんだ」


 マリサとアムシェルが、向こうの事情まで色々……まあ、こちらも似たような理由で第十六ステージに人数を割いてはいるんだが。


「別のレギオン同士だと、パーティーメンバーを混ぜる必要があるんでしたね。分け方はどうします?」

「連携の兼ね合いもあるし、一人だけで良いだろう。というわけで、行ってこい、アムシェル」

「ああ、任せろ」

「なら、私が向こうに行きますね」


 メンバーについて尋ねたスゥーシャ自ら、マリサ達のパーティーに入ると言い出す!


「良いの、スゥーシャ?」


 アオイが尋ねる。


「私以外の四人は長く一緒に攻略して居るようですし、その方が連携が取りやすいかと」


 言うほどフェルナンダは加入してから長くないんだが……確かに妥当な提案だった。


 こうして、アムシェルとスゥーシャを交換し、私達は右へ、マリサ達は左へと進む。



●●●



「来たね」


 ルイーサ達と別れてほんの一、二分後、ちょっとだけ広い空間に出ると、後光を携えた人型古生代モンスターが虚空から出現。


 古生代モンスター特有の、煉瓦を積み重ねたような三メートルを超える巨体……古生代ガーディアンライト。


「アレの弱点は闇なのに、なぜアムシェルを行かせたのよ!」


 デボラが喚く。


「うん? まあ、なんとなく?」

「なんとなくって……度し難いわね」


 理屈で判断するより、平常心で勘に任せた方が上手くいくからね~。


 デボラみたいなタイプには……大抵の人間……特に理屈で物事を判断しがちな男には、理解しがたい感覚だろうけれどさ。


 《日高見のケンシ》のメンバーやルイーサ達は、私の感覚をよく分かってくれそうだったのになー。


「まあ、私がその分頑張れば良いだけだし」


「初手は私が! ”幻影の銛群!」


 スゥーシャが左手に持っていた大銛を浮かせ、六つに増やした?


「行って!」


 ”古代の力”を発生させずに、六つ全てを突き刺す!


 銛を増やしただけで、スキルや効果で攻撃した扱いにはなっていないって事か。


 しかも、手持ちの白い三つ叉の銛から、神代文字の力を流し込んで強化しているし。


 あの技術、私達のレギオン内でも出来るのは数名なんだけれど。


「”深淵槍術”――アビスストライク!!」


 更に銛を深々と突き刺し、ガーディアンライトの四肢に大きな亀裂を生むスゥーシャ!


 キジナ……アンタの妹、聞いていたよりもナチュラルに凄いのだが?


「”太陽法術”――ソーラーレイ!!」


 太陽光を放ち、動きが止まっていたガーディアンライトにぶつける!


「”光線魔法”――アトミックレイ!」

「”暗黒魔法”――ダークネスレイ!」


 デボラとメフィーが線光系の魔法を放ち、援護してくれる。


 なんだかんだで、デボラはレギオンに貢献しようとはしてくれてんだよねー。個人の戦闘能力は一番低いけれど。


 私とリリルが同時に駆け、先にリリルが仕掛ける。


「ハッ! ――”高周波滅”!」


 利リルが投擲した二本の短剣は右腕に阻まれるも、刻まれた神代文字のお陰で突き刺さり、内側から効果を発動する!


 お陰で右腕は半壊し、使い物にならなくなった!


「――”連結”」


 右手の”覆われし太陽の金光”と”覆われし太陽の銀光”の柄頭を組み合わせ、神代文字が十八文字になったと――世界に誤認させる!!


『グォ……ォォ…………』


 左腕を一閃し、ガラ空きになった胴体を袈裟斬りに。


「……チ、浅かったか!」


 間に合わなかったようで、胴体を斬っている最中に九文字分に認識が戻ってしまったらしい!


「いっツ!!」


 二秒程度とはいえ、身の丈に合わない力は身を滅ぼすってか。


 今日はもう四度も使用しているし、あと一回は使わさるだろうから取っておかないと!


 とはいえ、連戦になるのも考えれば、あんまり時間を掛けるのも良くない。


「”分離”、武器交換――”蒼紅の双炎剣”!」


 ”覆われし太陽の銀光”を、蒼と紅がにじり混ざった色合いの双剣に持ち替える!


「”蒼炎の刃”」


 蒼紅の炎を刀身に纏わせ、切れ味を強化。


 ”古代の力”は、古代属性には反応しない。


 とはいえ、古生代モンスター自体が古代属性に対する耐性を持っているから――一度で最大火力を叩き込まないと!


「”分離”」


 ”覆われし太陽の金光”を腰に吊るし、分離させた”蒼紅の双剣”を両手で握る!


「”光線魔法”――アトミックシャワー!!」


 後退する私を追撃しようとしたガーディアンライトを、デボラが足止めしてくれた!


「ナイス!」


 ”覆われし太陽の金光”から”蒼紅の双炎剣”に神代の力を流し込み、最大限の強化を図る!



「”聖水魔法”――セイントバイパー!!」



 白い水の大蛇がガーディアンライトに纏わり付き、完全に動きを止めてくれる!


 スゥーシャ……魔法そのものも、神代文字で強化しているのか!?


「今です!」

「おう! ”瞬足”!」

 

 交差するように振りかぶりながら、前に出る!



「”二重武術”、”古代剣術”――――オールドスラッシュ!!」



 全身に罅が入っていた古生代ガーディアンライトを、X字に切り裂いた。


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