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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第6章 人類の起源

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213.苛まれる者達

「サタちゃん! 黒ピカ! モモカちゃんを守って!!」

『クェェェ!!』

『我が輩に任せるが良い!!』


 ムカつくけれど、こういうとき黒ピカは頼りになる!


「サキ、私も戦う!」

「ダメよッ!!」

「ヒッ!!?」


 しまった……怖がらせてしまった。


「ローゼとマリアも、全力でモモカちゃんを守るのよ!!」

「……そうね」

「分かった」


 ユニークスキル、”命の人形”によって人間のように思考できるローゼ達バトルパペットは、自分達で考えて行動することが出来る。


 だから、主に逆らってでもモモカちゃんを守ろうとするはず。


「石柱召喚!! ”絡め取り”!」


 ”大蛇の石柱の指輪”を使って柱を出現させ――”怪物強化の鞭”で投げ飛ばす!


『『ギェェェッ!!』』


 只の重い石による攻撃だけれど、この質量、そう簡単には抗えないでしょ!


 現に、障壁の効果を発動できずに二体のパラディンリザードマンが圧死した。


「相手がレプティリアン種である以上、小さい子以外は食べないはず」


 歳を重ねれば重ねるほど、自然界にある物だけでは摂取する可能性の低い、抽出されて作られた様々な毒素を溜め込んでしまうため、奴等は幼い子供以外は基本的に餌と見做さない。


 私がいた競馬村の奴等は、かなり地球人寄りの遺伝子持ちだったようだから、食人行動には出ていなかったみたいだけれど。


 そもそも、知的生命体……いわゆる人類を食らおうというのが、魂が低周波に、遺伝子レベルで堕ちた証。


「”磁力”、”回転”!!」


 黄昏色の八翼で飛びながら、金星球で着実にパラディンリザードマンを屠っていく私のマスター。


 三文字だけだけれど、一翼に刻むことで黄金球を強化し、潰していた。


 直接刻んだ武具程ではないけれど、間接的に力を纏わせることで威力増強は可能。


 まだ教えた事の無い文字の活用法を、不完全とはいえ本能的に成功させるなんて。


「”避雷針”、”雷光”!」


 緑の両刃剣に、マスターが雷を纏わせる!


「”雷光斬”!!」


 私達を突破しようとした二体を、雷の斬光で切り裂いてくださる!


 サタンドレイクのサタちゃんの尻尾の薙ぎ払いと、エレメンタルガーディアンの黒ピカの武器による攻撃で、リザードマンが一カ所に集められた?


「くたばりなさい!! ”回転”!」


 ローゼが振るった鎖の先端に取り付けられた”ドリルアタッチメント”により、パラディンリザードマン七体が鎧ごと胸に孔を空けられ……消えていく。


 この調子なら、アルファ・ドラコニアン以外はどうにかなるとは思う。


 問題は、ドラコニアンに対抗するには、科学的に附与されたあの念能力を、正面から打ち破る力が必要と言うこと。


 この世界の法則の恩恵を受けているのか、あちら側の世界で戦うよりも、明らかに身体能力が強化されている点が地味に厄介だし。


 でなければ、神代の力をあれ程引き出したコセさんが押されるはずがない。


 ――鞭で一体のパラディンリザードマンの体勢を崩し、首に”ダマスカスナイフ”を走らせながら呟く。


「頑張ってください、コセさん」


 私達隠れNPCでは、念能力に対抗するのは難しい。


 だからもう、大いなる意志に強く干渉出来る者達に……全てを托すしかない。



●●●



「”颶風魔法”、ストームダウンバースト!!」


 メグミちゃんを庇うように、圧倒的強さを持つ化け物と戦うコセさん。


 メグミちゃんもコセさんも……あんな相手に自分から向かっていけるなんて。


 私は恐くて……震える身体をなんとか律して、己の役目をこなしている状況。


 本当なら、早くメグミちゃんに駆け寄って、治療してあげるべきなのに!!


「……サトミ、リンピョン、ここはお願いします」

「クリスちゃん?」


 今、訛りのない流暢な日本語で話したのは……クリスちゃんなの?


「メグミさんをお願いします!」


 私と違って、恐怖せずに必死に抗っているリンピョンちゃんが……クリスちゃんに托す。


「オケ、任せてください!」


 薄緑の片手斧を持ったパラディンリザードマンの手首と喉を、”薔薇騎士の剣”で素早く裂いて駆け出すクリスちゃん。


 私は……なにも言えなかった。


 ……こんなんだから、コセさんに嫌われるのかしらね。



●●●




「――”終末の一撃”ッ!!」



 ザッカルが巨大な黒剣を手にしたと思ったら、パラディンリザードマンの群れの中に”跳躍”で飛び込んで――――なんか凄い攻撃を繰り出した!!!?


「へ……今のなに?」


 たった一撃で、二、三十体纏めて吹き飛ばしちゃったんですけど……。


「ちょっと使い勝手の悪い、Sランク武具って奴さ。それよりもカナ、メルシュ達の援護に行くぞ!」

「へ、ええ!」


 二人で駆け出し、すれ違い様にリザードマンの首を刎ねていく。


 ……この数日で、とんでもない人達と組んだんだなとは思っていたけれど…………良くも悪くも、日に日に認識が上方修正されていくんですけど。


 ……私なんかが、このレギオンに居て良いのかな。



◇◇◇



『クソォォォォォォォッ!! あの黒い獣人女、今回の突発クエストに組み込めた数少ないSランク武器、”ファンタズムハープン”を使う前に潰しやがった!!』


 面倒だからランダム装備させた、”雄大なる大地の風”、”聖遺物の鞘盾”、”煉獄悪魔の滾り翼”、”破天の巨鎚”、”混沌の剣の指輪”、”砲火剣・イグニス”、”アイスコフィン”、”ゲイルサイズ”、”アジュアバックラー”まで奪われた!!


『このままの勢いだと、全てのパラディンリザードマンを倒されてしまいそうだし……いや、落ち着け。どうあろうと、奴等にアルファ・ドラコニアンを倒せるはずがないんだ!』


 あのクソ蜥蜴には、Sランク武器の”愚劣な無我の境剣”を持たせてやっているしな!!


『そうさ……どれだけのレアアイテムを手に入れようと、このクエストをクリア出来なければ関係ない!!』


 たとえクリアされたとしても、何人か……あのコセとかいう小僧だけでも始末してくれれば!


 でなければ……わざわざオッペンハイマー様に頼んでまで、宇宙最強の戦士を投入した意味が無いんだよッッ!!


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