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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第6章 人類の起源

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206.ガールズトーク?

 エレクトリックメガイールの討伐ノルマ達成後、ボス部屋前へと繋がる洞窟手前の安全地帯から、”神秘の館”へと戻ってきていた。


「……世界を滅ぼす?」

「私達のいた世界まで?」


 メルシュと俺、ジュリーから話を聞いたカナとクマムが驚いている。


「デルタを倒すことが出来る……だから姉さんは、あの人達に気を許して行動を共にしているんだ」


 スゥーシャは意外にも、得心がいったとでも言いたげな顔をしていた。


「世界が滅びる……良いかも」


 カナが、なにやら危ない事を口走っている。


「今日の夕食は、電気ウナギのあぶり焼きよ~♪」


 サトミさんが空気感をぶち壊し、リンピョン達と一緒にご飯を運び始めた。


「……美味そう」


 最近は自然とお肉や魚を避けていたけれど、この脂身タップリの肉厚ウナギはガッツキたい!


「このお肉があの巨大ウナギ……今更ながら、自分達が生き物を食べてるって感じがしてくるわ」


 ユリカが、珍しくしおらしい事を口にしていた。


「私は……ちょっとこれは遠慮したいんだが」

「ダメよ、メグミちゃん。好き嫌いせずにちゃんと食べないと。普段からお肉を食べないんだし、いざという時パワーが出ないわよ♪」

「ああ……まあ、そうだな」


 メグミさん、サトミさんに対してなにか言いたげだったが、たぶん聞き入れて貰えないとでも思ったんだろうな。


 一昨日のメグミさんの言葉で思った事だけれど……おおらかそうに見えるサトミさんが、実は誰よりも心に余裕が無いのかもしれない。



●●●



「それでそれで、たった二人で雄大な河の上で、いったいどんな破廉恥な事をしていたの~♪」


 各々が寝室に消え始めた頃、リビングでサトミに捕まってしまった可愛そうなタマとスゥーシャ。


「べ、別に私達は……」

「は、破廉恥だなんてそんな……」


 ……タマにスゥーシャ……二人の恥じらう顔、可愛すぎるぞ!


 サトミじゃないけれど、これはからかいたくなってしまう!


「女同士だからって恥ずかしがる事ないんですよ、二人とも。私はサトミ様を愛してますし!」


 なんの臆面もなく、愛してる宣言してしまうリンピョン。


「同性婚ですかぁ。わたぁしも、一定の理解はあるつもぉりです! 応援しまぁす!」


 クリスが話をややこしくしていく。


 ……あれ、アメリカって同性婚認められてたっけ?


 まあ、あっちは州ごとに色々勝手が違うようだから、ちょっと分からないな。


「わ、私は……ふ、普通に男の人が好きです……し」

「た、タマも……その」


 タマは前から薄々気付いていたが、スゥーシャも意識している相手が居そうだな。


「二人とも、コセさんが気になっているようね。フフフフフ!」

「ワオ、コセ、モテモテです。私が住んでた州、重婚は認められてませんでしたぁけれどぉ、ドキュメンタリー見たら、大変そうぅでした」


 さすがアメリカ。重婚が認められている州もあるのか。


「日本人だと……どこの国に移住しても重婚は認められないけれど」


 いきなり乱入してきたのはユイ。ハーレム大好きなムッツリスケベ侍。


「て、なんでそんな事知ってるんだよ!」


 まさか……調べたのか?


「うち、母親が四人……三人居たのに結婚してなかったから、不思議に思って……」


 ――家庭環境が特殊過ぎる!


 調子に乗った馬鹿野郎が築きそうな人間関係じゃないか! ……それを言うと、コセもその一人になってしまうけれど。


「わ、私はそんな……♡」

「コセ様に思慕の念を抱くなんて……畏れ多いです♡」


 タマは、いったいコセをどれだけ美化して見ているんだ?


 ……まあ、穏やかでありながら、いざという時苛烈な決断を下せる事には一定の敬意は持てるけれど。


 ――ふと、左手薬指の指輪に視線を向けてしまう。


「メグミちゃんは、相思相愛で良いわよね~♪ なにせ――”最高級の婚姻の指輪”を貰ってるんだから」


 ――サトミ……笑顔なのに笑顔じゃない。


「それでは皆様、おやすみなさい」

「おやすみなさいです」


 スゥーシャとタマが、一瞬の隙を突いて逃げ出した!?


「ちょ!」

「ウフフ。せっかくだし、今夜は、メグミちゃんがコセさんを本当はどう思っているのか、聞き出しちゃおうかしら~♪」


 ……サトミ。そういうところだと思うぞ、コセが嫌がってるの。



●●●



 ……コッソリ話を聞いてたけれど、大体みんなあの男の子……コセに気がある様子。


 サトミって人はどこまで本気なのかよく分からないけれど……この集団の中心は、間違いなく彼。


 私と同じHSPらしいけれど、知れば知るほど、正直信じられない。


「なんか……悔しいな」


 私と違って、沢山の人に認められて……必要とされてるのが…………悔しい。



●●●



「ハアハア。怖かったですね、サトミ様」

「そうですね。サトミさんは圧が凄くて、ちょっと苦手です」


 私は人見知りする方ですけど、サトミさんの雰囲気は特に苦手です……正直、アヤナさんも。


「「あ……」」


 スゥーシャさんと視線が合うと、昼前の記憶が蘇って……頬が熱くなってしまう!


 凄く柔らかくて、あったかくて……情熱的なっっっ♡♡!!


 スゥーシャさんも恥ずかしそうで……余計に気恥ずかしい♡


「どうしたんだ、二人とも?」


 ――コセ様が、寝間着姿で現れた!?


「こ、コセ様……今日はノーザンさんとナオさんとお眠りになるはずじゃ?」


「お眠りにって……実は、モモカが急に二人と寝たいって言いだしてな」


 じゃあ、今夜は珍しく一人……な、なにを想像してるんだろう、私!!


「で、では、今夜は私達が(しとね)を共にさせていただきます!」


 ……へ、私も?


「へと……スゥーシャ? 婚姻の指輪の件なら気にしなくて良いんだぞ?」

「こ、コセ様は、私達の事がお嫌いでしょうか!!」


 スゥーシャさん! これじゃあ、お姉さんが言っていたとおり、男に媚び諂っているみたいですよ!?


 ていうか、さっきから何で私を全力で巻き込もうとしてるんですか!!


「もしかして……タマもその気なのか?」



「………………ハイ♡」



 このチャンスを逃したくない!! そんな感情が込み上げて……私にそう言わせていた。


 それに……指輪のランク、ユリカさんが最高級になったのに、私だけ変わらなかったの…………少しだけ悔しかったし。


「不相応とは思いますが、私みたいな人形女でよろしければ」


 自分と向き合うようになってから、自分に対して人形というイメージを抱くようになっていた。


 コセ様の事を考えているときは、人形という役目から脱していられる気がする。


「不相応とは思わないけれど……七人も居るんだぞ?」

「その末席に加えていただけるなら」

「神代文字を十二文字引き出せる時点で、コセ様の血は王家よりも貴いのです!」


 スゥーシャさんが、なんだか大袈裟な物言いをしているけれど……私にも、漠然と似たような感覚はあったかな。


「……二人のこと、大切にするよ」

「「ありがとうございます!!」」


 これで、()()()()()()()()()()()()()()!!


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