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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第6章 人類の起源

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201.新しい……仲間?

「”大鎌術”――ハイパワーサイズ!!」

「”跳躍”!」


 妖艶な美女に変わったと思ったら、さっきまでのオドオドが嘘のように消え、鋭い攻撃を放って来るカナと名乗った女性。


 ”紫雲猿の靴”で空中を踏みしめ、ターンしながら頭を蹴りに行く!


 見た目は黒脚甲が優先されているけれど、ちゃんと”紫雲”も使用可能。


 ――脚を、左腕の蜘蛛のような甲手で足裏を掴まれた!!


「さっさと消えなさいよ!」

「”爆走”!」


 振り回されそうになった瞬間、”爆走のロイヤルグリーブ”から黒い煙を衝撃波と共に発生させ――彼女の手から逃れる。


「”蜘蛛網”」


 黒煙が一瞬変な動きをしたと思ったら――蜘蛛の巣が飛んできた!?


「く!」


 身を捻って避け、煙から距離を取る。


「……居ない?」


 凝視しているうちに煙が晴れ……そこに、彼女の姿はなかった。



●●●

 


「……やっぱ、他人と関わるなんてバカだったわね」


「こらこら、勝手な論理を振りかざすなよ」


 トゥスカが仕掛けてすぐに反対の方向に回り込んで、林の前で待ち構えていた。


 武器の装備は外してある。


「バカみたいに暴走してないで、少しくらい話を聞いてくれ」


 ちょっとイライラしてしまってるな、俺。


「大分キレているみたいね……なるほど、私を油断させて殺そうって腹か」


 この女、本当にHSPか? コッチの感情を読み取るのは良いけれど、導き出した答えが明後日の方向を向きっぱなしなんですけれど?


「……よくよく考えたら、このまま逃がしても良かったな」


 逃げられると追い掛けたくなる……という奴だろうか?


「ハァー……ごめん、行って良いよ。じゃあな」


 関わると面倒くさそうな人だし、無駄な時間を使ってしまった。


「ふ、ふざけないでよ!」

「へ?」

「さんざん人の気持ちを弄んでおいて、只で済むと思ってるの!!」


 そこまで言われるような事、した覚えありませんけれど?


「可愛い女の子を連れてるから、コッチは頑張って声を掛けたって言うのに!」

「まあ、その頑張りは汲むけれどさ」


 それでこんなややこしい事態になってたら……さすがに同情する気になれない。


「年上相手に悪いけれど、ちょっとお仕置きが必要かな」


 同じHSPとして、色々恥ずかしいし。


 まあ、本当にHSPなのかどうか怪しいけれど。


「行くぞ」

「素手で挑むつもり? ――舐めんな! ”二連瞬足”!!」


 魔神・爪虎から手に入るスキル、だったか?


 ――文字を”偉大なる英雄の鎧”に刻み、胴を狙った横払いを青いオーラを纏った右手で受ける。


「クソが! ”影魔法”、シャドーバインド!!」


 影から黒い触手が這い出てきて、俺に纏わり付いてきた。


「――ハッ!!」


 ユイから学んだ気合いの込め方を応用し、神代の光を弾かせて影を吹き飛ばす!


「どんなスキルよ!」


 本当に、最初のオドオドした女はどこに行ったんだだか。


「こうなったら!」

「――動くと、喉をかっ切るぞ」


 バトルパペットのマリアが、カナの背後から黒いナイフを喉に当てていた。


 即死効果を持つ”陰惨なナイフ”、Aランクだったか。


「――ああああああああああああああッ!!」


 武器を捨てると……今度は叫びだしたよ。


「コセ、大丈夫?」

「ああ、問題ないよ。ありがとうな、モモカ。マリアも」

「人形に礼を言うなんて、変な男だな」


 マリアはどこかドライというか、荒んでいる所があるよな。


「さて……この女、いったいどうしてくれよう」

「取り敢えず、奴隷に堕とすというのは?」


 メルシュとトゥスカが、物騒な話をしている。


「奴隷を買える場所じゃないと故意に奴隷に堕とす方法は無いし、取り敢えず持ち帰って身の程を教えようか」

「そうですね。私にも手伝わせてください、メルシュ」


「トゥスカ達……モモカも手伝う!」

「仕方ないわね、私の素敵な洗脳術を披露してあげるわ!」

「拷問するなら手伝うぞ」


 モモカとローゼ、マリアまで、なんか乗り気だし!



             ★



「ざっと一周りしてきたけれど、この村に他のプレーヤーは居ないようだね」

「でも、リアルハーレムの人は遭遇したんでしょ?」


 玄関でシレイアとユイを出迎え、簡単に情報交換する。


 二人には、モモカの両親捜しを手伝って貰っていた。


 見た目の特徴は判らないけれど、ノルディックとかレプティリアンとかほざけばすぐに判るだろうと考えて。


 この村、虫だらけだからか人気がないのかも。


 売ってる食べ物、虫ばっかりだしな。


「まあ……」

「で、その危ない女はどうしてるんだい?」

「いや、それは……」



「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいッッ!!!!」



「……今の…………なに?」

「どうやら、お仕置きされてるみたいだね~。誰が担当しているんだい?」


「……ヨシノさんです」


 あのお淑やかそうなドライアドさんが、嬉々として道場でお仕置きというか……調教している真っ最中。


 まさか、指先を蔦に変化させてあんな事をするなんて……女って怖い。


 

             ★



「ま、まままままままままま魔法使いのカ、カカカカカカカカカカ、カナですッ!! よ、よよよよよよよよよろしくお願いしますッッ!!」


 ……悪化しとる。


 この面子の中で、設定年齢のある隠れNPCを除いたら上から二番目なのに、一番幼く見えてしまう。


 というか、また前髪で顔が見えなくなってるし。


 ……あの髪型、俺達に顔を覚えられないよう、わざとやっていたわけじゃなかったんだな。


「カナ、お手」

「わ、わわわわ、ワン!!」


 モモカが……カナを犬扱いしてる!?



「おい、誰だ――――モモカに変な事を教えた奴は」



 調教に参加していたトゥスカ、メルシュ、ローゼ、マリア、ヨシノが一斉に顔を背けた。


 ……コイツら。


「モモカ、そういう見下すような真似はやめなさい」


 どうにかして止めさせないと。


「へ? サトミがリンピョンによくやってることだよ? ローゼとマリアも、これくらい出来て当然だって」


 出来て当然ってなんだ!


「――へー、そうなんだ」


 割と本気で睨んだら、ローゼとマリアがリビングから食堂側へと猛スピードで逃げていった。


 サトミさんは……瞬時にリンピョンを盾にしやがったし!


「サトミ様?」

「コセさんて……本気で怒ると…………ま、マジで怖いわね。ガクガク!」


「リンピョン、暫く俺のパーティーに入らないか?」

「へ!? きゅ、急に……なに?」

「落ち着け、コセ。サトミは打たれ弱いから、その辺にしてやってくれ」

「メグミちゃん!? いったいなにを言っているの!?」


 意外な暴露が飛び込んできたな。


「仕方ないな……モモカ、俺はモモカに、サトミのような女になんてなって欲しくないぞ」

「そうなの? じゃあ、やめる!」


 モモカは良い子だ。


「ねえ、今私……コセさんに人間性を全否定されなかった? 気のせいかしら?」

「「…………」」


「二人とも、なんで黙ってるのよ!」


 ハァー。なんか、カナをレギオンに加える方向で話が進んじゃってるし…………俺って、このレギオンの軍団長じゃなかったのか?


HSPの悪い面も描きたかったんです

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