表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第6章 人類の起源

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

206/956

198.昆虫村

「”煉獄魔法”、インフェルノ!!」


 発動したステージギミック、蟷螂の巣を焼き払う!


 一定時間が経過すると、ボス部屋奥の左右に蟷螂の巣が出現し、小型の蟷螂が次々と出現していくらしい。


 なんか、この巣を破壊するだけでもかなりの額と経験値が貰えるらしく、ここでしか手に入らないスキルカードもあるそう。


 火属性しか効かないらしく、私がコッチの役に回された。


「インフェルノブラスター!!」


 反対側の巣にも、煉獄魔法をぶつける!


 私が炎特化なのもあるんでしょうけれど、見る見る燃えていくわね。


「クマム、そろそろ終わらせて良いわよ」



●●●



 ”竜巻噴射”で急上昇し、”天使の翼”を生やして天井の魔神に仕掛ける!


『キシェェェェェッ!!』


 脚だけで天井に張り付いたまま両腕の鎌で斬りつけてきたため、”尖衝武装”を纏わせた”ゴルドローズソード”で受け流す!


 足裏から出ている風をバランスを取るのに集中させ、背の翼を機動力に全振りし、背中側へ!


挿絵(By みてみん)


『”天使剣術”――エンジェルストライク!!』


 赤い光を纏わせた剣で鎌切蟷螂の背を突き刺し、即座に――武器交換で、”ゴルドローズソード”を”伸縮のレイピア”に持ち替える!


「”伸縮”――――”共振破壊”!!」


 魔神の身体に深く刺し込み――内部から破壊!


『ギシェエエエエエエェェェェェェェェッッッ!!!』


 胸部分が吹き飛び、やがてボスが光に変わり出す。


「コセさん達と知り合ってから、装備やスキルがどんどん充実していく。それに……」


 私自身、いつの間にか思いきりが良くなっているというか……戦いに自然と身が入るようになっていた。


 前のパーティーの時には感じなかった、周りとの一体感。


 ダンスを合わせようとしてもイマイチで、一部の人からは、歌はともかく踊りが下手くそなグループって言われてたっけ。


 ――ふと、左手薬指の黄金の指輪が目に入る。


 一応……その……結婚指輪。


「そっか……私、結婚してたんだ」


 今になって、ようやく実感が湧いてくる。


 胸が……苦しい。



●●●



「”超竜撃”!!」


 左腕の”グレイトドラゴンキャリバー”の効果で、正面から鎌切蟷螂の右腕鎌を破壊。


『ギシェエエッ!!』


 久しぶりに、神代文字無しでボス戦に臨んでいる。


 アテルに出会う前は、神代文字に対してチート能力のイメージが強く、暴走しかねない点もあり、頼るのを恥と捉える感覚があった。


 けれど、文字の力が無ければ対抗できぬ存在の出現により、神代文字に対する考えが百八十度変わっている。


 そんな俺の変化に気付いたからか、メルシュも文字の同時使用を積極的に教えるようになったのだろう。


 とはいえ、文字を使う人間相手や突発クエスト以外で神代文字に頼るのは危険。


 素の勘を鈍らせないようにしないと!


「――行け!!」


 黄金と青緑の大剣、”竜剣”を魔神の頭に勢いよく突き刺させ、壁に縫い付ける!


「メルシュ!」

「”混沌魔法”、カオスレイ!」

「”黒精霊”!」


 その傍らで、黒銀の大剣である”シュバルツ・フェー”に、混沌のエネルギーを纏わせておく。


『ギシャアアアアアアアアアアアアッ!!』



「――ハイパワーブレイク!!」



 混沌の暴威を炸裂させ、魔神・鎌切蟷螂を粉砕した。


「さすがマスター」

「ご主人様なら当然でしょう」


 今回は、トゥスカとメルシュの三人だけでボス戦に挑んだ。


 鎌切蟷螂がさほど強くなく、ステージギミックを利用してお金とスキルカード、素材などを大量に手に入れられるため、わざと人数を減らして挑んでいる。


 最低でも三人以上で組んでいるけれど、四人で組んだサトミさん達のパーティーは、転移後にトラブルに巻き込まれるのを考慮して先鋒になって貰った。


「手に入った”禍蟷螂のスキルカード”は十一枚。まあまあの数だね」

「確か、そのスキルカードは特別高く売れるんでしたっけ?」


 トゥスカが尋ねる。


「ここでしか手に入らないレアスキルだからね。それに、結構強力なスキルだから、鎌を使う人に覚えさせたいんだよね。鎌の扱いって難しいから、あまり勧める気もないけれど」


 確かに、俺には上手く扱える自信が無い。



○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。


★鎌切蟷螂の鎌 ★大鎌術のスキルカード

★禍鎌切の指輪 ★昆虫食のスキルカード



「今回は好きなので良かったんでしたっけ?」

「指輪は一メートルくらいのカマキリを呼びだすだけで大した戦力にならないし、上の二つは鎌を使わないなら意味ないし……うん、好きなのを選んで良いよ」


 なぜか一つだけ触れない、メルシュ。


「で、”昆虫食”ってなんなんだ?」


 察しはつくけれど。


「……昆虫系の料理を食べると……MPやTPの回復速度が丸一日、少しだけ上がるよ。蜘蛛(くも)クッキーとか、蟋蟀(コオロギ)スープ、(サソリ)の唐揚げ、(ハチ)の甘辛煮とか色々――」


「もう良い……」


 トゥスカの顔が青く……俺も、巨大GとルイーサのGを同時に思い出して気持ち悪くなってきた。


「ただ、”昆虫食”のスキル無しでさっき言った食べ物を食べると、デバフが掛かるから注意してね」


 なんじゃそりゃ。


「……さっさと選ぼう」

「そ、そうですね」



○これより、第十三ステージの昆虫村に転移します。



「今……なんて言った?」

 


             ★



 いつもの祭壇から見える景色は……巨大な蜘蛛の巣に覆われた家々。


 遠くには花畑も見え……虫が凄い飛んでいる。


「うぅ……コセ、早く行きましょうよぉぅぉぅぉぅぉぅぉぅぉぅ~」


 アヤナが……もの凄く怯えていた。


「お、オオスズメバチなんてっ、いませーんよね? いませーんよね!?」


 クリスは、大雀蜂限定で怖いのか?


「さ、サムライミツバチさん、プリーズ!!」


 ……あの女はなにを言っているんだ?


「取り敢えず、ジュリー達が来るのを待とうな」


「そんな~!!」

「ノー! 助けて、ユイさぁん!!」


 サムライ繋がりで助けを求めてるのか? まだここに居ないのに。


 そう言えば、ユイにはスキルカード入手のために、俺の”煉獄魔法使い”のサブ職業を貸していたな。



●●●



「インフェルノバレット!!」

「クリムゾンフレイム!!」


 私のマスターであるユイとタマが、螳螂の巣を焼き尽くした。


「ほんじゃ、そろそろ本気で行くかね――”魔力輪廻”!」


 Sランク武器、”輪廻の業剣”の効果を使用し、MPを吸わせて青黒いオーラを纏わせる!


「”鞭剣術”――ハイパワーウィップブレイド!!」


 剣を鞭のようにしならせ、鎌切螳螂を袈裟斬りに。


「”飛剣術”――ハイパワースラッシャー!!」


 後退しながら横薙ぎを繰り出し、飛ばした斬撃で胸部分を切り裂いた。


「さすが、使い勝手の良いSランク武器だ」


 たった二撃で、魔神のHPのほぼ全てを削りきったか。


 HPが設定されているのは、魔神のような無機物系モンスターだけだけれどね。


 そういや、HPに干渉するタイプの武器もあったね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ