表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第6章 人類の起源

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

195/956

187.魔神・銛人魚

「魔神・銛人魚は、その名の通り銛を使う巨大人魚だよ。危険攻撃は“銛術”のハープーンブレイク。弱点属性は雷。有効武器は銛だよ」


 銛を使う相手なのに、有効武器も銛なのか。


「空中を自在に泳ぎ回るし、ステージの中央が水槽になってるから気を付けて」


 中央部分が水槽ってどういう感じなんだろう? 昨日のうちに図で説明されたからおおよその察しはつくけれど、イマイチ感じが掴めない。


「じゃあ、お先に」


 ジュリーをパーティーリーダーとする、サキ、サトミさん、リンピョン、メグミさん、クリスの六人がボス部屋の中へ。


 雷に特化したジュリーが居るし、もっとも楽に突破出来るパーティーだろう。


 サキが“シュメルの指輪”を装備しているため、隠れNPCが二人でもパーティーを組める。


「今回の隠れNPC、エスパーもダメだったか」


 メルシュが呟く。


「地下八階のモンスターを全滅させるんだったな」

「そうすれば、“紫の水晶玉”って言うのが手に入る予定だったんだけれど、条件的に偶然発見されててもおかしくないからなー」


 これまでの入手条件の中では、かなり楽な方だったな。


 モンスターの数も死角も多いから、大変っちゃ大変だったけれど。


 頑張ったのは、クマムとスゥーシャの居るパーティーだけれど……二人のLvは、レギオン内ではまだまだ低いからな。


「昨日はあれで時間を使いましたが、スキルカードがドロップしたから良かったじゃないですか」


 トゥスカがメルシュを励ます。


「アイツから手に入るスキル、結構便利だったからさ」


「敵として遭遇した場合の心配じゃないんだ」

「まあ、そっちも心配っちゃ心配だけれど」


 先に進めば進むほど、このゲームの先駆者と戦う事になるかもしれない。


 幾ら強い装備やスキルを手に入れても、常に引き締めていかないと。


 例のごとく、お役目に預かれない碧い妖精に手を合わせた。


「……マスターはなにをしてるの?」



●●●



 ボス部屋の奥で、碧く発光し始める魔神・銛人魚。


「ワー、あんなにおっきいぃですか。ビッグ、マーメイド!」


 クリスが怯え……るどころか興奮している様子。


「クリスちゃんは、感じを掴むためにも今日は見学ね」

「ハーイ! 分かりまーした!」


 サトミさんが手綱を握っているようだから、取り敢えず安心……かな?


 ……アメリカ出身の日本留学生をわざわざ隠れNPCに……もし私の予想が最悪の方に当たってるなら……彼女はデルタ側の人間かもしれない。


 数日掛けて色々説明したとはいえ、早々に現状を受け入れ過ぎている気がするし。


 確証がない以上、コセ達にはまだ秘密にしておこう。


「“二重魔法”――サンダラスヘブン!!」


 白い爪の生えた雷を二柱迸らせ、動き出した銛人魚の両肩に突き刺した。


「金星球、“回転”、“磁力”!」


 動きを止めたところに金星球を当て――壁にめり込ませながら削っていく!


「サトミさん!」

「分かったわ!」


 二人で四つのヘブンスプランターを発射して、金星球を強化!!



『ギャアアあああああああああああああああッッッ!!!!』



 開始一分足らずで、勝負が付いた。



●●●



 ジュリー達が終わったあと、俺、トゥスカ、メルシュ、クマム、スゥーシャの五人でボス部屋に入る。


「“二重魔法”、“万雷魔法”――サンダラススプランター!」


 開始早々にメルシュが雷を浴びせると、銛人魚が猛スピードで部屋の中央へ移動。


 次の瞬間、真ん中の溝から、一面を塞ぐ形で水が噴き出た!


「これが水槽か。スキルや武具効果の威力を半減させるんだっけ」

「どうする、マスター?」


「私が行きます!」

「私も!」


 クマムとスゥーシャが突撃してしまった!


「大丈夫かな……」

「Lv的には余裕なくらいかな」

「では、ひとまず任せてみますか」


 装備もスキルもそれなりに充実したはずだし、大丈夫かな?


 ジュリーが譲ってくれた新しいスキルを試したかったけれど、まあ良いか。



●●●



「“一角水魚”」


 数日前に私が殺した、人魚の腕輪を使用。


 水のカジキの背鰭に掴まり、水槽の中に飛び込みます!


 真っ白なトライデント、”天の白河は流れる”を握りしめながら――突撃!


 巨大な灰黒石の人魚が、石の銛に光を纏わせて投擲してきた!


 メルシュさんが言っていた――危険攻撃!


「“渦の障壁”!」


 “天の白河は流れる”の力で、前の持ち主よりも強化された状態で発動!


 三つ叉の石槍を押し留め、その隙に水のカジキでお腹部分に突撃!!


「”深淵槍術”――アビスブレイク!!」


 石の人魚の一部を破壊し、大きな亀裂を入れた状態で――コセ様達が居る方に水槽から押し出す!


「きゃあああああああッッ!!」


 地面にぶつかった反動で弾かれて、空中をグルグルと回ってしまう!


「スゥーシャさん!」


 クマムさんが、花のようなデザインの脚甲から竜巻を放ちながら……私を受け止めてくれた?



○○○



「“竜巻噴射”!」


 一昨日にいただいた“白百合の竜巻脚甲”の靴底から緑の竜巻を発生させて、スゥーシャさんを抱き止める!


「スゥーシャさん!」


 勢いが止まったのち、スゥーシャさんを離す。


 人魚って、みんな空を泳げるんですよね。不思議です。


「ぅぅ……目が回って……」

「あとは私が!」


『ギエエエエエッッ!!』


 魔神が浮かび上がり、空中を泳いで迫ってくる!


「“疾風迅雷”、“尖衝武装”!」


 雷と風を脚から迸らせながら“伸縮のレイピア”に赤い光を纏わせ――突撃!!


「ハイパワープリック!!」


 何度目かのフェイントののちに眉間に突き刺すと――激しく暴れられる!


「パワーニードル! “伸縮”!」


 パワーニードルで防御力を無視しながら刀身を伸ばし、深々と突き刺す!


 新しく手に入れたスキル、ここで試させて貰います!



「――“共振破壊”!」



 相手に突き刺した武器が深く入り込んでいればいるほど、ダメージを増加させるというスキル!



『ギャあああああああああああああああああッッッッ!!!!』


 

 レイピアが強く震え、それ以上に魔神が強く震えだし――――粉々に弾けた。


「や、やった……」



●●●



「……二人とも強くね?」


 あっという間に倒しちゃったよ?


「“共振破壊”を上手く使ったね。最初はどうなるかと思ってたけれど、スゥーシャもいつの間にか凄く強くなってる」

「神代文字もSランク武器も無しでこれですから、大した物だと思います」


 Lv差が埋まったら、俺より強いんじゃないか?



○おめでとうございます。魔神・銛人魚の討伐に成功しました。


○ボス撃破特典。以下から一つをお選びください。


★銛人魚の三つ叉銛 ★銛術のスキルカード

★サブ職業:氾濫魔法使い ★遊泳の下半身



「この”遊泳の下半身”ていうのが、擬似的に人魚になれるんだっけ?」


「私達は全員、“潜水”スキルのおかげで水中呼吸出来るから、必要無いけれどね」

「でも、空を泳げるんですよね?」


 クマム達が戻ってきた。


「お疲れ」

「お疲れ様」

「二人とも、やるじゃん!」


「「ありがとうございます!」」


 初めて会ったときと違い、二人とも良い笑顔を見せてくれる。


「ま、今回は好きなのを選んで良いよ」


 俺は、“氾濫魔法使い”のサブ職業にしておくか。



○これより、第十二ステージの機織りの町に転移します。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ