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告白シリーズ  作者: くづもち
2/6

絶望と遊び

私は、中学校時代から虐めを受けていた。


もちろん集団からだ。


バケツの水をかけられたり、上履きをごみ箱に捨てられたり。


とにかくひどいものだった。





中学卒業の日。


私は少し解放された気がした。


今思うと何故虐められていたのか分かっていない。


多分、理由はなかったと思う。 理不尽というやつだ。





高校入学の日。


私は自分の目を疑った。


教室を見回していると、あいつらがいた。





そう、中学時代に私を虐めていたやつらだ。


あいつらは、私の方を見ながらニヤニヤしていた。


きっと私に合わせてここに入学してきたのだろう。





私の高校生活はもう終わった。 私はそう思った。





それから、一年間あいつらから虐められた。 また理不尽だろう。





今回のは中学の時よりももっと酷いものだった。


下駄箱に土を詰められ、靴をボロボロにされ、教科書や筆箱、私が母に買ってもらった大事なヘアピンが、ごみ箱に捨てられていたり、学校の隅にある小さな池に沈められていたりと前よりエスカレートしている。


パシられたりもした。 暴力もされた。





私の体のあちこちには痣ができていた。


財布の中もなくなっている。





先生に相談しても何も解決しないし、親に言うのも少し無理があった。


というか誰かに相談すればやつらは注意をされたりして、もっとエスカレートすると分かっていた。





私は死にたいと思った。


毎日、毎日。


相談する気はないけれど、親は私の傷ついた体を見ても心配すらしてくれない。


理不尽という理由で虐められる毎日。


私の体も心も限界だった。





不登校になろうと考えたこともあったが、親は一日中家にいるので無理だ。





この世界に私の居場所はない。


どこにも。





もう死んでしまったほうが楽じゃないのだろうか・・・?





愛想のない親。


見て見ぬふりの友達や先生。





糞だ。


どいつもこいつも。





私は死にたいという気持ちを持ったままその一年間を耐え抜いた。


耐え抜けた理由は何だろうか。


分からない。





高校二年に進学して奴らとは別クラスになったが


私の心の傷は消えなった。


クラスが変わって、親友もできた。


一年前のことをすべて話した。


親友はちゃんと聞いてくれた。


親友は話が終わった後、こう言った。





「死ぬ前に何か面白いことをしたら?」





私にはその「面白いこと」というのがよくわからなかった。


その日から親友と共にいろんなところに遊びに行った。


ゲーセンやボーリング、カラオケに祭り。





とても有意義な時間だったと思う。


私は遊んでいる間心から笑えていたと思う。


しかし、死にたいという完全に固定された思いは変わらなかった。





ある日私は最後の遊びをすることにした。


「嘘告白」を。


相手は同じクラスの元という男。


結果はどうであれ嘲笑う予定だった。





数日後、私は行動に出た。


OKされた。


嬉しくもなかった。


何せ嘘なのだから。





私は元とデートをしたり勉強会をした。


彼の前では笑顔を見せていたが、心の中では彼を笑っていた。





そして、何か月か過ぎた頃。


私は覚悟を決めた。


「自殺」する覚悟を。


それ以降は元とは関わらず、親友とこの数か月のことを話し、笑いあっていた。





私は、最後にいい遊びができたと思った。


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