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告白シリーズ  作者: くづもち
1/6

告白

前書き


随分前に上げた短編シリーズを一つにまとめます。

俺は、(はじめ)。 ふつうの高校生だ。

俺は今日もいつも通り、学校へ向かう。


俺はいつも、学校に行くのが異様に早い。 だから、教室には誰もいない。


俺はこの一人の間が好きなのだ。





友達はいるにはいるが、頻繁に会話をしたりすることはない。


毎回、あっちから話しかけてくる。





稀に恋愛話が出たりするが、俺は耳を傾けなかった。


恋愛というものに興味がなかった。








そんなある日、俺はある女子から告白された。





普通にフってもよかったのだが、何となく相手の子がかわいそうだったのでOKしてしまった。





付き合い始めてから、屋上で弁当を一緒に食べたり、勉強会などをした。





彼女はよく笑っていることが多かった。


付き合ってから2か月が経ったある日、ふと俺は思った。





今まで彼女とはデートや勉強会などはしたことがあったが、手をつないだり、キスをしたことがなかった。





というか、最近。彼女の反応が薄れつつある。





そんなことを思って早2週間。


屋上で一緒に弁当を食べるということがなくなった。





それから、学校で話す回数も家に誘う回数も減った。





いつも、彼女の方から何もかも誘っていたのに。





俺は彼女にあまり好意を持たなかったが、これはおかしいと思った。





だからある日、俺は彼女を屋上に呼び出し問い詰めた。





彼女は「別れよう」と言い出した。





俺は何故? と問う。





そしたら、彼女は





「今まで言えてなかったけれど、この告白は本来『嘘』だったの。 でも、君がマジにしたから付き合っただけ。 実は、友達と陰で笑ってた。 君の反応、行動を」





俺は何も言わなかった。





彼女はその後屋上の柵を超えて。





「私は死のうと思っていた。 でも最後くらい面白いことがしたいなって思って、君に近づいたの」


彼女は笑っていた。


でもそれは今までの優しい笑顔ではなく、


策士のような笑顔だった。





彼女は少し体はふらふらさせながら、





あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは


バカヤロウ。あはははははははははははは・・・


と笑い、落ちていった。














あの日以降、俺は誰とも関わることはなかった。





ただ、俺の脳裏に焼き付いていたのは、彼女の最期の言葉だけだった。





バカヤロウ








彼女は何故死のうと思ったのだろうか。





俺にはわからない。


分かりたくもない。








俺は、心の中でずっと思っている。








嘘告白なんて糞だ、と。

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