第27話っ!少年との再会っ!
食べたり変身したりまた、食べ、擬態。他のプレイヤーが見たら卒倒しそうなNEW LIFE。
花凛は、狼男と出会った、そしてルイくんからマリスラビットを預かった、峠の果てに到着した。
時刻は14時40分。約束の時までは、あと20分もある。
そして今の花凛の姿といえば。
「モォォォ〜ッ!(ルイく〜ん!)」
バッファローに擬態していた。
ちょっと驚かせようと思って、先程倒して食べてきたのだ。
擬態がもつ時間は大体3分。まとめて10体ほど倒してきたからおそらく30分はもつだろう。
すると、花凛の前に青白い光が現れた。
「モォォォ?(ルイくんかな?)」
この煌きには見覚えがあった。ルイが使っていた瞬間移動の魔法、〈ルーラ〉だ。
「おまたせ致しました花凛さん」
「モォォ!(こんにちは!)」
この前会った時の、半袖短パンとはうってかわって、白のローブを頭まで被っている。全く雰囲気が違くて少し面食らう。
「モ、ォォォォォッ...(てか、なんで私が花凛だって分かったんだろう....)」
「だって花凛さん、元から牛みたいじゃないですか」
特に胸、とルイは聞こえないように程度に呟く。もちろん花凛の耳には届いておらず、驚いていた。
「モモッ!?モッモモモモモッ!?(なんで!?バッファロー語分かるの!?)」
「はい。一応、全モンスターと会話できますが」
「モォォ...(すごいなぁ...)」
ルーラといい、強さの底が見えないルイくんであった。
「それより、まーた変なスキル覚えたんですね」
口に手を当て上品に笑う彼から育ちの良さが伺えた。
「モォォォ...モモッ!(そそ...マリスたんのおかげ!)」
「もきゅ!!」
楽しそうに、マリスラビットは空中で1回転。ルイはそれを、柔和な笑みを貼り付け眺めていた。
「マリスラビットが役に立ったなら、こちらとしても嬉しいです....でも」
「モォォ...(うん...)」
言わずとしても分かる。今日でお別れなのだ。
花凛は心にポッカリ穴が空いたような気になって、その穴を埋めるようにマリスラビットに抱きついた。...牛の姿で。
「モォォォッ!モォォォ!(バイバイっ!マリスたぁぁん!)」
「もきゅっ!」
白い毛がフワフワしてて羊みたいだ。思いっきり顔を埋めると、獣特有の、決して嫌悪感のない匂いが心一杯に広がる。
そして、離れた。花凛は無理して笑う。
「そんなに悲しまなくても...明日にでも会えますよ」
明日。トーナメントの予選の日。
「モォォォッ!モォォォ(あ....そっか!おんなじグループだもんねぇ)」
Eグループなのだ。試合会場は一緒だし、なんなら闘う可能性だってあるのだ。
「モォォォ〜(負けないからね〜)」
花凛が悪戯っぽく言うと、ルイはフッ、と微笑する。
「お手柔らかに....それでは僕は、明日に向けて特訓するんで」
そう言って杖を装備するルイ。きっとまた、〈ルーラ〉を使うのだろう。
「モォォォッ(うん!じゃーねー)」
「はい...〈ルーラ〉っっ!」
白光を放ち、直ちに姿を消していった。
「モォォォ〜ッ(私も明日に備えよーっと)」
花凛の独り言に反応するマリスラビットは、もう居なかった。
明日はトーナメントだ。




