表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/29

第26話っ!ファンモン?

山フィールドへの門に入るや否や。


「ウキィィャャアアッ!」

「ウッキャウッキャッ!」

「ウキウキウキャャッ!」


猿型のモンスターが三匹、襲いかかってきた。ニホンザルのように顔とお尻は紅潮している。ただ違うのは、眼球も赤く染まっているという点だ。


「うわっ!いきなりだなぁ...どれどれ」


花凛を取り囲むように四足歩行で走り込む。歩幅が狭い割には、意外に速いスピードだ。

だが、花凛の敵では無い。相変わらず凄まじい速度で猿の合間を縫って回避。

マリスラビットは空高く浮かび上がり、猿が届かない位置に留まる。


「『ファンキーモンキーベイビーズ』...って名前なんだ..。なんか聞いたことあるなぁ」


猿の上の表示を確認して、花凛は苦笑する。

どうやらこの『ファンキーモンキーベイビーズ』、3匹で1つのモンスターのカウントらしい。だから『ベイビー()』、複数系なのだろう。


その猿達は、自慢の奇襲避けられた事に当惑している様子だ。


「っし!取り敢えず倒そう!」


「もっきゅ!」


花凛の方に警戒しながらも距離を詰めてくるファンキーモンキーベイビーズ。

花凛は右脚を後ろに持っていき、構える。

足の裏で思いっきり地を蹴り一気に加速。


そして十八番であるスキルの名を口にした。


「〈蜈蚣ノ毒塗〉っ!」


左から右へ。居合斬りの要領で薙いだ一閃は紅。

中央に陣取っていた猿1匹の胸元を切り裂いた。


「キイィ!...アアッ」


悲痛な叫びと共に、横転する猿。

すると、花凛の身体は自動的に猿の方に吸い寄せられ、かぶりつくことを余儀なくされる。〈捕食〉が始まった。


残りの猿2匹はなにが起こったか理解できておらず、呆然としている。


「おいしっ!なにこれ!さっきのステーキレベルで美味ぇ!」


猿肉。見た目はかなりグロテスクだが、気にしないのが花凛。

〈スキル:食ラウ者〉の効果に、『おいしく食べられます♪』と書いてあったことを思い出した。


「最高っ!!」


満面の笑みで食い散らかす。骨から丁寧に肉を取り出していた。

マリスラビットは空からその様子を凝視している。


そして完食すると。 


「ごちそうさまでし.....ってなになに!?」


花凛のカラダが気味悪い黒色の霧を発した。

そして1秒も経たずに霧散する。


「な、なにこれぇぇぇぇええ!!!」


花凛は先程食した、ファンキーモンキーベイビーズの1匹に変身していた。


自分の体を舐め回すみたいに見ても、猿が二足歩行をしているようにしか...。


不思議な感覚だ。何故だか物凄く馴染んでいる。自由に四肢と感覚器官を動かせるのだ。遥か昔に猿として生を受けた、と勘違いする程に。


「やだやだ気持ち悪い!!」


いくら大雑把な花凛とはいえ、自分が毛むくじゃらになる事件については不快感を覚えるらしい。


ただ、残った2匹のファンキーモンキーベイビーズ達が。


「キィィッ♡」


「ウキキッ♡」


と、花凛(猿)にすり寄って来たのだ。どうやら仲間だと思われてる様子。


「えっ?...ウキィ?(こんにちは?)」


意思を込め、見様見真似で鳴いてみた。裏声と地声を混ぜる感じ。


「ウッキャ!(イェーイ!)」


「ウッキャ!(ウッキー!)」


花凛は猿語が理解できるのだ!


ファンキーモンキーベイビーズ(2匹)は飛び跳ねて、頭の上で手を叩き喜んでいた。


花凛もなんだか楽しくなってきたらしい。雑談に興じようとする。


「ウッキャ!(最近どお?)」


「ウッキャ!(いやはや地球温暖化が進んで暑いのなんので困ります)」


「ウッキャ!(夏が過ぎ()()のが待ち遠しいですね...猿だけに。アッハッハッ!)」


自分の体が毛まみれな事についても嫌悪感は薄まっていた花凛は、雑談を続けた。


ジェスチャーや鳴き声のトーンで意思疎通を図る2匹と1人。


「もきゅ?」


そんな状況に、マリスラビットは首を傾げていた。



・ ・ ・



3分程経過した後。


再び黒霧を纏い、元の〈韋駄天シリーズ〉を着衣した、冒険者のカラダに戻っていた花凛。


「顔も、手足も....うん!おっけぃ!」


自分の顔をペタペタと触り、元通りになっているかどうかを確認する。ついさっきまで顔を覆っていた毛は、綺麗に無くなっていた。


猿2匹は呆けている。


「ちょっと楽しかったよ!じゃあね!」


討伐しようという気は失せていた。花凛は、ばいばい、と手を振る。


するとお猿さん達は。


「ウッキャウッキャ!(さらだばー)」


「ウッキー!(再会できること、祈っておるぞ)」


花凛にはもう、彼らの言葉は通じない。だが、敵意が無いことくらいは分かる。


少し後ろ髪引かれる思いで、その場を後にした。


ルイくんとの約束時間まではあと1時間とちょっと。全力で走れば余裕で間に合う。



「で....コレのなにが強いんだ?」


受付のお姉さんが『強いよ!』とかなんとか言ってた記憶があるのだが....。


走りながらも、ふと疑問を感じた花凛であった。

本人は気付いていない。〈捕食〉中の()が、ほぼ無くなっていることに。

カクヨムの方で短編の執筆を始めるので、少しお休みします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 〈食ラウ者〉の優位点は意志疎通による友好化かな?となるとテイムの難易度低下かな、主な長所は、あとは友好化による一時的?な無害化とかかな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ