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第21話っ!スネイクさんと再会っ!

「久しぶりだね!スネイクさん!」


時刻は20時半。花凛は森林フィールドに足を運んだ。

いつも人っ子一人いないフィールドだが、夜という時間帯も相まって静寂に満ち満ちている。


「よし!じゃ、攻撃しておいで!」


花凛が声を出してヘイトを集めると、スネイクが2、3匹振り返った。そしてそのまま攻撃モーションへ。

昼間と同様、このフィールドにはポイズンスネイクのみが点在していた。


「きたきた...!『ルー=ガルー』装備!」


左手に薄茶の盾が現れ、花凛はそれを構える。

だが、ポイズンスネイクは盾などお構い無しだ。

大きく身体をうねらせ、180度近く開いた口から覗かせる牙で噛みつかんと突っ込んでくる。


「うっひゃー。グロいなぁ、口の中」


「グギャ!」


花凛は左腕を挙げ、上手く『ルー=ガルー』を攻撃に合わせて防御。


グニュッ。


左手に装備された盾は、柔らかそうな効果音とともにポイズンスネイクの攻撃を吸収する。


「..グァ?」


ポイズンスネイクは、ノックバックすらまともにしていない花凛を見て首を傾げた。


「うおーっ!全然効いてない!」


「もきゅぅ!」


白いマリスラビットはふわふわしながら花凛と共に喜ぶ。

しかしそれも束の間、スネイクは再び噛みつこうと素早いスピードで向かってきた。


「はいはい!また防御!」


グニュ。


再び攻撃を吸収した『ルー=ガルー』。

途端、盾に描かれた狼の紋章が赤く光った。


「なんか光ってる...?あ!もしかして、カウンターできるのかな?」


ダメージが入らないことを訝しみ、攻撃の手を緩めたスネイクの隙に。


「カウンターっ!!」


唱えた瞬間、盾が変形した。

液状に融解した茶色の物体は身体に、花凛はものの数秒でブラウンのチェスターコートを纏った。


「想像してたカウンターと違うけど..洒落てんね!」


ピラピラ、と裾をつかんではためかせ、満足気に頷く。どうやら気に入ったようだ。


「そんで、効果は...?」


まだ、スネイクは攻撃してきそうにない。

花凛は安心してステータス画面を開き、装備欄に現れていた『フォルムチェンジ:狼毛皮のコート』をタップ。


「『装備中はAGIが2倍。加えて、一定確率で受けるダメージを0にする。尚、装備することのできる時間は〈ルー=ガルー〉の際に受けたダメージに比例して増える』って...つよ!」


どうやら一定数のダメージを受けると赤い紋章が光る。そして「カウンター!」と諳んじると、盾の形をした『ルー=ガルー』は姿を変え、『狼毛皮のコート』となり装備されるらしい。

素材、〈心臓シリーズ〉によって鍛えられた武具は、この〈フォルムチェンジ〉システムが搭載されている。


ともあれ、2倍になった花凛のAGIは3000をとっくに超えていた。


「はっや!!!!」


スキル、〈韋駄天〉の効果ではAGIは少しずつしか上がらない。だから、上昇した事を実感できていなかった。

しかし、2倍になったら流石に体感できるほどの伸びである。


「よっし!ありがとうスネイクさん!ばいばい!」


ヒュッ。


目で追えないスピード、残像すら無い速度で困惑しているポイズンスネイクに走っていく花凛。


「...もきゅ??」


花凛の後ろで相変わらず浮いていたマリスラビットも何が起こったのか分からない、といった様相だ。気付いたときにはもう。


「『蜈蚣ノ毒塗』!!」


スネイクを貪る花凛の姿をがあっただけであった。


〈スキル : 毒耐性Ⅳを獲得〉


「お、ラッキー!」


内臓さえ残さず平らげた花凛の目前にシステムメッセージが表示される。


「無効まであと一つだ!」


耐性系のスキルは〈○○耐性V〉になると〈○○無効〉を獲得でき、対象の状態異常を無力化できるのだ。美優から教えてもらった。


すると、装備していた〈狼毛皮のコート〉が突然、光りだす。


「うわわわ..なに!?」


変形し、盾の形に戻ってしまった。


「ふーん。意外と短い時間なんだね」


受けたダメージに比例して、装備することのできる時間が伸びる。つまり短時間しかフォルムチェンジできないということは、スネイクの攻撃を吸収したダメージが弱いということを裏付けているわけで。


「スネイクさん...弱いのかな」


仲間を完食された周りのポイズンスネイク達は、花凛を何かの病原菌を避けるようにそそくさと逃げている。


そんな哀れなモンスターに、少し同情した。

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