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国立三葉異能力学園!!  作者: 山田の花子くん
ゲームスタート
7/24

6話

始まった。殺し合いが。

しかし、意外と実感がそこまで湧かない。

パッと辺りを見渡すと、殺し合いはあまり起きていなかった。どうしたら良いのかうろついている人が多い。そもそも、異能力を普段使うことがほとんどない為、使い方が分からない人が多いのかもしれない。


いきなり集められ、殺し合いをしろと言われ、そう直ぐには動けない。人間はロボットでは無いのだ。臨機応変に対応出来ないことだってある。


それにしても、この仮装世界はよく出来ていると一輝は思った。

体の感覚、さっき迄の状態、その全てが何もかも一緒だった。一体異能力のからくりは何なのだろう。狼狽えている周りを見て、呑気にそう思う。


「とりあえず、移動でもする…? 」

「…彩ちゃんが言うなら…」


周りを見渡し、人が多いところからは離れた方が良いだろうと考えた彩。殺しをするならうってつけの今だが、とりあえずは4人で話し合う事の方が重要だろう。


彩の言葉に咲夜は頷き、釣られる様に男2人も頷いた。

「じゃぁ、こっち」と彩が先頭切り歩き出す。圭の後ろに咲夜、一輝、圭と続く形で歩き始めた。


そんな時だった。



「キャァァァァァァ!!! 」


背中越しに甲高い悲鳴が聞こえた。


「ヒッ……」


後ろを向いた圭は思わず口を抑える。

人だかりの中心部で僅かだが血のような、赤黒い何かが飛び散っているのが見える。


(仮装訓練状態でも、こんなリアルなのかよ……趣味悪ぃ……)


チッと内心舌打ちする。

あまりにも、この仮想世界はよく出来過ぎている。死んだと思われる人はいない。泡になって消えていった。矢張り、この世界は仮想だ。仮想だが、現実。その境目が全くもってない。


「圭、さっきの悲鳴は何? 」

「後ろを向くな!! 逃げるぞ! 」


彩の言葉の「悲」に被せて圭は叫んだ。

焦ってた為、前にいた一輝の背中をドンと押してしまう。


「早くしろ!! 細かい話は後!! 早く!! 」

「え、え、わかったぁぁあ!! 」


普段あまり焦らない圭の必死な声を聞いて、何事かと思ったが、咲夜の手を握り一目散に走る。


「え、え、? 」


突然の走りに、咲夜は困惑。キョロキョロし出した。


「咲夜、前向け」

「えぇ? 」


なんで!? と後ろを向こうとしたら、一輝に無理やり首を抑えられ前に固定された。流石に、一輝の力で抑えられたら後ろなんて向けない。彼は力がとても強い。何せ握力が60近くあるのだから。

その為、気になったが前を向いて走ることしかできなかった。手がキリキリと痛い。チラリと見ると、少し赤くなっている。


「もう、意味わかんない……! 」


わけも分からなく走った。

足の速い彩について行ける様に、精一杯走った。





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