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国立三葉異能力学園!!  作者: 山田の花子くん
新たな学園生活
4/24

3話

「遠いね~」

「意外とねぇ~」

「ここも久しぶりだよな」

「何悠長なこと言ってんだお前ら」


彩、咲夜、一輝がキョロキョロ辺りを見渡し呑気に歩く中、圭はそんな3人を見てため息を吐く。そんな圭を見て、彩は悪どい笑みを浮かべる。


「ため息すると幸せ逃げるんだよ? 」

「んな迷信あるか、ばーか」

「あるんだよ、それが」


パチンと指を鳴らし、聞こえない様にあることを呟いた。

「――――――して」

その瞬間――――

「なんか言ったか?――――っ!? い゛っだぁ!」

突然足元が軽くなり、何も無いところで圭は前に転び、見事に額をクリーンヒット。


「お前っ!」

直ぐに立ち上がり、彩に掴みかかる。また何か自分にしてきたな。ワイシャツのえりに手を伸ばす――が、彩はそれを軽々躱した。

「あ」

掴みかかる勢いで、また地面に転落する。

「大丈夫~?」

背中越しにそんな弾んだ声が聞こえたが、無視して立ち上がり早足で彩に近づく。

「異能だろ?」

お前の考えなんてお見通しだ、と憎たらしいほど爽やかな笑みで笑い返す。


「さぁ? でも異能だったとして、アレをどう使ったら、イタズラに変えられるんだろうね?」

「チッ」

片眉上げてそういう彩は、自分の姉ながらとてもムカつく奴だ。

だが、彩の異能の性質を知っている自分からしたら、さっきの現象をに異能をどう使えば出来るのか、検討がつかなかった。だってアレは、扱いづらい異能だと記憶していたから。


「迷信は案外信じた方がいいんだぞっ」

「うるせぇよ」


バチコーンと☆が付きそうな勢いでウインクをかました彩に、笑顔で立ち上がりながら軽く彼女を小突く。

そんなこんなで、ようやく中心に到達。無事、人混みの中に紛れる事に成功した。



「多いなあ、人!」

見渡す限り、人、人、人。辺り一面が人だらけ。一体何人居るのだろうか。さすがマンモス校。規模がでかい。何となく全生徒では無いと分かるが、それにしては人が多い。


「何学科だこれ」

ざっと辺りを見渡し呟く。

「な、彩――――」

「あ~多いな~ホント気持ち悪いほどいる、ねぇ!?」

「あーー、うん。そうだな」

彩に聞こうと思ったが、人の多さに楽しそうにはしゃいでいるので、華麗にスルー。近くの生徒をチラリと盗み見し、ピンバッジを見た。銀色の小さなピンバッジだ。


三葉は制服意外の、自身の異能力が最も活用出来る格好で来てもいいとされている為、服装は様々だ。だからそれが付いている所も人それぞれだが、大抵は襟か胸元にある。

近くの生徒のそれを見ると、1と✳のマークが彫られており紫色の石が埋め込まれてあった。


三葉はマンモス校だけに、生徒を見分ける工夫が幾つか施されている。その1つがこのピンバッジ、数字とマークと石の色で学年と学科が分かる。

✳なら高校生。☽なら中学生。

数字はその学年。

石の色が紫なら異能力科。

橙なら開発科。

黄緑ならサポート科。

水色なら普通科だ。

どの学科も人数が多い為、こうしてピンバッジを付けることが義務づけられていのである。だから見れば一瞬で分かった。


あぁ、異能力科の人か。そう断言して、周りも見る。すると全員同じピンバッジを付けていて(勿論自分達も)、集まった生徒全員が一学年の異能力科だと言うことが推測出来た。


「何するんだろうね~」

「そうだな」

ほわほわ話す咲夜と一輝。


4人とも、中心部に来たはいいものの、一体どうしたら良いのか困惑してきた。何分か経ったところで、大聖堂の中心にある台の上に誰かが立った。


「生徒諸君、早急に静かにするように」


声が反響し、静かでリンとした音でも十分に拡大される。

キツイ言葉で放つ声の主は、同じくキツイ目でこちらを見下ろしている女教師だった。唐突な先生の登場に、辺りは水を打った様に静まり返る。


「偉いなぁ、言うことを聞けて。私は、躾がなっている犬は大好きなんだ」

そう言って高らかに手を叩く。


(ふじ)先生。分かりましたから、話してください」

「あぁすまない」


女教師――藤の近くに居た、もう1人の男教師――>平川に注意され、めんどくさそうに生徒を見た。


「……あぁ平川(ひらかわ)が私に指図した事は、後でみっちり問うからな」

顔面蒼白になる平川。彼女の質問は、みみっちいのだ。

ギロりと平川を睨んだ後、ようやく口を開き出した。

しかし、彼女から発せられたものは、凡そ想像出来ない有り得ない内容だった。




「お前らにはこれから、



殺し合いをしてもらう」

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