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オレハ、スマホヲテニイレタ  作者: 舘 伝斗
3章 武闘大会より精霊幼女!ー武闘大会ハロルディアー
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3-1 オレハ、ハジメル

お待たせしましたー。

そろそろレポート終わり始めたので更新頻度を上げていきますよー!!(願望)


あ、因みに第三章開幕です。

「はぁー、坊っちゃん、走れメロスかぁ。じゃあ次は何をパロってくるのかなー。」


「ん?何の事だ?」


「いや、こっちの話です。」


 ヴィエラさんの言葉に俺は、クラトの冒険を聞いて折角逃避できていた現実に引き戻される。そしてふと、数十分前から静かなウルとニアちゃんを見る。


「きゅぁーーーー!」


「はぁ、俺も気を失えたら(・・・・・・)楽だったろうになぁ。」


 ・・・あっ、言ってなかったけど俺、雲より遥か上空を飛んでます。


「だから何の事だ?」


「きゅぁーーーー!」


 俺の言葉を理解したのかしてないのか。ヴィエラさんの従魔であるドラゴン(ドラちゃん)は一際大きく鳴く。


 バサッ


 そして目的の方向の雲に消えていくのだった。



 一つ言いたい。

 なんで10メートルサイズのドラちゃんの鳴き声がそんなに可愛いんだ!






 ・・・数日前


「ならユウト、ハロルドで開催される"ハロルディア"に出ないか?」


 ガロティス帝国で五星魔(ペンタプル)の進行を退けた翌日にヴィエラさんが放ったこの一言がすべての始まりだった。


「"ハロルディア"って何ですか?」


 俺が聞くとヴィエラさんは目を丸くして驚く。

 ・・・可愛いな。


「あぁ、そうか。そういえばユウトは"八大会"について何も知らなかったな。"ハロルディア"は簡単に言うと武道大会だ。ただし、魔法あり、従魔ありという何でもありのな。」


「へぇー。面白そうですけど、それって死人とか出るんじゃ・・・」


「いや、この大会、というかこの大会を含めた世界各地で行われる"八大会"に限っては死人はでない。」


「ほぅ、それまた何故に?」


「八大会の会場には神器を持った八つ子(・・・)の兄妹が各々審判に立つからな。彼らは神器の力で数秒先を見ることが出来るから命の危機があれば強制介入して試合を止めるんだ。」


「八つ子って。しかも全員同じ神器?」


  っていうかこの世界で未来を見る能力多くね?

  ヴィエラさんは自分の回りのことに限って未来を見れる。

  ウルは予知夢。

  そんでもってハロルディアの審判が持つ神器は数秒だけど未来が見える。

  そんなに今に希望はないのかね?


「あー、いや。彼らは特殊でな。一つの神器の効果を八人で共有できるんだ。」


「へぇー。でも幾ら未来が見えても試合を止める実力がないと止められないんじゃないですか?」


「ふふっ。それなら問題ない。というか、彼らを倒すことができる者は歴史上最強と呼ばれるユグドル(・・・・)位なんじゃないか?というほどの実力者だぞ?」


 あのクソ神。さては昔降りてきたな?


「・・・へぇー。ならその大会は続いて20年くらいですか?」


 俺は内心呆れながらヴィエラさんとの会話を続ける。

 というか、審判が寿命とか病気で死んだら一大事だよな。


「いや、八大会は既に開始から200年は続く由緒ある大会だぞ?」


「えっ!?審判は最強の八つ子だから続けられるんじゃないんですか?まさか200年間八つ子並みの者が審判をしてきたんですか?」


「ん?あぁ、そういうことか。勘違いしてるが、その八つ子は精霊族だぞ?」




 精霊、彼らは肉体を持たず他の3種族の住む世界とは別の、精霊界と呼ばれる場所に暮らしており、時折他の3種族の力有る者に情報を与えたりするが基本的には精霊界から出てこない。

 だが、"気"の扱いに長けた者による"深化"、"魔力"の扱いに長けた者による"降臨"により契約を結んだ精霊は精霊界から抜け、契約者の力となる。




 たしかそんな事をガロティスに来る前にヴィエラさんから聞いたっけ。

 それにしても精霊界から殆ど出てこないくせに出たと思えば武道大会開くとか。精霊自由だな。


 そんな俺の内心に気づいたヴィエラさんはさらに続ける。


「ユウト、もう一つ勘違いしているようだから言っとくが、精霊は武道大会を開くために精霊界から出てきたわけじゃないぞ?」


「あ、そうでよね。なら元々は何しに?」


「まぁ諸説あるが、ユグドルが悪神マナシアを討伐する際に呼び出した"八大精霊"が今もこちらの世界に留まり、ユグドルの"人々を守り続けろ"と言う命令に従って、というのが有力だな。」


 またクソ神かよっ!ってかその"八大精霊"ってまさかクソ神の分身とかじゃねぇだろうな?



 ティトト、ティトト、ティトト、ティン

 ティトト、ティトト、ティトト、ティン

 ティトト、ティトト、ティトト、ティン


 あ?電話?


「ヴィエラさん、ちょっとすいません。」


「ん?あぁ。」


 俺はそう言ってヴィエラさんから少し離れて電話に出る。


「よぅ、クソ神。昔かなりはっちゃけたらしいな。」


「ふぉっふぉっ。若気の至りじゃ。」


「で?何の用だ?」


「いやなに、丁度精霊の話をしておったからよいタイミングじゃと思っただけじゃよ。話に出た"八大精霊"おるじゃろ?」


「あぁ。やっぱりお前の分身か?」


「いやいや、まさか。その"八大精霊"は正真正銘のマナスの住民じゃよ。それでのぅ、"八大精霊"は少し長く精霊界を離れたせいで少し弱り始めてるようなのじゃ。」


「ふーん。っていうかなんで態々マナスの精霊を呼んだんだ?マナシア相手に手こずったのか?」


「ふーんってお主。いや、手こずったわけではなく儂が封印した後の事を考えてじゃ。その"八大精霊"こそマナシアを封印しとる鍵なのじゃぞ?」


「鍵?」


「そうじゃ。彼らには封印の地。まぁ"八大会"と呼ばれる大会の開催地の丁度中央なのじゃが、その地を封印してもらうために、丁度地図で"八大会"の会場を結ぶと八芒星(オクタグラム)となるように封印の陣を形成してもらっとる。誰か一人でも欠ければ忽ち悪神が復活するじゃろう。」


「へぇー、大変じゃん。しっかり仕事しろよクソ神。」


「お主そろそろ儂への態度を改めようとは思わんのか?」


「・・・全く?」


「・・・」


「・・・」


「はぁ、そこまで強情な奴は神になってお主が初めてじゃわ。まぁよい。そこでじゃ。お主には"八大精霊"たちに少し届け物をしてもらいたいのじゃ。」


「届け物?自分で届けられないのか?面倒なんだけど?」


「すまんがこればかりは確実に届けなければならんのでな。直接渡しに行く他無いのじゃ。」


「ふーん、で?何を届けるんだ?」


「おぉ、届けてくれるか。」


「正直面倒だが、悪神が復活したらまず俺の命が危ないんだろ?ならやらない訳にはいかないだろ。」


「すまんな。まさかマナシアがここまで行動を起こしてるとは思わなんだ。届け物はスマホのフォルダに届けておくから"八大精霊"の近く、そうじゃのう、大体視界に入るくらいまで近づいたら送信ボタンを押せば届くように連絡先を追加しておこう。」


 ピロンッ


 クソ神がそういうとスマホに着信音と共にデータが送られてくる。

 データを開くと"火"、"水"、"風"、"土"、"雷"、"闇"、"光"、"無"と書かれた8つの連絡先が追加された。


「連絡先わかるなら直接送れよ。ってか呼び出せよ。」


「いや、この連絡先はあくまで一方通行の送信しか出来ん上に届く範囲が短いんじゃ。」


「まぁいいや。で?これを持って"八大会"を巡れと?」


「すまんがそういうことじゃ。何、お主の強化にも繋がるじゃろうて、悪い旅ではないと思うぞ?」


「そう言ってまたクラトだけ強化されるんじゃないだろうな?」


「今回はお主毎強化されるはずじゃ。というか、"God式"をダウンロードして放置は酷いと思うんじゃが?クラトしか見とらんぞ?きっちり見ておれば五星魔(ペンタプル)の相手ももう少し楽に出来たろうに。」


 えっ、何。クラトって本当に"God式"見て超音波振動とか思いついた訳なの?


「ん?追い返せた?何言ってんだ。後藤(ごとう)ならきっちり倒しただろ?」


「いや、残念ながら止めを差す前にあやつは"脱兎"という技で逃げ仰せたぞ?勇者を連れてな。」


「嘘だろ!?あいつ、逃げただけならまだしもアキラまで誘拐しただと?」


「正確には勇者はマナシアの言葉に堕ちたのじゃがな。」


 アキラがマナシアの言葉に堕ちた?

 あの真面目なアキラが?

 ということはアキラが消えたのは自分の意思?

 しかもあれだけ手こずった後藤(ごとう)まで生きてるだと?


「おーい、戻ってこんかい!」


 ビクッ


「お、おぅ。なんだクソ神。驚くじゃないか。」


「はぁ、はぁ、戻ってきたか。ともかく、勇者は向こうの手に、五星魔(ペンタプル)は全員健在。圧倒的にこちらが不利なのじゃ。必ず"God式"で"魔力"のトレーニングをするんじゃぞ?」


「ん?"魔力"のトレーニング?」


「はぁ、お主、それも忘れておったのか?道理で従魔が増えん訳じゃな。きっちりお主をマナスに送るときに言わなんだか?お主の"魔力"の量に比例してスマホの容量が増えると。」


「・・・・・・・・あぁ。」


 なるほど。道理でスライム一匹で要領が一杯な訳だ。

 これは、あれだな。


「・・・てへぺろ!」


「はぁ、よいか、死にたくなければ必ず"God式"を見るんじゃぞ?」


 プツッ


 あ、切れた。まだ聞きたいことあったのに。

 にしても、そうか。"八大会"は何がなんでも巡らないといけなくなったのかー。

 正直言えば面倒だな。


「ユウト?もういいか?」


「あぁ、すいません。終わったんでいいですよ。何ですか?」


「いや、"八大会"、というか"ハロルディア"は結局どうする?出ないにしても、その、二人で見に行ったりとか。」


 ここに来てデートのお誘いだとっ!?

 ヴィエラさん、いつも自信満々なのに何故そんなに控えめなんですかっ!

 くそっ、クソ神の予定通りなのは気に食わんが背に腹は代えられん。

 ヴィエラさんやニアちゃんたちを守るためにもマナシアの封印強化は必須か。


 ・・・なによりヴィエラさんとデートだしっ!!


「行きましょう!二人で!俺優勝目指しますよ!!」


「お、おぉ。すごい気合いだな。だが優勝は難しいと思うぞ?何しろ世界中から"八大会"制覇を狙う猛者が集まるからな。」


「いえ、必ずヴィエラさんに優勝トロフィーを捧げますよっ!よぉーしっ!やるぞぉ!!」


 狙うは優勝。"八大会"は何でもありだしクラトが居れば百人力だぜ!

 まずは"God式"から始めるか・・・


「いや、優勝トロフィーはないんだけどな・・・」



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