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また、お会いしましたね。
そうですか。殺し合いをやめたいと。
残念ですが、それはできません。
陽、和馬、優介の3人の戦いと思ってるようですが実は違います。
陽が言った通り、皆さんは3代目なのです。
2代目の3人。初代の3人。現実世界の3人。計12人の殺し合いです。
止めたいと思っても、2代目、初代、現実のあなた達に伝える手立てはありません。
それでも止めたいのであれば・・・
「うわぁあ!」
くそっ、またあの夢か。4日間見なかったが、また見えるようになってしまった。もうこの話は忘れてしまいたい。どこぞの戦争博物館にあるビデオなんか見ても怖くなんかなかったが、自分達がやらなければならないとなると足が震えて止まらなかった。
深夜4時半頃。この夢を見てしまうといつも途中で起きてしまい寝不足になる。シャツと体が張り付くほど汗をかき、寝なきゃいけないのだが気持ち悪くて今の状態ではとても寝れなかった。仕方ないのでお風呂に入る事にした。
浴槽に入ったごみが浮いている冷水を流し、湯を入れゆっくり浸かりたいものだが、そんな悠長にしていたら立ったまま寝てしまうだろう。俺は仕方なくシャワーで済ませる事にした。
バシャバシャと床に水が跳ねる音が風呂内に反響して鳴り響く。この反響された音がどこか切なさを感じさせる。こんな事も3年後には出来なく・・・いや、今考えるのはよそう。こんな状況でさらにブルーになっては頭が床にめり込むだろう。俺は頭と体を足早に洗い、ゆっくり湯にあたらず風呂から飛び出した。
「おーい? 電気つけっぱなしでなにして・・・きゃあああ!」
「うわあああ!?」
優介とゆかりの叫び声で目が覚めた。一体何があったというのだ。不審者が来たというのなら全力で殴り飛ばそう。俺は「よっこらせ」と爺臭いセリフと共に立つ・・・
なにこれ、俺裸じゃん。
タオルを軽く腰に巻いた男子がよっこらせと起き上がってきたのだ、そりゃ叫ぶに決まっている。何が不審者がいたら殴り飛ばそう だ。自分が不審者じゃないか。
「ちょ、俺なんでこんな・・・ぎゃああああ!」
「きゃあああ! こっちこないでぇぇぇぇ!」
大事な所を隠すタオルがハラリと落ちてしまいゆかりの前に露わになった。またタオルで覆えば済む話だが、深夜に起きていた事もあり、思うように働かなかった頭はタオルを巻く作動よりも衣服を探すためタンスに向かう作動が優先化された。
「ちょちょちょちょちょっとーー! まさか不埒な行為とかしてたの!?この変態さーーん!」
プロ野球ピッチャー並みの速度でクッションが飛んで来て顔面にクリーンヒット。なんだこの朝は。
朝っぱなから変なフラグを立ててしまい挙句の果てにはあれを晒すというとんでもない朝を迎えるがまだ9時37分。当たり所が悪かったらしく、額にはアザができている。女子とは怖いものだ。ちなみに俺は風呂場を出てすぐの洗面所マットの上で寝ていたらしい。なんてとこで寝るんだ。
「さ、朝ごはんできたから、食べよう?その後買い物だよ?」
「は・・・はーい」
見てくれてありがとうございましたm(_ _)m