表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Delete - デリート -  作者: たらこパスタ
- 初代達の意思 -
23/23

- 小説世界の終わり -

 目の前にいる俺は俺をどうしようとしてるのだろう。あいつの目的が見えない限り、「最善策」というのは見つからない。ただ自分自身に殺されるのだけは絶対に嫌だった。

 今までにない怒りの塊を纏い、人格すらもふっ飛ばし、我を忘れ、殺意だけで殺そうとした。どうしようにももう止められない。

 「お前の目的はなんだ!俺はもう用済みのはずだろう!」

 そう。もう気づいていた。俺はすでに死んでいる。分かった事はあいつが3代目を殺すと必ず意思の通じた「2代目」が怒りを持って現れるのは目に見えている。

 和馬がDeleteしてしまった3代目の物語はあいつが復元させ、まだ続いている。本当に和馬と優介を殺す為ならDeleteさせて好都合ではなかっただろうか。

 「和馬と優介を殺す為なら!なぜDeleteを創った!なぜ消してしまった3代目を復元させた!」

 自分では精一杯叫びかけているつもりだが、がくがくと震えた膝や腕はもはや使い物にならなかった。

 「ほんとお前馬鹿だな。自分で創ったくせに。わかんないのならわかんないでかまねぇよ。お前は既に死んでるんだから。」



 もう、限界だ。相手は俺の書いた小説を持っおり、あいつも「コピーペースト」が使えるのは知っている。だけどこちらはナイフ1本。敵うわけがない。

 俺は声にならない声を叫び続け、ひたすら「(しょうせつ)」にナイフを構えて突進した。


         「ガンッ!!!!」


 何が起こったかわからない。ただ、これだけは分かる。俺は負けた。乾いた音はまだ脳裏に鳴り響く。

 俺は、結局何がしたかったんだろうか。面白半分に小説を創り、こうして小説に襲われ、殺されたのだ。もちろんこうなるとは思ってなかった。


 なんだこれは・・・。俺が使ってたパソコンだ。DeleteキーとEscapeキーが取れて壊れている。手を伸ばすがユラユラと透けて掴む事ができない。

 あたりを見回す。机に散らかったプリントと教科書。イスには制服が掛かっている。そして・・・

 「陽! お前なら出来る!俺らには出来ないが、小説を創ったお前ならあいつに勝てるはずだ!」

 和馬。

 「はは・・。俺の登場はなかったけど、まぁ。陽ならできる。俺達の事は構わないからさ。セカイが壊れてしまう前に。」

 ゆかり。

 「お義兄ちゃん。ごめん・・・。 僕、やっとわかったよ。2代目は死んじゃったけど、初代として僕はまだここに居るんだ。全部、終わらせて。」

 優介。

 「好きだったけど・・・。もう一緒にいれないんだね。私が消えても、忘れないでよね。」

 茜。

 みんな・・・。

 「ごめん・・・。 俺は何がしたかったのかよくわからなかったけど、犠牲にしてしまってごめん・・。」

 俺は平静を保てなかった。次々に涙があふれ出てくる。皆俺に優しくしてくれた・・。なのに・・ 小説ごと皆も消去するしか手はなくなった。

 大画面のディスプレイには黒い文字で埋め尽くされている。

 キーボードを改めて確認してみると・・・ 触れる。

 DeleteキーとEscapeキーは壊れたままだが、小説を書けるこのサイトでは、上書き保存する事が可能だ。

 Deleteは上書きする事はできなかったが、「リアリティア」を消してしまえば、あいつも消えるかもしれない。 皆も・・・・。

 「・・・みん・・な・・ っ・・。 ごめん・・・・。」

 皆はにっこり笑うと、幽霊のように透け、消滅してしまった。

 キーボードに涙がこぼれ落ちる。

 「うわあああああああああああ!!」

 消去しますか?


 Yes←   No


 本当に消去しますか?


 Yes←   No


 人として具現化してしまった小説は、小説を復元させる事はできず、そのまま消失した。ゆかりも、和馬も、優介も、茜も。小説を消去したことにより、初代も2代目も消失した。


 終わったんだ・・・。 何もかも・・。


 意識が薄れていく。何もいない自分の部屋に「ごめん」とひたすら唱え続けた。


 目が覚めた。  ・・・目が覚める・・・?

 俺は初代も2代目も3代目も。殺してしまったはずだ。なぜ生きてる?

 俺はいつものベッドにいつものように寝ていた。和馬のように朝からがたがたとうるさい朝が恋しい。

 体を起こし、散らかった参考書やプリントを足で退()かしながら階段を降りる。

 ・・・?

 リビングに行くとゆかり、優介、茜、殺してしまったはずの皆がソファーに座ってテレビを見ていた。

 「お、陽!おっそいよ。」

 「え・・・? 皆?」

 「いやー、確か茜って『コピーペースト』持ってたよね?4代目造ったんだよ。」

 ・・・?あの場所能力使えなかったはずだ。もし使えてたら俺はすでに「コピーペースト」を使ってあいつと戦っている。

 「ふふ、実は、俺達はあの場所にいたんじゃなくて、3代目の陽の家に居たんだよ。陽のパソコン開いたら住所書いてあったからね。」

 「えっ・・・ てことは・・・?」

 「うん。陽のディスプレイにずっと話しかけてた。」

 やっぱりか・・・幽霊のように消えるわけ・・、ないもんな。

 「そういえば、和馬は・・?」

 「和馬はすでに4代目いたんだって。今まで3代目和馬にずっと喋りかけていたんだって。小説が途中で終わってしまって、勇者としての役目が全く無かったからね。」

 そうか・・・。 じゃあ終わったんだな。

 俺は嫌われないだろうか。普通見捨てられる状況だ。それでも4代目を造ってたという事は、皆も俺が必要なのかもしれない。友達だから。


 「よっしゃー! パーティやろーぜー!!!!」

 「いえーーい!!!」


Delete リアリティア篇終了です! お疲れさまでした!

次はエスケープ篇ですね。がんばります^^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ