- angel -
朝だ。昨夜に和馬とゆかりと俺でずっと{能力}の話をしていて、確か午前1時を回っていたと思う気づけば寝ていたようだ。
さて、そろそろ起きるか・・・って、
「ガン!!」「いってぇぇえええ!!!」
頭をテーブルで強打した。確かソファの上で寝ていたはずだが・・・。
俺の寝相の悪さによりソファから落下し、さらにソファの前にはテーブルがあり、寝がえりでテーブルの下に潜りこんでしまったというわけだ。
この間まで和馬の寝相の悪さを笑ってたくせに。人の事言えないじゃないか。このやろう。
「何?さっきの音。優介~?大丈夫?」
「ま・・・まぁ。」
ゆかりがキッチンから飛び出してきた。やっぱりゆかりは早起きだ。こんな時間から朝ごはんを作るのは大変だろう。まぁ、こんなに早起きできるのは羨ましい。
「今日の朝ごはんは鮭の塩焼きね。」
昨日の晩ご飯のハンバーグを食べすぎて鮭の塩焼きが美味しそうに感じなくなってしまった。もったいない。
俺の{圧縮する}能力は、時間でどんどん薄れてやがて能力が解けて元に戻ってしまうらしい。今この状況で運動などをする事があれば俺は間違いなく口からアレが出るだろう。
ピーンポーン
「ごめーん、私今無理だから優介くんでてくれる~?」
「はいはい」
そういえば和馬のキーボードがEscapeボタンが動かないとかいってたな。パソコンも起動はするけど反応はしないらしいし、多分それだろう。
俺はかかとを踏むようにサンダルを履いて、ドアに手を伸ばした。そこには・・・
「俺だ。 優介だったかな。 ちょっと大人しくしてくれ。」
1冊のタイトルに「非現実的な日常」と書かれているノートを持った青年が立っていた。
「陽か。殺し合いってのはなんでしなきゃいけないんだ。」
「そんなのはどうでもいいだろう?所詮お前らは小説の中の命だ。俺は小説が完結さえすればいいんだ。」
というと陽はノートをペラペラとめくり始めた。どのページにも文字で敷き詰められていて、真っ黒になっている。
「そんなのはってどういうことだ。創造主だったら何をしてもいいのか」
「うるさいな。いいから大人しくしてくれ。」
そういうと陽はページをめくるのをやめ、あるページを開いて玄関前の床に叩きつけた。左のページには天使、右のページには勇者と大きく書かれており、勇者の文字は赤黒く塗りつぶされていた。
危険を察知した俺はドアを閉めて逃げようとしたが、既に俺は陽に捕まってしまった。
「いいか?お前は今日から悪魔になるんだ・・。」
嫌だ。わかったんだ。殺し合いをする理由が。和馬に伝えな・・・い・・と・・ ガガガ・・・
『はい。マイマスター・・・ ガガガガ。』
!? 意識はあるのに体が勝手に動く。口が勝手に開く。 くそ・・・
このまま・・・じゃ・・ ガガガガ。
陽はまたペラペラとページをめくりはじめ、「茜」と大きく書かれたページを破り、地面に置いた。
「コピーペースト・・・。」
そう陽が目を閉じて言うと地面に置かれた紙が消え、陽の姿が茜に変わってしまった。
やばい、陽はこんな能力なのか・・・。人をだます事が簡単に出来てしまうじゃないか。く・・・
いつの間にか俺の体の左半分は機械を取りつけられたのような重さを感じるようになった。もうダメかも知れない。
「セカイを探しに行って来る。 ガガガ・・。」
ここでは俺が何をしでかすかわからない。きっと和馬が来てくれるだろう。
ごめん・・・。
見てくれてありがとうございました。




