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「はぁ・・・ くそっ、何でだ!」
俺はクソ陽に宣告された3年は、どれだけ有意義に過ごす事ができるのだろうか。3年後はきっと、いや、確実に「自由」や「平和」なんて言葉を口にする事は叶わないだろう。
この先死ぬという事は目に見えている。「寿命」なんていうものではない。きっと無残に見下されながら殺されるんだ。でも、なぜそれでも諦めず3年を生きようと決意したのだろうか。自分で決めたくせに自分でもわからない。
確率に100%は存在しないのだと、たった0.00数%にすがっているのだと思うと自分が嫌になるどころか、情けなく思えてくる。
本当に何もせずただ待っているだけで良いのか。運命をこの手で変えることだってできるはずだ。たとえこの身が小説上の登場人物であり、すでに決められた展開を迎えようとも、自分は自分の意思で動く事ができるのだ。
そこである事に気が付く。クソ陽は確かに展開を描く「作者」だから、「そのような展開になるのはすでに定められている」が、「登場人物を余計な事をさせないようにするプログラム」はできないという事だ。もしそうでないとしたら、自分の意思で体が動くわけがない。
勝機はそこしかない。敵である陽が3年も与えると言う事は、きっと負けない自信があるのだろう。よくアニメなどで言う
「言い残す言葉はあるか」
の延長線上の言葉なのだろう。
おかげで希望を持つ事ができた。その希望を踏みにじる為の与えた3年なのかもしれないが、これはまぎれもない迎撃のチャンスだ。
いてもたってもいられなかった俺はベッドがら跳ね起き、新品かつ故障したキーボードの前にあるディスプレイに向かって「音声検索機能」で叫んだ。
「教えてくれ!俺はどんな登場人物なんだ!」
次の瞬間、部屋が闇に包まれ、壁側にあるベッドや机。床で寝ている優介。ソファで寝言を言いながら寝ているゆかりが闇にまみれ消失した。
気づくと真っ暗のブラックボックスのような箱のような部屋におり、地面には淡い光を放つ文字が並べられていた。とてつもない数の平仮名・片仮名・漢字が床を埋め尽くす。その漢字の中でも2単語だけ、異様な光を放っていた。
ようこそ。また会いましたね。
あなたはどんな登場人物かという事ですね。
ふふふ。床を見れば分かりますよ。それが答えです。
あなたは私で、私はあなたです。迷ったら、いつでも来て下さいね。
声が消えると同時に、床の文字がだんだんと消えていき、異様な光を放つ2単語以外は消滅してしまった。
「床を見ればわかる ねぇ・・・」
その時、改めて非現実的な日常の登場人物なのだと思い知らされた。これからどういう展開を迎えるのか。少なくとも、ゆかりや優介の先よりは厳しい道が待っているはずだ。俺は床にある2単語を見ながら呟いた。
「俺は{勇者}で優介が{天使}か・・・。」
見てくれてありがとうございましたm(_ _)m




