三巡目
【十二月十八日】
気付くと俺は自分の部屋のベッドに居た。日付は十八日。これで二度目の改変だ。気を引き締めて行こう。
だが、まだ俺にはわからない事が多い。どこをどうすれば未来が変わるのか、何が鍵になってくるのか、それがわからないまま一日目は過ぎてしまった。
【十二月十九日】
「……俺は何をすればいいのか」
『やりたい事をやりなよ。どうすれば彼女を助けられるか、その方法を考え実行するも良し。今回は捨てて情報集めに徹するも良し』
美咲の命をそう簡単に捨ててたまるものか。俺はファネッサの言葉で言う前者を取る事にした。
【十二月二十日】
ここまで、最初と何一つ変わらない日常を過ごしている。殺人事件やお袋の心配、そして今日、美咲とクリスマスの約束をした。
『君は悠長だねえ』
「はぁ? どういう事だ」
この問いにファネッサは答えなかった。
【十二月二十一日】
この言葉の意図と言うか意味というか、そう言ったものを今日思い知らされた。夕方、コンビニへ買い物へ行った帰りに俺は刺された。後ろから包丁で心臓を一突き。
「か、は……っ?」
『あーあ。言わんこっちゃない』
意識が段々薄れ、俺の意識は完全に闇に落ちた。
気が付くと俺はあの光の空間に居た。




