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不登校が久しぶりに登校したらクラス転移に巻き込まれました。  作者: ちょすニキ


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24/102

24話ステータス値がおかしくなってるんだが

'渚、とりあえず進化出来るものは進化してくれ'


投げやりに呟くガゼルと反対に明るく元気な声で返事を返す渚。


『かしこまりましたマスター!』

「おぉ」


持っているスキルの量と質が関係している進化のせいか、身体から溢れる光もかなり大きく明るい。⋯⋯その光が消えるまでに約5分程かかった。


**

**

「やっと、終わったか」


アイテムボックスから木で作った椅子替わりのやつを取り出して一服しながら待っていたガゼル。


'しばらく時間がかかったな'

てか、進化しているスキル量が多すぎだろう?こんな待遇は他でもあるんだろうか?それならいいんだがな。

 俺だけ"チート"みたいな事を独占したっていいことなんてないしな。知識やノウハウは出すべきではないというのが俺個人の持論だが、こういうステータスとかスキルは特典なわけだし、何より⋯⋯異世界なんて来た奴らなんだ、少しくらい良い思いくらいしたいだろう。


 俺はいいが、同じクラスの少年少女達がこんなかけ離れた時代に転移して大丈夫だろうか?


ガゼルがなんとも言えない表情を見せながら空を見上げる。


ここはよくある異世界定番の世界観。

中世系の世界な訳だが、中世は歴史から見てもかなり酷い時代でもある。子供は道具、愛情や他の俺達が当たり前だと思っている感情なんて皆無だろう。殺しもあれば、障害を抱えている子供とかなんて考慮などされない。

 言うなれば⋯⋯かなり俺達にとってはしんどい時代ってわけだ。そんな中で当たり前の価値観と言って、いきなり俺達の時代の考え方なんか押し付けてないといいがな。そこが唯一心配するところではあるが。


独り言を呟くガゼルの元へ1匹のウルフが嬉しそうに現れる。それに気付いたガゼルが頭を撫でた。


「おーありがとうなぁ〜」

「クゥーン♪」


そんな笑顔で鳴いているウルフだが、口周りは血だらけである。ウルフも必死に反対サイドで互角の相手となる魔物達を大量とまではいかないが、それでもかなりの量を仕留めた後は一か所に出来る限りの丁寧さで並べられていた。


'なんかわからんが、ある程度のところで森へと返そうかと思ってたけど、大分愛着湧いちゃったよ。一応動物だし、散歩とか餌も必要になるしな〜⋯⋯'


ん〜育てるってもなぁ〜、そもそもコイツはなんで俺に着いてくるんだ?あの時だってなんかコイツだけが戦いを止めていたしな。


とにかく、動物は出来る限り人の手で育てると後が危険だ。最低限の躾だけ出来ていれば良いだろう。


『やっと完了しましたマスター、詳細ウインドウを表示します』

「頼む」

────────────────────

【名前】神門 創一

【年齢】17歳

【種族】人なの!?byアルテミス

【職業】覇者Lv89


HP80万 MP 68万


攻撃力55万 防御力 49万 素早さ 75万

魔法攻撃力 73万 魔法防御力69万 魔法耐性93万

魅力8000運 500 2つとも測定が間に合いませんでしたっ!☆


生前(●●)取得スキル】

・暗算LvMAX・速読LvMAX・高速思考 LvMAX

・マルチタスクLvMAX・精神耐性LvMAX

・苦痛耐性LvMAX・精神汚染抑制LvMAX

・野生の勘LvMAX・並列思考LvMAX

・王のオーラ・王の威圧LvMAX

・感情抑制LvMAX ・空手LvMAX

・神門式格闘術LvMAX (複数有)

・気功術LvMAX・柔術LvMAX

・ムエタイLvMAX・八極拳LvMAX

・太極拳LvMAX・詠春拳LvMAX

・少林寺拳法LvMAX・ジークンドーLvMAX

・システマLvMAX ・暗殺術LvMAX

・ブラジリアン柔術LvMAX

・軍隊格闘術LvMAX・レスリングLvMAX

・ボクシングLvMAX

・キックボクシングLvMAX・詐術LvMAX

・話術LvMAX・身体操作LvMAX

・瞑想LvMAX・歌唱力LvMAX・努力LvMAX

⋯⋯他1871(、、、)以上の生前(●●)スキルを確認。


【職業スキル】

・王への道を歩むもの

常時全ステータス4.5倍


・王者の咆哮

威圧スキルの中でも最上位の一方手前のスキル。

大抵の相手を恐怖、緊張状態にする事が出来る。


・王者のカリスマ

自分の周りへの魅力が増える。


【スキル】

表示出来ません。

量が多すぎて処理出来ません。

・新スキル創造魔法を入手しました。


【適正】

オール


【称号】

表示出来ません。

────────────────────


な、なんじゃあこりゃあ!?一体どうなってるんだ!?


目を見開きながら画面に映っている信じられない数値を何度も確認するガゼル。


『マスター恐らくですが、経験値取得スキルMAXの効果だと思われます』


'経験値取得か'


『はい、本来そのスキルは──勇者しか持っていないスキルです。マスターには特別にお話する内容ですが、勇者召喚にて現れた勇者が何故レベルやスキルが優れているのかはご存知ですか?』


'そりゃ、夢と希望の為⋯⋯というのは置いておいて、早急な順応を促す為ではないのか?地球人にとっては、魔力だステータスだなんてのは空想上の物だしな'


『仰る意味も理解できますが、一番の理由は──魔王討伐の役割としての召喚だからです。従って勇者達は現地の人間達より何倍も早く成長することができるのですが、マスターは|召喚や転移ではないので《、、、、、、、、、、》明らかに逸脱した速度で成長しているのです』


'そうか⋯⋯なら、この異常性の説明がつく。だが、職業の覇者とレベルの上がり幅がイカれていないか?その説明は?'


『はい、この世界の魔物にはレベル制限がありません』


'待てよ?'と同時に煙草に火をつける。


まさか、このレベルの上がり方──。


『はい。御察しの通りまず流れとしましては、修羅道レベル0から100を通り越して覇者という流れになります。そこに至る全ての経験値でもこのレベルしか上がらないことがまずこの職業の異常性を示しています。何故なら──あのオークのレベルは411でした』


'411⋯⋯'


溜息混じりに軽く頭を抱えるガゼル。


嘘だろ?あれで411か。なら幹部クラスはどんだけ強いんだよ〜。悩んでいるワケじゃねぇ。負ける心配ではなく、スキルや職業によっては──武器を使わなきゃならねぇ。


ガゼルの視線は、自身の右手を見下ろしていた。だが数秒眺めていたその瞬間────ノイズのような音と共に声と何かの想いが心の内側に入ってくる。



─「助けてください!お願いします!何でもしますから!」

─「人殺し!!なんでこんなことをするの!?私達にどんな恨みがあるの!?」

─「いつか⋯⋯殺してやる!生まれ変わっても絶対に忘れない!!!」

─「此度の※※者であり、※※の※※※くんには※※と※※※※※を約束しよう!これはあくまで※※である君への※※※※※だと思ってくれ」

─「死ねっ!偽善者っ!!!さっさと帰れッッッ!!」



「はっ⋯⋯!?」

「くぅ〜ん?」


額には脂汗が滲み、普段全くといっていいほどかかない汗が全身に流れていた。それを止めたのは⋯⋯ただ構ってほしかったウルフのお陰で謎の声と張り裂けそうな誰かの感情がガゼルの中で暴れ狂うように膨らみかけていたモノが収まった。


動き回っていないのにも関わらずどっと疲れが押し寄せる。


「ハァ⋯⋯ハァ」


'なんだったんだ?今のは'


『マスター大丈夫ですか?精神異常が一時的に90%を超えましたが』


顔が見えることはないが、きっとすごく心配しているんだろうと思うくらいには、真剣な口調の渚だった。


'あぁ、問題はない。すまない'


そしてもう一度右手(●●)を見つめるガゼル。


「俺は⋯⋯なんの為に生きているんだろうか」


何か⋯⋯大切なモノを忘れている気がする。

大切な⋯⋯大切な何かを。

でもなんだろう──何も思い出せない。


ゆっくり握りこむ。


「はぁ⋯⋯ヤメだ」


らしくねぇ(、、、、、)事はいい。

すまない、渚?


『はい!』

'それで?経験値の話があったよな?'

『はい、そしてもう一つのスキルがボーナスなんですよ』

'ボーナス?'

『はい。分かりやすく説明すると、一つ目の物が上がりやすくなるように数値が予め減らされている事によって成長速度がグンと上がるモノですが、こちらはその逆⋯⋯数値に更にボーナスが掛かっているんです』


'あぁなるほど'とガゼルがそこで話を止めさせる。


なるほど。つまり──俺は約2から〜?倍くらいの経験値を得ている訳だな?減った上で計算している合計から、更に2倍にしていると。


『理解が早いですね。仰る通りです』


'アルはなんて力を俺に与えてんだ'

溜息をつきすぎて寿命が力尽きるのが先だぞ?こりゃ。


『そしてマスター、転職無制限スキルのレベルが上がり、進化する前のステータス加算が新たに追加され、今後もこの高いステータス値を維持したまま他の職業を選択することが出来ます。まだ発動していないので、完全とまで行きませんが』


'次から次へと'


経験値の異常上昇に、それに伴ったスキル運用の大幅変更。マジで?後で世界でも救えとか言わねぇよな?


'勘弁してくれよ?'と青空を見上げながらガゼルがそう心の中で呟く。


「⋯⋯ふぅ。俺さ?まだ異世界転移して一ヶ月もたってないんだぜ?イベント多すぎだろ」


はははと空笑いを浮かべながら独り言をボソボソ呟きながら灰を落とす。


「ったくよ」


ガゼルが鼻で笑いながら青空をポケ〜と見ていると、何処からか声が聞こえる。


「ん?」

「ご主人様〜!!」


'ご主人?'

なんだ?貴族でもこの辺を通ってんのか?どこみても舗装なんてされてねぇが?


「ご主人様ぁ〜!」


声は近い、それもかなり近い距離。なんだ?俺は幻聴でも聞いているのか?


「こっちですよご主人〜!」


あ?よく聞けばちょっと女性っぽい?だとしたらセレーヌか?いや、なんでこんな所に?


⋯⋯いや?そもそもこんな声してないぞ?セレーヌは。


困惑しながら周りを見渡すガゼル。


「ご主人様違いますよぉー!ボクですよー!」


'はぁ!?何処だ?'


「ここですよ!ここ!」

「あ?」


視線の先にはウルフしかいない。まさか⋯⋯。


「お前か?違うよな?」


確かめるように苦笑いを浮かべながら尋ねるガゼル。


「はい!ご主人様!」

「⋯⋯そうか」


'マジかよ、なんか喋りだしたぞ?ファンタジーっぽい'


「お前はなんで話せるようになったんだ?レベルが上がったからか?」

「喋れるようになったんじゃなくてご主人様が話せるようになったんですよぉ〜!」

「ていうのは⋯⋯あ」


話しながらふと思い出す。


'さっき魔物達の言葉が分かるようになったからか'


「ご主人様ぁー!名前をください!」


ぶんぶん尻尾を振りながら待機しているウルフ。


'うん?あ、確かに考えてみれば、俺らだったら人間って呼ばれてるわけだもんな'


ん〜。オスだよな?なら、ロイヤードにしようかな。


「お前は今日から、ロイヤードだ」


ドクン──。


'ん?'

一瞬すげぇ心臓が重いくらい大きく打ったが。


そう呟いたと同時に眩しい光が輝き出した。


「⋯⋯っ」


手で眩しいくらいに輝く光を隠し、10秒程経過する。


「え?」


目から手を退かして見ると、普通じゃねぇくらい凄い大きな狼が目の前にいるんだが。


「な、なんじゃこりゃァァ!」


慌てるガゼル。それを止めるかのように同じトーンの優しい声色で「ご主人様!」と話し掛けるロイヤード。


「やっぱお前だよな?ビックリした〜」

「ご主人様〜!!」


ウルフがガゼルの懐へと飛び込む。あまりに重くなった体重に驚きながら後ろへと倒れる。


「デカイ!重い!突然!」


そういうガゼルではあるが、その顔には優しい笑みを浮かべている。


興奮しているロイヤードの呼吸が当たりながら大の字になって寝ているガゼルは、脳内で色々考えていた。


'デカ過ぎる'

何だこれ?布団じゃないか。

どうする?この大きさになった状態で預かり所に戻したところで無駄に金を取られそうな気がしてきたぞ?


「ロイヤード、お前小さくなれないか?」

「はい!ご主人様!小さくなります」


'元の大きさになった⋯⋯マジで良かった'


この調子で今後もいてもらわないと⋯⋯絶対にマズイ。本当に良かった。


「ロイヤード?その力はなるべく見せるなよ?」

「はい!ご主人様!!」


お座りしながらガゼルを見上げるロイヤード。


'よし、これで変な事を言わないことが確定した'


後は──。


ガゼルが次の煙草を口に咥えながら立ち上がる。そのまま死体の道が広がるど真ん中をゆっくりと見回しながら進む。


魔物は魔石⋯⋯コアを落とすはずだ。これを売ることによって冒険者は高い金を得られるワケだ。


だがそれは一般の冒険者の場合。異世界組⋯⋯つまり俺や他の連中の頭にはこういうワードがチラつくはず。


"生産職なんかで魔石を利用した魔導具とか作れんじゃね?"と。


間違いない。転職無制限を強請ったのもその為だ。努力は勿論する。ただ取れるという明確な契約が必要だ。


さて、それまぁアレク達や数人の参考人にみせて相場を測るとしよう。


「ロイヤード、一緒に魔石回収を手伝ってくれるか?」

「勿論ですっ!ご主人様!」


気持ちの良い返事と共に、ガゼルとロイヤードの二人により回収競争が始まった。



**

**

ブォッ──!

葉が物凄い勢いで揺れる。一瞬で全部回収して高速で駆け回るガゼルの姿が映る。


「まだまだだな、俺の方が60個多い」

「⋯⋯まさか僕が負けるなんて」


320vs260でガゼルの勝利。

最初は勿論ロイヤード優勢だったが、効率を学んで勢い増すガゼルの速度に次第に遅れて今のような差にまで広がった。


「まぁ、忖度もあるんだろう。仕方ないさ」


'そんなわけないのに'

心の中ではそんな言葉を呟いているロイヤード。


「ん?これは」


落ちているのは一際大きい魔石。明らかに普通じゃない魔石の大きさと輝き。そのせいで互いに高速で駆け回りながらも最後にここにやってきてロイヤードとガゼルが合流を優先させたのはこの為だ。


「何だこの大きさ、クソデケェな」


1mはあるか?この魔石。


ガゼルが煙草を口に咥え、両手で持ち上げることを試す。


'中々重い'

普通に腰に悪そうなくらい酷いな。それに禍々しすぎる。

 色は黒寄りの紫。岩石みたいな形状をしている。こりゃひでぇ。


「恨み⋯⋯か。人への」


魔石を慎重に下ろし、撫でるように片手でなぞる。


─「人族ぅぅ!!」


「⋯⋯⋯⋯」


'彼らに何があったんだろうか'

あの執着心に憎悪。俺も人はどうしょうもない生き物だと思う。


──自分も含めて⋯⋯な。


理性と感情の2つを兼ね備えた生物を創造した奴にはどうも嫌な気持ちがするよ。


 ファンタジー世界に来て、似たような出来事を体験するなんてな。

 所詮人が創造したものだから当たり前のことではあるが、魔物や魔族なる存在はいつも悪だという描写しかなかったから、やはりこういう言葉を聞くと⋯⋯胸が痛む。


⋯⋯いや、同情はいらねぇな。コイツらに目が合わせられねぇ。


「ふぅ」


魔石に向けて手を伸ばし、アイテムボックスへと収納する。


「くぅ〜ん」

「ん?」


ガゼルが視線を落とすとロイヤードがガゼルの気持ちを透かしたように励まそうと必死に足に顔を擦りつけている。


「なんだ?しんみりしてるから、励まそうとしてんのか?」

「⋯⋯⋯⋯」

「こういう時は喋らないの──案外好きだぞ」


ガゼルがロイヤードを抱きかかえて頭を優しく撫でる。軽い笑みを浮かべながら溜息をつくその姿を見上げたロイヤードは嬉しそうに広角を上げる。


そのまま街の方角へ向かって歩みを始める。爽やかな風、自然豊かな趣きのある風景、そんな空気が鼻を通るだけで清々しい気持ちにもなるだろう。


数歩歩いたその時、そんな気持ちはすぐに途絶える。



ゴォォォン──!ズシン、ズシン。


軽く視界が横に揺れた。慌ててその場で片膝をついてバランスを整える。


「ロイヤード」


ロイヤードを下ろして警戒態勢をとるガゼル。


'なんだ?'


別に酔っている訳でも、状態異常なんかにもなっていないはず。つまり──これは地震とプラスアルファの現象で間違いないな。


『マスター』

'どうした?'

『先程のオークの分析終了しました──411レベルの魔王軍、それもかなり上のオークということが判明しました』


「タイミングが良すぎるな。なるほど」


魔王軍──なるほど。


噛み締めるように煙草の煙を吐くガゼル。


「そりゃ人への恨みもあるのだろうな」


⋯⋯だとすると。


ガゼルの脳裏にはセレーヌやアレク達の姿が映っている。


「渚、最優先で魔王軍の痕跡を辿って──」

「ご主人様!」

「ん?」

「あっちの方角から──大量の魔物のニオイがっ!」


ロイヤードが向けた方向は、トラシバの街の方角だった。


「⋯⋯⋯⋯そうか」


そう呟いたガゼルの瞳は、冷静ながらも──静かな殺気を秘めていた。


─「※※、※※?※※もう※※※※※※※?」

─「ごめん、※※」


「なんだっけ」


今の分からない言葉と記憶が突然頭に入ってくる。だが反射的に拳を握るガゼル。


「もう⋯⋯懲り懲りだ。──失うのは」


きっと、俺達から戦いは切っても切り離せないのだろう。


そう思ったと同時に、ガゼルはクラウチングスタート程ではないが腰を落とし、珍しく焦りを見せながら全速力で走り出した。


「ロイヤード、俺は今精神的余裕はない。俺が道中話す特徴の人物を死んでも守れ。──良いな?」

「ウォンッ!!」


クソッタレが。失態だ。こんな買い物のついでに侵攻だと?面倒な目にあわせてくれる。


あれだけの魔物がいるのもの納得だ。侵攻が目的に決まってる。


「ロイヤード──速度を上げるぞ」


そう言いながら超加速とも呼べるスピードでトラシバの森の方へと駆けるガゼルとロイヤードだった。


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