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追憶、そして

作者: 秋葉竹

 

  


なまたまごを

グシャッて割るように

こころを裸にされてしまった


ひとすじ、

流れ落ちたのは

悲しみを無視して

終わりにしようとして

笑ったとき。


その唇、

きっとホンキで

傷の痛みを告げる

ずいぶんと長い間

明るい嘘をついてきたんだね?


あなたさえ

抱きしめてくれたなら

世界があたしにあたえつづけた

憎しみのすべてを許してあげる


蕩けるのは

背筋にそって

スーッと

人差し指で

ゾクゾクさせてくれたから


カンタンにスキとか

云えないほどの

純情さで


好き。

て云うけど、よい?


あたしが今、

耳にしているのは

紅と黄色の秋もおわりかけの

落葉を踏みしめる

カサカサという

乾いた過去からの記憶の音色。



今尚、

引き返せないのは

傷んだ胸が

透明な血を流すから


幾たびも美しい夜を越えて

ようやく眠れるのか

暖炉の前で大きな犬といっしょになら、


それからも

行くべき道がわからないというならね、


いままた、

なまたまごを

グシャッて割るように

こころを裸にされてしまった

もう、

戻せない、


追憶、

美しい想い出が

ガラガラと音を立てて

崩れる

かつて優しかった

在りし日の

遠い幸福。








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